連載:第5回 日本企業 海外でのマネジメント
中国人をマネジメントしてみて気がついたこと
日本の製造業が海外拠点を持つ場合、現地で働く外国人従業員の教育が課題となります。ヒートセラミックや構造体などセラミック製品の製造開発を手がける中国メーカー・珠海惠友電子有限公司に2019年から勤務し、現地スタッフの育成にも携わる松井真備人さんにマネジメントのポイントを聞きました。
珠海惠友電子有限公司
副総経理兼任工場長 松井真備人さん
1954年生まれ。1981年に日産自動車入社後、製造組立技術を主な業務として遂行。アメリカ、インドネシア、韓国など海外生産展開業務なども行う。退職後は複数の中国メーカーに勤務し、海外への技術展開業務や外資メーカーとの共同プロジェクトに参画し、日本の高い技術力を伝達するとともに、自身の集大成として後進の育成にも力を注ぐ。
外国人をマネジメントするのは難しい
私は1981年に日産自動車に入社し、長年、生産技術部門で最終ラインの生産技術、品質管理を担当していました。海外工場の最終組み立て技術支援のため、北米や韓国、インドネシアに駐在し海外工場での勤務経験も豊富です。
製造業において、いわゆるQCD《Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)》はいずれも欠かすことができない要素です。海外工場でも、品質をいかに日本と同じ水準に引き上げローカライズしていくかが私のミッションでした。
国が変われば環境や文化はもちろん、スタッフの考え方や仕事への向き合い方も全く異なります。私自身も現地に飛び込んで、その土地ならではの文化や習慣を肌で感じながら学んでいきました。
やがて定年近くになると、マネジメントとして後進の育成に回ることが多くなりました。しかし私自身は現場志向が強く、退社を決意して中国の建設機械メーカーに転職します。転職から3年経った頃、中国国内の景気停滞にともなって再び転職を決意し、現在はヒートセラミックの開発製造を行う中国独自資本企業、いわゆる民間企業で品質管理と生産技術のアドバイスをしています。
製造業のキャリアが長く、2011年から中国企業で働く私にとって、中国のモノづくりの環境は日本に比べてめまぐるしく変化してきたと感じます。
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バックナンバー (5)
日本企業 海外でのマネジメント
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