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2019年4月9日(火)更新

採用コンセプト

企業が採用活動を行う際に、求職者にアピールする文言として使われるのが採用コンセプトです。昨今の人材獲得シーンにおいては非常に重要な役割を占めるようになっています。ここでは、採用コンセプトを作ろうと考えている人事部スタッフや経営者のために、事例を紹介しながら作成の手順を解説します。

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採用コンセプトとは?

まずはそもそも採用コンセプトとは何かを説明します。

広い意味での採用コンセプトとは、企業が採用活動を行う際の基本方針であったり、求職者に対してどのようにアプローチするのかという考え方のことであったりします。しかし、この2つは経営戦略の中の人事戦略や採用戦略に含まれることが多く、一般的に採用コンセプトと言う場合は、採用活動のテーマとして、求職者に端的に伝達する内容だと言われます。

したがって、本記事では一般的な定義に沿って解説を進めます。また、この定義での採用コンセプトは企業の価値観や理念が明確に現れますから、非常に重要なものとなります。

採用コンセプトの目的と必要性

会社説明会や企業の就職セミナーでは、どの会社の人事部も自社の事業内容や募集職種の情報を文章や言葉として用意しています。募集要項に書いてあるような内容です。しかし、採用コンセプトは単なる説明文章ではありません。大手企業の多くが活用する採用コンセプトですが、通常の説明文ではない文言をわざわざ用意する目的や必要性はどんなところにあるのでしょうか。

自社の価値観や理念を端的に表現する

就職活動中の学生や求職者が会社を選択する基準にはいろいろなものがあります。業種や職種、福利厚生や労働条件など、判断基準となる情報は人によってさまざまです。そんな中で採用コンセプトは価値観や理念を伝えるものであり、比較的に多くの人が気にするところでもあります。採用コンセプトを伝えることは自社を知ってもらううえで欠かせないものであると言えます。

一方で、価値観や理念は抽象的な情報であり、あまり長い文章で説明しても伝わりにくくなってしまいます。なので、採用活動における価値観と理念を伝えるために、端的で分かりやすい表現を言葉として用意します。求職者にとってはそれがブランドイメージとして伝わります。

求職者ターゲットの心に響かせる

求職者ターゲットとは、自社に入ってほしい人、すなわち会社が求める人材像にマッチした人たちです。就活中の学生や求職者のうちで、特にターゲットとなる人たちに自社をアピールしたいわけですから、組織の魅力となる事柄をいろいろと表現していかなくてはいけません。

しかし、ターゲットとなる人たちに対して「意思を持つ」という、一種の心の変化を促すことになるので、単に言葉を羅列するだけでは十分ではありません。人生の岐路において選択を促すということが、企業紹介文と採用コンセプトとの違いです。これから働こうとする人に未来を語ったり、今どうしてほしいのかを問いかけたり、心を動かすような言葉が必要となります。

他社との差別化をはかる

求職者ターゲットとして考える人材像が他社と同じようになることは珍しくありません。同じ業界であればもちろんのこと、まったく同じでなくても、業種や職種が近ければ、価値観や能力などの必要性が似てくるのは仕方のないことです。

似たような人たちに対してのアピール合戦になるわけですから、差別化を考えなければいけません。そうしなければ数ある企業の中で埋没してしまいます。淡々と事業や社風を紹介していくのではなく、自社が他とは違う魅力を持っていることを採用コンセプトによって明確に伝えていかなくてはいけないのです。

採用コンセプトの事例

ここでは採用コンセプトの見本となるような事例をご紹介いたします。現在では大手企業の多くが採用コンセプトを定めて活動していますが、いずれも目的や必要性にマッチしたものです。基本的には新卒学生を対象としたものではありますが、これから自社の採用コンセプトを考えようとしている人は、ぜひ、参考にしてください。

ダイキン工業株式会社

国境はない。マニュアルもない。だから、ダイキンの仕事は面白い。

グループ全体の売上の7割以上が海外で生まれているダイキン工業では、グローバル企業であることが求職者に対しての売りになります。世界を舞台にして活躍したいと思う人が求職者ターゲットです。また、やることが決まっていると安心して働ける人もいれば、自らタスクを作り出していくことに喜びを感じる人もいます。ダイキン工業で求める人材は後者のタイプであり、そのことも明確に表現されています。

この採用コンセプトにおいては、会社がどういう環境で事業を行っているのかと、どんな働き方を好む人が欲しいのかが明確にされています。短い文章表現として分かりやすく伝わりやすい事例です。

【引用/参考】ダイキン工業株式会社:新卒採用情報 採用コンセプト

サントリーホールディングス株式会社

「やってみなはれ」はサントリーそのものである

常に何事かに挑戦する姿勢を尊ぶ「やってみなはれ」の精神は、サントリーの理念として広く知られています。失敗することを恐れずに、新しいものを生み出していくことに挑戦することが結果的に会社の利益につながるというような考え方です。創業者から受け継がれてきたその精神を、これから入社する人たちにも共有してほしいという思いが感じられる採用コンセプトです。

「やってみなはれ」という言葉を聞いたことがない人にとっては少し分かりにくい表現かもしれません。しかし、それでも会社の理念として第一にあるものであるから、明確に打ち出してアピールしています。入社を希望する新卒学生に持っていて欲しい心構えの中核であることがうかがえます。

【引用/参考】サントリー:新卒採用情報 採用コンセプト

株式会社ツムラ

「自分らしさ」と「想い」を伝えて欲しい

漢方薬メーカーのツムラが求職者に伝えようとしていることの1つに、社員一人ひとりの個性を大切にする会社であるということがあります。扱う生薬にも個性があるように、社内で働く人々にもそれぞれの個性があります。社員のみんなが強みや弱みを含めた個性を発揮することで会社がより成長できるという考え方があり、それを表現するのがこの採用コンセプトです。

かなり抽象的であり、事業内容や仕事の内容には触れていないような表現です。それでも優先して伝えたいものとして「人」をどのように扱うのかということがあるのでしょう。求職者に対して上からの目線にならずに、対等な立場で接したいという理念がうまく表現されています。

【引用/参考】ツムラ:新卒採用 採用コンセプト 入社をご希望の皆さま

小田急電鉄株式会社

夢 いろんな夢があっていい。みんな同じじゃつまらない。「理想の姿」をイメージしよう 小田急で働こう。

鉄道会社というとどうしても、列車の運行に関わるような仕事をするものだと思いがちです。しかし、小田急電鉄では、沿線の商業施設での勤務や、鉄道インフラを支えるIT技術者としての勤務など、一般的にはイメージしづらい働き方も選択肢として存在します。

多様な職種が存在する会社にあって、列車運行のイメージだけが先行してしまうと人材の偏りが発生してしまいます。したがって、社内にはさまざまな働き方があり、いろいろなタイプの人がそれぞれに思い描く未来を実現できる会社であることを採用コンセプトとして打ち出しています。既存の事業やブランドイメージなどから先入観を持たれやすい企業にとっては特に参考になる事例です。

【引用/参考】小田急電鉄:採用コンセプト 採用基本情報

採用コンセプトを作る手順

上記の事例を参考にしつつ、採用コンセプトを作る手順をご紹介します。具体的な内容はもちろん企業によって違いますが、考えていく順番はどの会社であっても同じです。一般的に人事部がこのタスクを担うことが多いですが、経営層ともすり合わせをしながら策定するのが良いでしょう。

事業内容や価値観を書き出す

最初の手順として、まず自社の事業内容を書き出しましょう。当然ですが、漏れがないようにします。いまいちど企業経営の内容そのものを棚卸しすることになります。

そして、経営の理念や、価値観として社員に持っていてほしい考え方などを書き出します。社是や社訓に込められた経営者の思い、社風として存在する空気感のようなものも書き出していけると良いです。場合によって、社員にどのような人生を歩んでほしいと考えているのかというような経営者の思想を含めても良いかもしれません。

このときに、あまり長い文章にならないように注意します。書き出したものを後の手順で組み合わせてみたり離してみたりするので、それが自由にできるように単語や短い文節になっている方が都合よいからです。短めの言葉で、漏れがないようにするというのがこの手順での注意です。

会社の強みを明確にする

事業内容や価値観に関する言葉を書き出したら、その中から自社の強みとなるものを拾い上げていきます。このときに、1つの事柄だけでは強みにならないけれども複数を組み合わせることでそうなるものもあるかもしれません。ある組み合わせで考えてみて見つかれなければ、いちど離してみて他の組み合わせを考えると見つかるということもあり得ます。

強みとなる部分は、普段から経営戦略の中で掲げている場合もありますが、あらためて採用ターゲットの人物像を考えてみて気づくこともあるかもしれません。就職活動をしている人の立場になると魅力に感じる部分がまた違ったところにも存在し得るということです。出来るだけ俯瞰した目線で考えていきましょう。

求める人材像がイメージできる言葉を考える

どんな人に入社してほしいのかをアピールするということも、採用コンセプトが果たす機能の1つになります。したがって、採用コンセプトとする言葉は強みや魅力から考えますが、求める人材像をイメージできるものにしていきます。

企業の強みをそのまま言葉にするだけでは、単なる企業紹介文章と代わりありません。求職者ターゲットの心に響かせる言葉とは、その人にとって自分のこととして感じられるものです。求められている人材が自分なのだとターゲット層の人たちが感じてくれるような言葉を選択しましょう。

すぐに内容が分かるキャッチコピーと文章

事業内容や理念、価値観から強みとなる事柄と、人材像がイメージできる言葉が浮かび上がったら、最後にそれを短い文章にまとめます。商品広告のキャッチコピーなどは、時として内容が分かりづらいものが使われることがありますが、採用コンセプトでは、凝った表現を用いずに、目的に沿った内容を分かりやすい言葉で伝える方が重要です。

業界内で他社との差別化を考える必要があるのですが、違いを生み出そうとしすぎて対象となる相手の心に届かなければ意味がありません。ひねった文言を駆使するよりもストレートに気持ちを動かすような言葉を使うほうが効果的です。読んですぐに内容が分かるようなキャッチコピーや文章にしていきます。

まとめ

  • 採用コンセプトは、求職者に対するメッセージであり、募集要項の説明文とは別に、自社の魅力を端的にまとめた文章表現として使われます。自社がどんな組織であるのかと、これからどんな人材が欲しいのかが、うまく表現できていると効果的です。
  • 用意するためには理想的な手順があって、それに沿って考えていけば決して難しいものではありません。採用活動において既に活用している企業の事例も参考にして自社に合った採用コンセプトを作りましょう。

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