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連載:第25回 経営・SaaSイベントレポート2022

“責任”なくして本当の心理的安全性は成立しない。組織が失敗から学んだこと

BizHint 編集部 2023年3月15日(水)掲載
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今、世の中で叫ばれている「心理的安全性」。しかし、実際の施策に落とし込み、成果を出せている企業はどれほどあるでしょうか?そこに組織全体で愚直に取り組み、“失敗を恐れない風土”を作り上げたのが、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」や「地域未来牽引企業」にも選ばれた株式会社吉村です。同社は中小企業でありながらも、徹底した心理的安全性の担保と、独自の成長ステップを構築することで、今ではボトムアップで様々なヒット商品が開発される自律型組織となっています。今回は同社の会社説明会の様子から、今の組織に変化するまでの道のりと、具体的な施策について解説していきます。

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■株式会社吉村について
1932年に東京都品川区で創業。日本茶をはじめとした食品包装資材の企画、製造、販売を行っている。日本茶普及のための様々な活動も。2005年に代表取締役へ就任した橋本久美子社長は、元専業主婦という異例の経歴を持つ。2016年経済産業省「はばたく中小企業300社」、2018年人を大切にする経営学会「第8回『日本でいちばん大切にしたい会社』大賞 中小企業基盤整備機構理事長賞」、2021年東京都「テレワークアワード大賞」受賞。2022年東京都「女性活躍推進大賞」受賞。社員数は227名(2022年12月現在)


「失敗を恐れない風土」の土台にあるもの

当社には 「振り返れば投資」 という言葉があります。これは、失敗しても振り返って「なぜ失敗したか」を理解することで、PDCAサイクルを回し、解決に導き、次に繋げられるという考えです。このような「失敗を恐れない風土」をはじめ、当社が大切にしている考え方や目指している在り方について、お話できればと思います。

まず、社員の成長のためには、3つの「こうどう」が重要だと考えています。それが以下の3つです。

  1. 考動(考える)
  2. 口動(口で話す)
  3. 行動(動く)

考え、話すことで、3つ目の行動に繋げていくということです。そのために、他人ではなく自分に焦点を当てて、「目指すあり方」を見える化していこうとお伝えしています。

とはいえ、伝えただけではすぐに出来るようになりませんよね。そこでまず組織の土台として重要と考えているのが 「心理的安全性」 です。

心理的安全性の捉え方はいろいろあると思いますが、当社では 「安心して自分の意見が言える」「本音でモノが言える」といった、「発言」の部分に重きを置いています。

心理的安全性を重視しすぎて失敗。その原因は…?

しかし当社には過去、心理的安全性を追求した結果、失敗してしまった経験があるんです。

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