連載:第14回 食品
他者を思いやる「エシカル消費」、単語の認知は1割未満だが自然に浸透していることが判明
SDGsとの関連からも、ここ最近急速に注目を集めている「エシカル消費」。エシカル(ethical)は「倫理的・道徳的」という意味ですが、エシカル消費は「自分以外の人間、社会、地域、環境などに配慮して消費を行うこと」「そうした姿勢の企業を応援すること」を指します。SDGsの17の目標では、12番「つくる責任 つかう責任」に密接に関係しています。
「エシカル消費」という単語の認知は1割未満だが、すでに採り入れている人も
プラネットが行った調査によると、まず「エシカル消費」という言葉の認知(聞いたことがあり、内容も理解している)は、全体では9.0%と1割未満。「聞いたことがない」67.7%がまだまだ多数派です。
バックボーンとなっている「SDGs」(持続可能な開発目標)についても認知を確かめると、こちらは「聞いたことがあり、内容も理解している」45.5%が多数派で、浸透しつつあることがわかります。
エシカル消費につながるアクションとしては、たとえば「地産地消」「消費期限・賞味期限に対する工夫」など、さまざまなロスを減らす方向が考えられます。
そこで「あなたが住んでいる地域で生産・加工された食品と、他の地域で生産・加工された同じ種類の食品が売り場に並んでいた場合、あなたはどちらを選びますか」を聞くと、「同じ値段であれば自分が住んでいる地域の食品を購入する」と52.0%が回答しましたが、「高価であっても自分が住んでいる地域の食品を購入する」は5.1%に留まりました。
なおここまでの回答傾向を見ると、若い男性ほどエシカル消費に敏感なようです。「あなたは自分が住んでいる地域にある食品を生産・加工する企業のなかで、お気に入りの企業、応援したい企業はありますか」という質問でも、全体では「ある」17.9%に対し、男性・20代は22.6%と、やや高めです。
フードロスへの関心は4年前より上昇、背景にコロナ禍の影響も?
続いて「あなたは“消費期限・賞味期限”が切れる前に食べ切る工夫をしていますか」と聞くと、「いつもしている」は47.2%でほぼ半数。2017年調査の36.4%から大きく上昇していました。これはコロナ禍での巣ごもり消費や家庭内備蓄といった影響もあるかもしれません。なおこちらは、男性より女性、若い層より老年層が多いのが特徴でした。
次に「スーパーやコンビニなどで“消費期限・賞味期限”を理由に安売りしている場合、あなたはどんな食品だったら購入しますか」と聞くと、消費期限の場合は「購入しない」34.5%が最多ながら、「パン」「カップ麺」「お惣菜/お弁当」などがいずれも3割ほどあがっています。一方で賞味期限の場合は、「パン」43.1%が最多で「お惣菜/お弁当」「カップ麺」が続きます。
味の変化だけとされる賞味期限に対し、身体に影響が出る可能性がある消費期限は、やはりやや厳しめに判定されているようです。一方で、当日すぐに消費しそうなパンや総菜・弁当は、期限を多少過ぎていてもOKとしている人が多そうです。また性別では、主婦層なども含まれる女性のほうが高めで、調理が必要な「生鮮食品」「野菜」などはかなり男女差がありました。
具体的な考えを確かめるため、「あなたは食べる(料理する)際、“消費期限”“賞味期限”を意識していますか」と聞くと、「消費期限を意識する」では「レトルト食品」「カップ麺」「缶詰」で、男性が女性をわずかに上回りましたが、「賞味期限を意識する」では、すべて女性のほうが高い傾向を見せました。「安売りになっていても購入しない」は男性のほうが多いのに、食べる際には「意識しない」のも男性でした。
エシカル消費に対しては、ポジティブな意見だけでなく「自分の行動に意味があるのかわからない」といった声もありますが、地道な積み重ねが大切と思われます。
調査方法
調査期間:2021年9月30日~10月4日
調査方法:インターネット調査(実施機関:ネオマーケティング)
調査人数:4,000人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000030978.html
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