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2017年4月2日(日)更新

産業医

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従業員の健康管理のために、常時50人以上の従業員がいる職場で選任が義務付けられている産業医。産業医とは企業にとってどのような存在なのか、その選び方や契約の仕方、報酬、依頼できる業務内容などについて知っておくことが必要です。

産業医とは、何をしてくれる存在なのか

産業医とは?

産業医とは、職場における従業員の健康管理のための医学の専門知識を持った、厚生労働省が定めた要件を満たす医師のことです。労働衛生コンサルタントの資格試験に合格した医師や、日本医師会や産業医科大学によって認定された研修を修了し資格を得た医師などが、産業医として認定されます。一定規模以上の企業では、産業医を選任して従業員の健康管理等を行わせる義務があります。

産業医導入の経緯

産業医制度は1972年の労働安全衛生法が元になっています。当時は医師から選任することになっていましたが、その後、生活習慣病やストレスによる疾患などの増加を受けて法改正が行われます。それにより、労働者の健康管理等に必要な一定の要件を備えた医師が、産業医として認定されることになりました。近年では、メンタルヘルスケアが重要視されるようになり、精神面での相談にも応じられる、専門性の高い産業医も必要とされています。

産業医の仕事は診察がメインではない

産業医の仕事は、従業員の健康をチェックしたり、相談に乗ったりするだけではありません。従業員が健康で安全に働けるように努めることが産業医本来の役割です。産業医は、従業員の健康を確保するために必要があると認めるときは、企業に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができます。また、少なくとも、毎月1回作業場等を巡視し、作業方法や衛生状態に有害なおそれがあるときは、ただちに、従業員の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければなりません。また、メンタルヘルス、過重労働対策、セクハラやパワハラなどに関する問題、海外出張や駐在の際の健康対策など幅広い知識が求められることもあります。企業は、産業医の勧告を受けたときはこれを尊重しなければなりません。

産業医の選び方・契約の仕方、報酬の相場

産業医の選任義務とは?

常時50人以上の従業員がいる職場では、労働安全衛生規則により産業医を選任することが義務付けられています。さらに、企業の規模によって必要な産業医の人数も決まっています。

①従業員が50人以上3,000人以下の場合・・・1人以上 ②従業員が3,001人以上の場合・・・2人以上

50人未満の職場では産業医の選任は義務付けられていませんが、従業員の健康管理のために必要な医学に関する知識を持つ医師等に、従業員の健康管理を行わせるよう努めなければなりません。企業は、常時50人以上の従業員を職場で使用することになった日から14日以内に産業医を選任する必要があります。また、産業医を選任した際は遅滞なく所轄労働基準監督署長に届け出る義務があります。産業医に欠員が出た場合も14日以内に選任し遅滞無く所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。

企業規模によって変わる産業医の雇用形態

企業規模によって産業医の選任形態も変わってきます。常時50人以上999人以下の従業員を使用する事業場では、産業医は、嘱託(非常勤)で可能です。ただし、労働安全衛生規則が定める一定の有害業務については、従業員が常時500人以上の場合、専属産業医の選任が必要となります。従業員が常時1000人以上の場合は、専属産業医の選任が必要です。嘱託の場合、開業医や勤務医が日常の医師としての業務のかたわら産業医をしている場合が多く、月に1~数回企業に来てもらい、定例ミーティングに出席してもらうのが一般的です。専属とは、産業医としてもっぱらその事業場における産業医の業務に従事することができる者をいいます。

産業医の選び方

産業医を選ぶ前に、企業としてのニーズと産業医に求めることを明確にしておきましょう。産業医の選び方をいくつかあげておきます。

①地域の医師会に相談する ②健康診断を実施している機関に紹介してもらう ③親会社等に産業医がいる場合、その方を産業医に選任できるか相談する ④人材派遣会社に登録した産業医を紹介してもらう ⑤ 業務請負型の安全衛生請負会社を利用する

メンタルヘルスケアの必要性の高い職場などでは、精神科・心療内科の産業医を紹介してもらうとよいでしょう。この場合、2人目の産業医として選任することが多いようです。その他に、産業医の資格を持つ近くの開業医に直接依頼することも可能です。

産業医との契約の仕方

医師会等に紹介してもらった場合は医師との直接契約、派遣会社や業務請負会社を通す場合はそれぞれの会社との契約になります。派遣会社を通すと割高ですが、要望を言いやすいというメリットもあります。契約の際には面談を行い、必ず依頼したい業務内容などを明記した契約書を交わしましょう。

産業医の報酬の相場は?

【嘱託産業医】 委託契約の場合、月1~数回、1回1~2時間程度の訪問が一般的です。金額は業務内容や企業規模によっても変わり、通常、健診や予防接種、ストレスチェックの実施費用は含まれません。産業医の報酬は、月1回で5万円程度が相場です。人材派遣会社を通す場合は、20~30%の手数料が加算され、業務請負会社を利用する場合は月1回2時間程度の訪問で8万円程度かかります。精神科医の面談は費用が加算され、1回5万円程度から半日で15万円程度とさまざまです。

【専属産業医】 最低でも週3~4日、1日3時間以上勤務します。報酬は、勤務時間や経験などによって異なりますが、医師経験5年以上の産業医が週4日勤務した場合、800~1,000万円程度が相場のようです。外資系企業で英語のスキルが必要な場合はさらに高くなります。

産業医に依頼する業務内容とは?

産業医に依頼する内容は明確に

まず産業医に何を求めるのか明確にしておく必要があります。従業員との面談、職場の巡視、衛生委員会への参加、就業に関する助言など、最低限行って欲しいことをピックアップしておきましょう。その他に、健康診断結果のチェック、従業員の健康状態や労働状況の把握、専門家の立場からの意見書提出などを求めることも必要です。

依頼する内容①従業員の健康及び労働状況の把握と助言

産業医には、長時間労働者やメンタルヘルス不調者との面接を行い、健康上・就労上の問題、具体的な対策を記載した就業に関する意見書を提出してもらいましょう。会社が従業員の安全配慮を行っている証拠にもなるため、あらかじめ書式を作っておくことをおすすめします。カウンセラーなど他の専門家との連携が必要な場合も、産業医と情報を共有し、意見書を作成してもらいましょう。

依頼する内容②職場環境などの実態把握

従業員の状態を産業医が把握するために、月1回以上の職場巡視が義務づけられています。

依頼する内容③衛生委員会、安全衛生委員会への参加

従業員の健康管理への取り組みを行うのが衛生委員会または安全衛生委員会です。月に1回以上、50人以上の従業員がいる企業で義務付けられています。産業医はこの委員会に参加し、健康管理指導や助言を行います。

まとめ

①産業医は、従業員の健康や安全を守るために必要な勧告・助言を行う

②一定規模の企業には産業医選任義務がある

③産業医への依頼内容は明確に

産業医と従業員との意思疎通をスムーズにする仕組み構築などで、人事担当者は、産業医を活用した社員の健康管理をしていくことが大切です。


<監修>

岡 英男 弁護士(大正法律事務所)

京都大学大学院法学研究科修了・法務博士(専門職)。2007年より弁護士登録。独立行政法人国際協力機構(JICA)長期派遣専門家として、モンゴル国最高裁判所での勤務を経て、2016年、大正法律事務所設立。日本弁護士連合会国際交流委員会幹事、神戸学院大学経済学部・非常勤講師を務める。(2016年現在)


 

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