連載:第54回 IT・インターネット
中小企業でのデジタルツール導入、きっかけは「業務効率改善」が約7割 満足した理由・不満な理由は?
中小企業でも注目されているDX。経理・経費精算、受発注管理、顧客管理、さらにはマーケティングや営業まで、デジタルツールが活躍する余地は、中小企業ほど残されているでしょう。一方で、ツールの選定や実際の導入に悩んでいる経営者が多いのも事実。現状はどのようになっているでしょうか? 中小企業個人情報セキュリティー推進協会の調査結果を見てみましょう。
デジタルツール導入に8割の経営者が満足
中小企業個人情報セキュリティー推進協会が経営者・役員(従業員数30名未満の企業)217人を対象に実施した調査によると、「自社でデジタルツールを導入するようになったきっかけ」では「業務効率改善のため」68.7%が圧倒的に多く、かなり離れて「テレワーク化への対応」17.1%、「社会的なDXへの注目の高まり」15.7%となりました。時世的な理由より、根源的な業務改善を図っている様子がうかがえます。
また「自社でデジタルツールを導入したことに対して、満足していますか」と聞くと「非常に満足している」19.8%、「やや満足している」59.9%と、満足している経営者が大多数でした。「非常に満足している」「やや満足している」と回答した173人に、その理由を聞くと、やはり「業務効率化につながったから」84.4%が特に多く、「社内の情報共有がしやすくなったから」27.2%、「意外と簡単につかえたから」26.6%がそれに続きます。その他には「セキュリティ対策ができた」「紙媒体が減り、探す手間が減った」といった意見があがっています。
一方で、「まったく満足していない」「あまり満足していない」と回答した30人にその理由を聞くと、「十分に使いこなせていないから」56.7%、「投資対効果が低いから」40.0%、「操作性が悪いから」30.0%が多数派でした。
現状は「経理・経費精算」、今後は「営業」のDXに注力
デジタルツールの使い途として「現在、自社ではどのような領域でDXの取り組みを進めていますか」を全体に聞くと、「経理・経費精算」40.1%が最多で、「営業」29.5%、「受発注関係」29.0%、「顧客・取引先管理」28.6%が横並びでそれに続きました。
さらに「今後どのような領域でDXの取り組みを検討したい/さらに発展させていきたいですか」という質問では、「営業」26.7%、「顧客・取引先管理」23.5%、「経理・経費精算」22.6%となりました。利益として結果を出せる営業面のDX推進が望まれていることがわかります。
一方で、「今後自社でDXを進めていくにあたって、課題がある」と考えていた経営者はほぼ半数にあたる110人で、「信頼できるツールの探索と選定」「どこに相談したらいいシステムができるかわからない」「専門知識のある人間がいない」といった意見があがっていました。また、「他社の取組状況に興味があるが、どうやって調べればいいかわからない」という経営者が20.7%存在しました。こうした事例情報をいかに集めるかが、DX成功のカギとなりそうです。
調査方法
調査期間:2022年4月15日~18日
調査方法:インターネット調査
調査対象:デジタルツールを導入している、従業員数30名未満の企業の経営者・役員
調査人数:217人
プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000088293.html
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