連載:第79回 IT・インターネット
インボイスや電帳法、8割超の中小企業の経理部門でかつてないほど負担増
2023年のインボイス制度のスタート、2024年の電子帳簿保存法での電子取引義務化と、ここ数年かつてないほど経理部門の業務が増加・複雑化しています。業務システムを開発・販売するピー・シー・エー(PCA)では、2024年2月にそれぞれ実態調査を行い、中小企業の最新状況について発表しています。
電子帳簿保存法で紙の利用シーンが大きく減少
まず「電子帳簿保存法に対応するため、各電子書類をどのように保管していますか」と聞くと、「電帳法対応した証憑保管(文書保管)システムで保管」という企業が43.5%に達しており、「経費精算システムで保管」34.3%、「基幹業務システム内(会計ソフト&販売管理ソフト)で保管」32.4%となりました。
「お勤め先では、電子帳簿保存法改正の対応にともない“スキャナ保存”を行っていますか」という質問でも「すでに行っている」50.1%と半数を超え、「2024年には行う予定だが、現在は未対応」23.1%が控えています。
そこで「電子帳簿保存法の対応により、負荷が増えた業務」を具体的に聞くと、「“紙書類の保管”と“電子取引のデータ保管”をそれぞれ分けた管理」55.6%が最多で、「“電子取引のデータ保管”を専用システムを使わずパソコン内でフォルダーに分けた管理」40.7%がそれに続きました。
なお「社外への取引関係書類(請求書や納品書)の配布方法」は、「紙(郵送または手渡し)」27.8%となっており、2023年春の調査の38.5%からは大幅に減少。「社外からの書類(請求書や納品書)の受け取り方法」でも、「Webサービス&メールなど」62%が前回調査の52.4%から増加しています。
インボイス制度開始、記載不備の多さが問題に
次に「インボイス制度開始(2023年10月)以降、負荷が増えた業務」では、「受け取ったインボイス記載情報の確認、訂正依頼」51.9%、「請求書発行事業者の適格/非適格の確認など取引先管理」44.4%、「支払や経費申請による記載内容不備での差し戻し作業」37.0%が上位になりました。
また「現在あなたが経費精算業務で困っていること」では「記載不備が多い」34.3%、「経費申請が遅い」27.8%、「会計システムへの仕訳入力が手間」21.3%などが上位でした。
なお「お勤め先では、債務(支払い管理)に対してどのような対応をしていますか」と聞くと、「債務(支払い管理)のシステム」53.7%に対し「Excelで管理」43.5%が迫っており、専用システムではなく良くも悪くもExcelで管理という企業がまだまだ多いようです。
この調査ではインボイス・電子帳簿保存法の対応に共通し、15%が「業務負荷は増えていない」と回答していますが、逆に85%が「業務負荷が増えた」と考えているといえるでしょう。
調査方法
調査期間:2024年2月29日~3月1日
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査対象:「インボイス制度」について知っている、従業員数50名~500名の企業の経理担当者
調査人数:108人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000068180.html
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