自律型組織に欠かせない3つの条件。〇〇がある組織に当事者意識は生まれない
社員全員が当事者意識を持って会社の利益を追求し、自ら行動できる自律型組織。中小企業でそんな理想の組織を作り上げた企業があります。それが、株式会社吉村です。しかし、橋本久美子社長は「“あるもの”があると、絶対に当事者意識は生まれない」と語ります。それは一体何なのでしょうか?そして、同社の当事者意識を高めるための仕組みとは?同社が毎月行っている会社見学会から、そのヒントを探ります。
■株式会社吉村について
1932年に東京都品川区で創業。日本茶をはじめとした食品包装資材の企画、製造、販売を行っている。日本茶普及のための様々な活動も。2005年に代表取締役へ就任した橋本久美子社長は、元専業主婦という異例の経歴を持つ。2016年経済産業省「はばたく中小企業300社」、2018年人を大切にする経営学会「第8回『日本でいちばん大切にしたい会社』大賞 中小企業基盤整備機構理事長賞」、2021年東京都「テレワークアワード大賞」受賞。2022年度「東京都女性活躍推進大賞」受賞。社員数は227名(2022年12月現在)
組織の全員が当事者意識をもつために必要なものとは?
今回は「経営理念に照らして、自ら考え行動する環境」の作り方をお伝えします。
当社の経営理念は「思いを包み、未来を創造するパートナーを目指します」です。2011年に策定しました。
この経営理念を実現するために理想としている組織は、みんなで一丸となる「一枚岩のような組織」ではありません。 経営理念をもとに一人ひとりが泳げて、大事なときにパッとまとまる「スイミーのような組織」 です。
一人ひとりが泳げる状態になるためには、社員それぞれに 「当事者意識 」が求められます。そして、社員全員に当事者意識を持ってもらうため、様々な施策を行ってきました。
結果的に当社では、社員からボトムアップで様々なアイデアが生まれてきています。例えばこの「フィルターインボトル」。産休明けの社員さんが「夏こそお茶飲んでいるのに、茶器がなくてどうするんですか。夏にペットボトルじゃないお茶を飲みたくなるようなボトル売りましょうよ!」という声から生まれました。パッケージメーカーと事業定義していた当社が、茶器を扱うきっかけとなりました。今では事業の大きな柱の一つです。

また、現在の離職率は4%ほどです。これでも高いほうで、もっと低い年もあります。これは、皆が当事者意識を持ち、自ら考え行動できる自律型組織に進化していった結果だと考えています。
しかしこの当事者意識、経営者と管理職、現場の間に“あるもの”があると絶対に生まれません。