連載:第92回 IT・インターネット
経営層を狙うサイバー攻撃、日本は複数回の被害に遭う傾向 世界11か国で比較
激化するサイバー攻撃ですが、近年は金銭目的が過熱しておりその標的も企業に焦点が当たっています。そのため社員ではなく直接的に経営層を狙う攻撃も増えました。こうした状況に対し、IT担当者の7割以上が「一般社員よりも経営層がサイバー攻撃に遭いやすい」と指摘しています。
具体的なサイバー攻撃では「マルウェア攻撃」が最多
キャプテラは、世界11か国のIT・セキュリティ担当者2,648人(日本からは242人)に調査を行い、経営層が直面するサイバー攻撃の現状をまとめました。
まず「経営幹部は、一般社員よりもサイバー攻撃の被害に遭う頻度が高いか」と日本の担当者に聞くと、「そう思う(強くそう思う+ある程度そう思う)」は75%、「そう思わない(あまりそう思わない+まったくそう思わない)」は25%となりました。日本のIT・セキュリティ担当者の大多数が、経営層は一般社員よりもサイバー攻撃に遭いやすいと考えているようです。
続いて「過去18か月間に経営幹部がサイバー攻撃の標的になったかどうか」を世界11か国と日本のみで比較すると、11か国平均では「一回だけある」34%、「複数回ある」29%だったのに対し、日本は「一回だけある」15%、「複数回ある」35%と、世界平均より日本は被害数自体は少ないのですが「複数回ある」という声が目立ちます。
自社の経営幹部がサイバー攻撃を受けたことがあると答えた人(世界11か国:1,667人、日本:120人)に対して、具体的なサイバー攻撃の内容を質問すると、「マルウェア攻撃」が世界11か国でも日本でも最多で、以下「ランサムウェア攻撃」、「フィッシング」が続きます。世界11か国と日本の比較では、日本は「なりすまし」が多いようです。
最後に「経営幹部に対して、特別なセキュリティ研修(追加のトレーニング)を実施しているか」を聞くと、最多の「オーストラリア」69%に対し、「日本」は26%にとどまり11か国のなかで最下位でした。
調査方法
調査期間:2024年5月
調査方法:オンライン調査
調査対象:世界11か国(米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オーストラリア、日本 )のIT・セキュリティ担当者
※組織の規模を問わず、自社のIT業務またはセキュリティ業務に携わっている人/現在、会社でセキュリティソフトウェアを使用している人/自社のサイバーセキュリティ対策に関わっている、または把握している人
調査人数:2,648人(日本からは242人)
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000112974.html
https://www.capterra.jp/blog/6512/pressroom-capterra-japan-2024
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