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テレワーク導入で助成金が?受給までの方法やその他支援体制を導入事例も交えてご紹介

BizHint 編集部 2017年8月30日(水)掲載
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テレワークは国の推し進める「働き方改革」の一つとして定められており、助成金制度を初めとした更なる普及を目指したさまざまな支援制度が設けられています。今回は、テレワークの概要と実際に行われている国の助成金制度について順を追って説明していきます。また、地方の助成制度やその他の推進事業、政府による取組の内容も紹介します。

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テレワークとは

テレワークとは、「遠い場所から」という意味を持つ「tele」と、「働く」という意味を持つ「work」をあわせもった造語です。IT技術を駆使することで実現する、就業場所や就業時間にとらわれない働き方のことを指します。

テレワークには、働き方や雇用形態に応じて、次のように分類されます。

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雇用型テレワーク

雇用型テレワークとは、その名の通り外部機関と雇用契約を交わした上で業務に携わる働き方のことです。

通勤困難者などが自宅で行う「在宅勤務」や、外勤者がモバイル端末を駆使して行う「モバイルワーク」、サテライトオフィスなどの施設を就業の場とする「施設利用型」など、働く場所に応じて複数に分類されています。

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非雇用型テレワーク

非雇用型テレワークとは、会社や諸団体などに所属せず、雇用関係も交わしていない人が自営業者として業務に携わる働き方のことです。

小規模なオフィスや自宅でパソコンなどを活用して限定された業務を行う「SOHO(Small Office/Home Office)」や、比較的単純な作業となる業務を自宅などで行う「在宅ワーク」などが挙げられます。

テレワークが必要とされる理由

政府は、国内の企業に対し、テレワークが浸透するようにさまざまな取り組みを行っています。これは、テレワークという柔軟性の高い新たな働き方が現代社会において必要とされており、企業側・労働者側に多くの利点を与えることが期待されているためです。

企業側のメリット

働く場所に縛りがなく、「どこでも」仕事ができる可能性を秘めているテレワークは、これまで就業を諦めていた労働者を惹きつける効果があります。

少子高齢化が加速し、企業側としてはこれまで以上に労働者一人ひとりを取りまく環境に沿った働き方を提供していくことが重要となります。ワーク・ライフ・バランスの推進にもつながるテレワークの導入は、貴重な労働力の流出を防ぎ、確保につながる狙いがあります。

また、通勤費や事務所維持費などのコスト削減など、経営においてプラスを与える面も持ち合わせています。

労働者側のメリット

テレワークが労働者側に与えるメリットとしてまず挙げられるのが、通勤の煩わしさから解放されることです。通勤にかかっていた時間をそのまま仕事に充てることが可能となるため、業務の効率化につながります。

また、集中して仕事に取り組めることで、プライベートタイムを確保することが可能となり、自己啓発や家族とのコミュニケーションのために時間を使うことができます。

テレワークにまつわる助成金制度の紹介

テレワークの浸透を後押しするための国の施策の中には、テレワークを導入した企業や、それにより一定の成果をあげた企業に対して助成金を支給する制度があります。

中には、東京都が推進した「ワークライフバランス推進助成金」など、新規での募集が終了してしまった制度もありますが、現在国や地方自治体などで実施をしている支援制度には、さまざまな内容のものがみられます。

ここからは、これらの支援制度について、順を追って紹介をしていきましょう。

職場意識改善助成金(テレワークコース)

労働者が就労にあたり抱えている負担を軽減し、より効率よく働くことができるような環境づくりに取り組んだ中小企業に対して行われる、厚生労働省による助成制度です。取り組みの内容に応じて、職場環境改善コース、所定労働時間短縮コース、時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、テレワークコースの5つのコース設定がなされています。

そのうちの1つである「テレワークコース」は、テレワーク制度を導入し、浸透させるための対策を取った事業主に対して行う助成制度です。

制度の概要

労働者の総労働時間の削減や年次有給休暇の取得率アップ、ワーク・ライフ・バランスの推進を図るため、在宅やサテライトオフィスでのテレワーク制度を導入し、実施する中小企業の事業主に対して、導入や実施の際にかかった費用の一部を支援します。

対象となる事業主

支給の対象となる事業主には、クリアしなければならない点がいくつかあります。

まず初めに、労災保険(労働者災害補償保険)に加入していることが必要です。その上で、業種ごとに定められた、中小企業としての規模を示す資本金や労働者数の条件を満たさなければなりません。詳細は次の通りです。

業種 資本金・出資額 常時雇用の労働者数
小売業(飲食店など) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

対象となる要件

「テレワークに取り組む、または取り組む意欲を持つ事業主である」ことを証明するための要件が、次のように定められています。

  • 新たにテレワークを導入する事業主であること
    (試行的導入の状況を含む)
  • テレワークを継続して実施し続ける事業主であること
    (テレワーク対象の労働者を2倍に増やせば、2回まで助成制度の利用が可能)
  • 労働者の総労働時間の削減や年次有給休暇の取得率アップ、ワーク・ライフ・バランスの推進を図るため、在宅やサテライトオフィスでのテレワーク制度の実施に積極的に取り組む気持ちを持ち、ある程度の成果が見込める事業主であること

上記すべての要件を満たすことで、助成制度を利用することが可能となります。

対象となる取組内容

職場意識改善助成金(テレワークコース)を利用する場合、次に述べる取り組みのうちの1つ以上を選択し、実施をしなければなりません。次からは、取り組みの内容について説明をしていきます。

テレワーク用通信機器の導入や運用

サーバシステム機器やオンライン会議用の機器、遠隔操作システム機器など、テレワークを行うにあたり必要となる、通信にまつわる機器を取り入れるためにかかった費用のことです。なお、パソコンやタブレット、スマートフォンなど、労働者が個人で使用する通信機器は含まれないため、注意をしなければなりません。

保守サポートの導入

テレワークシステムは、インターネット環境を用いて実施するシステムであるため、特にセキュリティ面に憂慮する必要があります。安全面のリスクに対応するため、年間もしくは月々に発生する保守サポート料金や通信費用が、この取り組みに該当します。

クラウドサービスの導入

テレワーク制度を利用する場合、労働者はさまざまな場所で通信機器を活用し、業務を行うことになります。そのため、従来のコンピューターシステムではなく、ネットワーク経由でデータやメッセージのやりとりを行うための「クラウドサービス」を利用する必要があります。このクラウドサービスを導入するにあたりかかった費用が該当します。

就業規則等の作成や変更

テレワーク制度の導入を検討する場合、事前にさまざまなルールを決めておく必要があります。労働者が目の前にいない働き方であるからこそ、ルールが定まらないまま見切り発進をしてしまうことで、問題が発生する可能性が生じます。

このリスクを防ぐため、社内の就業規則や労使協定などを活用し、テレワークをどのように導入し運用していくかを明記する必要があります。

社内への周知活動

人事労務を担当する者や利用する労働者に対し、研修などを通じて周知や啓発を行うことが該当します。たとえば、外部の講師による研修を受ける際にかかった費用や、外部セミナーに出席した際にかかった費用などが該当します。

専門家によるコンサルティング

社会保険労務士や中小企業診断士、専門コンサルタントなどの専門家に対して支払う、テレワーク導入にあたってのコンサルティング費用が該当します。これらの専門家に依頼し、社内状況の調査や問題点の洗い出し、導入手順の提案や対策方法の提示などをサポートしてもらうことで、よりスムーズにテレワークを導入・実施することが可能となります。

成果目標

職場意識改善助成金(テレワークコース)は、ただ取り組みを実施しただけでは助成を受けることができません。前述の取り組みに加え、「成果目標」という、国で定められた目標をクリアする必要があります。

成果目標とは、テレワークを導入したことで効果が期待される「労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の調和の推進」にまつわる達成目標のことです。具体的には、労働者の年次有給休暇取得率アップや、所定労働時間数の削減に関する数値目標が挙げられます。

達成すべき目標の内容

  • 評価期間中に1回以上、対象労働者全員にテレワークを実施する
  • 評価期間中の対象労働者に対するテレワーク実施日の週間平均が1日以上である
  • 労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比べ4日以上アップさせる、または労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比べ5時間以上ダウンさせる

評価期間

評価期間とは、成果目標を達成するために必要とされる期間のことです。具体的には、事業実施期間(事業実施承認日~平成30年2月15日まで)の内における1ヶ月~6ヶ月までの期間で、申請する事業主が設定します。

助成金額

職場意識改善助成金(テレワークコース)では、支給の対象となる取り組み内容を実施した際にかかった費用の一部が助成金として支給されます。成果目標の達成状況に応じて金額や補助率が異なる点が特徴です。

  成果目標達成の場合 成果目標未達成の場合
補助率 経費の3/4 経費の1/2
労働者一人当り上限額 15万円 10万円
事業所における上限額 150万円 100万円

なお、対象となる経費には、謝礼金や旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費が該当します。リース契約などを交わしたため、契約の期間が定めた評価期間を超過した場合は、評価期間に限った経費のみが該当することになります。

また、上記で定められた「上限額」は、「労働者一人当り上限額」と「事業所における上限額」のうち、低額となったものが該当する点に注意が必要です。

助成金受給までの流れ

では次に、職場意識改善助成金(テレワークコース)の導入を検討してから、実際に助成金を受け取るまでの流れについて、順を追って見ていきましょう。

1.申請書の作成

まず初めに、「職場意識改善助成金 事業実施承認申請書」という書類を作成する必要があります。

この申請書には、事業所の資本金や労働保険番号などの基本的情報に加え、テレワークの導入状況や取り組みの内容、実施目的などを記載します。また、別添様式として、職場意識改善助成金事業実施計画や対象労働者の同意書、利用する予定のサテライトオフィスの名称や場所などを記入する必要もあります。

なお、この書類の提出期限は平成29年12月1日です。ただし、実際は国の予算金額に制約があることから、支給対象事業主の数によっては12月1日より前に受付が締め切られる場合があります。

提出から承認まで

提出から承認までの流れとしては、まず前述の「職場意識改善助成金事業実施承認申請書」を、テレワーク相談センターを通して厚生労働省宛に提出します。そして、審査が行われた後に承認された場合は「職場意識改善助成金事業実施承認通知書」が、不承認の場合は「職場意識改善助成金事業実施不承認通知書」がその理由とともに郵送されます。

なお、実際に取り組みを行うのは、この承認通知書が送付された後になります。承認前に取り組みを実施した場合は、助成制度の対象外となるため注意が必要です。

2.テレワーク導入取組の実施

承認通知書が届いたところで、提出した申請書に沿った内容でテレワークを導入するための取り組みを実施します。導入をした後は、評価期間内に実際に対象労働者へのテレワークを実施します。

3.支給申請書・事業実施結果報告書の作成

実際にテレワークを実施したところで、次は「職場意識改善助成金支給申請書」と「職場意識改善助成金事業実施結果報告書」を提出します。なお、助成制度の対象となる経費は、事業実施期間中に支払われたものに限定される点に注意しなければなりません。

申請書の提出期限は、評価期間の最終日から1か月経過日、もしくは2月末日のうち早い日になります。

4.助成金の支給

テレワークを実施した事業所から提出された「職場意識改善助成金支給申請書」は、テレワーク相談センターによる確認の後、厚生労働省により審査が行われます。その後、支給または不支給が決定され、通知が届きます。支給の通知がなされた事業所に対しては、助成金の支払が行われることとなります。

【参考】厚生労働省ホームページ:職場意識改善助成金(テレワークコース)
【参考】厚生労働省労働基準局勤労者生活課リーフレット:職場意識改善助成金(テレワークコース)申請マニュアル

ふるさとテレワーク推進事業

総務省では、「ふるさとテレワーク」という事業を推進しています。これは、都心から離れた場所でも都市部と同様の環境で働くことができるような環境、つまりテレワークの環境を整え、優秀な人材が地方へ流れる状況を作り出すための取り組みです。

テレワーク体制の促進により、労働者が時間や場所に限らず自身の望む形で働くことができるような環境を作り出し、ワーク・ライフ・バランスの推進や地方の活性化につなげるねらいがあります。

ふるさとテレワークの概要

ふるさとテレワークとは、テレワークを実施する際に拠点となるサテライトオフィスやテレワークセンターを地方部に設置し、環境を整備する地方自治体や民間の企業に対し、かかった費用の一部を補助するという支援制度です。

年に一度、総務省より推進事業に対する一般公募を行っており、平成29年の場合は3月末に募集を開始しました。

【参考】総務省ホームページ:平成29年度予算ふるさとテレワーク推進事業に係る提案の公募

助成内容

ふるさとテレワーク推進事業を活用する場合、まずは前述の公募に向けて提案書を提出する必要があります。その後、書類審査や外部による評価が実施され、採択候補先が選別されます。

応募事業所の要件

公募に対して申し込みを行う場合、さまざまな要件をクリアする必要があります。たとえば、サテライトオフィスの設置先は、交付要綱を遵守することに加え、次の地域を除く地域に設置することが定められています。

  • 首都圏:既成市街地または近郊整備地帯
  • 中部圏:法律(首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律施行令(昭和41年政令第318号))で定められた名古屋市内の特定区域
  • 近畿圏:近畿圏整備法(昭和38年法律第129号)による既成都市区域という定めがあります。

そして、これらのサテライトオフィスで長期的に仕事に携わる労働者が発生することが決められています。

【参考】総務省ホームページ:平成29年度予算ふるさとテレワーク推進事業 実施要領

支給される経費と補助率

上記参考リンクのふるさとテレワーク推進事業の実施要領に定められた要件に該当し、採択候補先として認められた会社が、サテライトオフィス設置にあたり負担した経費が補助の対象となります。たとえば、物品費や人件費、旅費などの経費や一般管理費、事業費などが挙げられます。

これらの経費に対し、支給する額を決定するための一定の補助率が定められています。多くの場合が経費の2分の1もしくは上限3,000万円という金額が設定されていることが特徴です。

【参考】総務省ホームページ:情報通信技術利活用事業費補助金(一般会計)交付要綱

ふるさとテレワーク導入事例

ここからは、実際にふるさとテレワーク推進事業に携わり、支援を受けた企業の成功事例を紹介していきます。

事例1:エースチャイルド株式会社

東京都に拠を構える、主に子どもの安全を守るシステムサービスを手掛ける会社です。SNSの危険から子どもを守るサービスやモバイル保険などのシステムに携わっています。ほぼ全ての従業員がパソコンに向かい、システム構築の仕事を行なっていることが特徴です。

取組内容

事業を進めていくにあたり、遠方からでもスタッフが集いやすい環境を整えるため、サテライトオフィスの利用を検討するに至りました。本社が東京都にあることから、サテライトオフィスの場所には郊外の山梨県小菅村を選択しました。

効果

サテライトオフィスが存在する地方で現地の労働者を採用する取り組みが実施されています。また、地元の人から情報を仕入れたい場合にも、それぞれの場所にサテライトオフィスがあればすぐに打ち合わせを行うことができます。

また、東京の本社で働く労働者がオフィスを出て別の環境で働きたいと考える場合にも便利で、新たなアイデアが湧きやすくなりました。

【参考】エースチャイルド株式会社ホームページ:企業情報
【参考】ふるさとテレワークポータルサイト:体験企業紹介1:エースチャイルド株式会社

事例2:株式会社ダンクソフト

株式会社ダンクソフトは、東京都に本社を構え、国内外に10箇所のスマートオフィスを擁する会社です。経営を改善するためのコンサルティング事業や地方創生ICTサービス、インターネットのシステム開発やネットワーク構築などに携わっています。

取組内容

社員が病気にかかり、これまでのように出勤することができない状況に陥ったことから、テレワークによる就労の仕組み作りを開始しました。また、平成23年の東日本大震災により、テレワーク環境のありがたみや利点を知り、サテライトオフィスの立ち上げを決意したそうです。徳島県神山町の古民家にサテライトオフィスを設置し検証を行った際には、運営に欠かせない技術や費用対効果を洗い出すことが可能になりました。

効果

同社では、ワーク・ライフ・バランスの推進を目指してサテライトオフィスの構築を行ってきたことから、社員の理解を得られていると実感することができたそうです。テレワーク制度により、社員は育児や介護と両立をしながら働くことが可能になり、仕事を続ける経験を積んだベテランも増加しています。

また、サテライトオフィスでの就労体制が対外的なイメージアップにつながり、優秀な人材を確保することができているのも成果の一つです。

【参考】株式会社ダンクソフトホームページ:会社概要
【参考】ふるさとテレワークポータルサイト:体験企業紹介2:株式会社ダンクソフト

東京都限定の助成金制度

ここまでは、国が携わる助成制度について紹介をしてまいりましたが、テレワークにまつわる支援制度は全国各地へと広がりをみせています。ここからは、東京都で実際に行っている助成金の制度について紹介をしていきます。ぜひ参考にしてみて下さい。

1.女性の活躍推進等職場環境整備助成金

東京都と東京しごと財団が連携して行う助成制度です。

女性がより豊かな職業生活を送ることができるように社内環境整備の実施や育児や介護との両立生活がしやすい環境整備の実施に携わった企業に対して行われる支援制度のことをいいます。

制度の概要

女性の活躍推進等職場環境整備助成金には2種類のコースが設定されています。そのうちの1つである「女性の活躍推進」では、女性が少ない会社で積極的に女性を採用するため、更衣室やロッカー、トイレ、ベビールームなどを設置した際に助成制度を受けることができます。

もう一つである「多様な勤務形態の実現」では、時間や場所にこだわらない働き方の推奨や育児や介護と両立しながらの就労体制を整えた会社に対して行われる助成制度です。テレワークの導入に関する支援制度は、この「多様な勤務形態の実現」に含まれることになります。なお、このコースは男性ばかりでの職場でも活用することができる点に特徴があります。

対象となる事業主

2名以上の労働者を雇用する中小企業で、事業を開始してから半年以上経っていることが条件となります。なお、この東京都の制度であるがゆえに、東京都内で事業を営んでいることが要件に含まれています。

対象となる取組内容

前述の「多様な勤務形態の実現」コースにおいて、テレワークを導入した場合に受けることのできる制度の概要は次の通りです。

  • 取組内容:テレワーク(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスなど)を実現するための情報通信機器を導入するにあたっての環境整備
  • 助成対象:モバイル端末整備費・ネットワーク整備費・システム構築費・関連ソフト利用料・専門業者への環境整備一括委託費・機器導入に伴うコンサルティング費
  • 助成率:経費の1/2
  • 助成金の限度額:250万円

申請期間

平成29 年 4 月17日~ 平成 30 年 3 月30 日の期間に申請を行う必要があります。

【参考】東京都 TOKYOはたらくネット:女性の活躍推進等職場環境整備助成金
【参考】公益財団法人東京しごと財団ホームページ:女性の活躍推進等職場環境整備助成金のご案内
【参考】公益財団法人東京しごと財団リーフレット:女性の活躍推進等職場環境整備助成金 申請の手引き 平成29年度版

2.働き方改革宣言奨励金

働き方改革宣言奨励金は、東京都産業労働局が実施する奨励制度です。具体的には、労働者の働き方や休日・休暇の取り方を根本から改善するための対策を取った企業に対し、かかった費用の一部を助成します。

制度の概要

会社に勤める従業員の長時間労働を削減するための取組、または年次有給休暇の取得を促進するための取り組みを実施するため、要件に沿って具体的な目標や対策方法の内容を定めた上で、全社を挙げて改善のために行動を起こした場合に、奨励金の支給が行われます。

対象となる事業主

前述の女性の活躍推進等職場環境整備助成金と同様に、2名以上の労働者を雇用する中小企業で、事業を開始してから半年以上経っていることが条件となります。なお、こちらの制度も東京都で実施されているため、東京都内で事業を営んでいることが要件に含まれています。

対象となる要件

この奨励金制度を利用するには、「働き方改革宣言事業」と「制度整備事業」の2つの事業においてそれぞれ定められた要件を、すべて満たす必要があります。順を追って説明をしていくので、参考にしてみて下さい。

働き方改革宣言事業

働き方改革宣言事業とは、東京都内で事業を営む会社の働き方改革を推進するために立ち上がった制度です。働き方改革宣言を実際に行うためには、まずは「長時間労働の削減」と「年次有給休暇の取得促進」をテーマに、それぞれ2~3年後に達成する目標と具体的な取り組み内容を定め、宣言書を東京都へ提出する必要があります。

具体的には、次の取り組みをすべて実施する必要があります。

  1. 長時間労働の削減もしくは年次有給休暇等の取得促進に向けて問題点を抽出する
  2. 問題点の原因分析や対策の検討
  3. 目標や取組内容の設定(「働き方改革宣言書」を作成)
  4. 目標や取組内容の社内周知

その後、提出した宣言書の決定を受け、実際に取り組みを実施している企業のことを「働き方改革宣言企業」と呼び、働き方改革宣言奨励金の活用が認められます。

制度整備事業

制度整備事業における要件は、次の通りです。

  1. 【働き方の改善】や【休み方の改善】に定める制度で、導入方法や実施方法などを制度化し、労使協定を交わすこと
  2. 前述の労使協定をもとに、内容を就業規則に明記し、労働基準監督署へ届け出ること

上記の2つの取り組みをすべて実施する必要があることに、注意が必要です。

【出典】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方と休み方を変えよう!働き方改革宣言奨励金(奨励事業)

奨励額

働き方改革宣言奨励金の場合、制度の達成段階に応じて次のように金額が定められています。なお、受け取ることのできる金額は最大60万円までとされています。

○働き方改革宣言事業の達成時:30万円

○制度整備事業:

  1. 【働き方の改善】に関する制度(テレワークに関する制度等)を1つ以上整備した場合:10万円
  2. 【休み方の改善】に関する制度を1つ以上整備した場合:10万円
  3. 【働き方の改善】に関する制度(テレワークに関する制度等)に加え、【休み方の改善】に関する制度を整備し、合計で5つ以上の取り組みを整備した場合:10万円

奨励金受給までの流れ

実際に奨励金を受け取るまでの流れは、主に次の通りです。

  1. 事前エントリー:TOKYOはたらくネットで定期的に開催される受付日時に申請を行う
  2. 研修の受講:エントリーで申請許可された場合のみ東京都開催の研修を受講する
  3. 申請:提出期限に間に合うように申請書類を作成し、提出する
  4. 奨励事業の実施:定められた期間内で奨励事業を実施する
  5. 実績の報告:奨励事業の終了後、実施報告に関する書類を提出する
  6. 交付額決定:奨励金の交付額が決定・TOKYO働き方改革宣言企業として承認される

【参考】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方と休み方を変えよう!働き方改革宣言奨励金
【参考】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方と休み方を変えよう!TOKYO働き方改革宣言企業募集のご案内
【参考】東京都 TOKYOはたらくネット:働き方改革推進事業(働き方改革宣言奨励金)

3.働き方改革助成金

働き方改革助成金は、前述の「働き方改革宣言奨励金」と同様に、東京都産業労働局が実施する助成制度です。具体的には、国が推し進める働き方改革を実践するために社内で新たに制度を導入し、実施した場合に助成金が支給されます。

制度の概要

TOKYO働き方改革宣言企業となった会社が、働き方改革の推進を掲げて新たに制度を導入し、利用実績が助成要件を満たした場合に、助成金を支給が行われます。

対象となる事業主

働き方改革助成金を受け取ることのできる事業主は、まず「TOKYO働き方改革宣言企業」にならなければなりません。

その上で、「働き方改革宣言奨励金」を利用する場合は、働き方改革宣言奨励金の制度整備事業を実施する必要があります。一方、奨励金を利用しない場合は、TOKYO働き方改革宣言企業の承認が決定してから3か月以内に、新たに奨励金の制度整備事業で対象となる制度整備を実施しなければならない、という要件が定められています。

【参考】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方と休み方を変えよう!TOKYO働き方改革宣言企業募集のご案内

対象となる要件

この助成金制度を利用するには、「働き方の改善」と「休み方の改善」の2つの事業における要件を満たす必要があります。それぞれの事業では、さまざまな制度の内容が定められていますが、テレワーク制度や在宅勤務制度を導入した場合も助成制度の対象となります。

なお、計画期間は3ヶ月~1年の間で、利用実績は連続2ヶ月以上・かつ月に4回以上の回数が必要となります。

【出典】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方改革助成金 制度の運用をバックアップ(助成事業)

助成金額

新たにテレワーク制度や在宅勤務制度を導入し、計画期間内に利用実績をあげた会社に対し、10万円が支給されます。なお、他の制度とあわせて実施をした場合は、最大40万円まで受け取ることができます。

助成金受給までの流れ

実際に助成金を受け取るまでの流れは、主に次の通りです。

  1. 助成金申請:TOKYO働き方改革宣言企業として承認されてから3か月以内に申請する
  2. 助成事業の実施:支給決定後、計画期間内で助成事業を実施する
  3. 実績の報告:利用実績の確認審査後に助成金額が決定される

申請方法

申請を行う方法としては、まずは郵送が挙げられます。実際に送付をする際には、簡易書留などの発送記録が残る方法で行う必要があります。郵送先は「(公財)東京しごと財団」です。

また、書類を直接持参する方法もあります。この場合は、受付先となる「(公財)東京しごと財団」もしくは「TOKYOライフ・ワーク・バランス推進窓口」に対して訪問日時の事前予約を行わなければなりません。

申請期限

申請期限は「TOKYO働き方改革宣言企業」として承認されてから3か月以内です。具体的には、宣言企業の承認決定通知書に記載された日付から3ヶ月以内となります。ホームページの宣言書に記された日付ではないため、注意しましょう。

なお、郵送で申請を行う場合は期限日までに確実に書類が到着するよう、余裕を持って発送を行う必要があります。

申請回数

助成金の申請には回数制限が設けられており、1つの会社につき1回限定とされています。支給決定後に助成要件を満たす取り組みが実施できず、助成金を受け取ることができなかった場合も再申請は認められていません。

【参考】東京都産業労働局 TOKYO働き方改革宣言企業:働き方改革助成金 制度の運用をバックアップ
【参考】公益財団法人 東京しごと財団ホームページ:働き方改革支援事業(「働き方改革助成事業」 (働き方改革助成金))
【参考】公益財団法人 東京しごと財団ホームページ:「平成29年度働き方改革助成金」募集要項&申請様式

テレワーク推進のための政府取組

テレワークは、国を挙げて推進されている「働き方改革」の一つに設定されている働き方であり、今後も各企業へ浸透するような働きかけが続けられることが予想されています。これに伴い、これまで説明をした助成制度や奨励制度に加え、次のような政府による取り組みが行われています。

テレワークの導入を本格的に検討する会社や、実際に助成金や奨励金の受給を予定している会社は、ぜひ参考にしてみて下さい。

普及啓発活動

テレワークをより普及させるために、厚生労働省や総務省ではさまざまな取り組みを実施しています。2014年にテレワークを推進させるための対策が閣議決定され、6年にわたり重点的に行われていく予定が定められています。

セミナー等の実施

厚生労働省では、テレワークを実際に導入した際に定める制度の内容や労務管理の方法について支援するためのセミナーを実施しています。一方、総務省では、テレワークを導入する際に必要となる情報通信技術にまつわるセミナーを実施しています。

厚生労働省と総務省が連携してセミナーを実施することで、テレワークを導入する企業を総合的な面でサポートする形を取っています。

表彰制度

厚生労働省では、「輝くテレワーク賞」という表彰制度を設け、テレワーク推進企業の表彰を行っています。表彰企業と取り組み内容を掲載し、広く周知を行うことで、更なるテレワークの普及を目指していきます。

【参考】一般社団法人日本テレワーク協会リーフレット:テレワーク・セミナーin東京 テレワーク導入事例のご紹介(3.2 政府のテレワークへの取組ー2)
【参考】総務省リーフレット:テレワーク推進に向けた政府の取組について(テレワーク関係省庁における平成28年度の主な予算等施策の概要)
【参考】厚生労働省ホームページ:厚生労働大臣表彰 輝くテレワーク賞(セミナー一覧)
【参考】総務省ホームページ:テレワークの裾の拡大に向けた調査研究(セミナー・個別相談会 一覧)
【参考】厚生労働省ホームページ:厚生労働大臣表彰 輝くテレワーク賞

導入支援活動

総務省や厚生労働省では、テレワークを実際に導入しようと検討する企業に対し、テレワークの導入をサポートするため、さまざまな活動を行っています。

専門家の派遣活動

総務省では、テレワークの普及を目指し、導入を検討する企業に対して専門家や専門企業の派遣を実施しています。

具体的には、テレワークを導入する際に基本となる情報化の支援や企業に沿った内容でのICTシステムの紹介、テレワーク導入計画の策定支援などをプロならではの視点でサポートしていきます。

相談センターの開設

厚生労働省では、テレワークにまつわる疑問点や助成金の申請にまつわる質問を受けつけるため、無料でテレワーク相談センターを解説しています。また、社会保険労務士などの労務管理における専門家を無料で派遣するサービスも実施しています。

【参考】一般社団法人日本テレワーク協会リーフレット:テレワーク・セミナーin東京 テレワーク導入事例のご紹介(3.2 政府のテレワークへの取組ー2)
【参考】総務省ホームページ:テレワーク専門家派遣の開始(「テレワーク全国展開プロジェクト」)
【参考】厚生労働省委託事業:テレワーク相談センター

普及状況の調査

国土交通省では、テレワークの普及促進に役立てるため、2002年よりテレワークを実施している人口の調査を行っています。また、総務省では、国内企業のテレワーク導入状況を調査し、実際の効果などの回答も収集しています。

【参考】国土交通省ホームページ:テレワーク人口実態調査
【参考】総務省ホームページ:テレワーク(第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~)

サテライトオフィス体制の整備

国土交通省や総務省、経済産業省や文部科学省では、テレワークを導入する際に活用するサテライトオフィスの全国展開を総合的に支援しています。

具体的には、離島や過疎地など、人口の流出が問題化されている土地における超高速ブロードバンドの基盤を整備する方法や、古民家や遊休施設など、現在は人が住んでいない居住地や施設の環境を整える方法を取っています。

【参考】一般社団法人日本テレワーク協会リーフレット:テレワーク・セミナーin東京 テレワーク導入事例のご紹介(3.2 政府のテレワークへの取組ー2)

まとめ

  • テレワークの導入を支援するための国の施策の中には、テレワークを実際に導入した企業や導入により一定の成果をあげた企業に対する助成金の支給制度がある。
  • テレワークを実施する際に拠点となるサテライトオフィスやテレワークセンターを設置し、導入に向け環境を整備した企業に対して費用の一部を支援する制度が設けられている。
  • テレワーク導入を支援するための政府による取組は助成金以外にも普及啓発・導入支援活動などがあり、また助成制度は全国各地の自治体でも実施されている。

<執筆者> 加藤知美 社会保険労務士(エスプリーメ社労士事務所)

愛知県社会保険労務士会所属。愛知教育大学教育学部卒業。総合商社で11年、会計事務所1年、社労士事務所3年弱の勤務経験を経て、2014年に「エスプリーメ社労士事務所」を設立。


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