連載:第25回 食品
食品スーパー、2022年度業績は3割が赤字。減益も4割近く
2023年は国際情勢なども影響し、3万品目を超える値上げラッシュが発生しました。こうした状況を受け、地方の中小食品スーパーの業績悪化が進行しており、地域によってはコロナ禍以上に苦境に立たされているといいます。こうした背景から帝国データバンクは、食品スーパーの現状と今後の展望について調査・分析を行いました。
商圏縮小で地方スーパーの苦境が続く
まず国内で食品スーパー事業(GMSを含む)を展開する企業を調査した結果、約1,100社のうち349社(31.3%)が赤字でした。前年度から減益となった37.5%を合わせると、「業績悪化」の割合は全体の約7割に達します。これはコロナ禍のピークよりも状況が悪化していると考えられます。
こうした状況に対して食品スーパーでは値上げなどの価格転嫁を行っているかを聞くと、まったく価格転嫁していなかったのは3.2%で、多くのスーパーが価格転嫁を行っていました。価格転嫁率の平均は「47.0%」。「50%以上の価格転嫁を行っている」としたのは45.1%でした。
「赤字」となった食品スーパーの割合を都道府県別(本社所在地)で見るとやはり地方が多く、もっとも赤字割合が高いのは「鳥取県」で唯一70%を超えました。人口減少で来店が見込める商圏が縮小し、地方スーパーは厳しい状況が続いているようです。
調査方法
調査期間:2023年9月末時点(2022年度)
調査対象:全国のスーパーストア業(GMSを含む)および食品スーパー
調査数:約1,100社
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000758.000043465.html
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (25)
食品
- 第25回 食品スーパー、2022年度業績は3割が赤字。減益も4割近く
- 第24回 飲食店の外国人採用、ここ1年での採用割合は38% 今後は「特定技能制度での採用」に半数が興味
- 第23回 飲食店の42.9%が人手不足。テクノロジーによるマンパワー補填の動きは鈍足
- 第22回 日本酒の輸出、13年連続前年を上回り2022年度は過去最高に 輸出額は475億円
- 第21回 2022年の飲食業界で普及した配膳ロボット、「人間スタッフとの共生」が今後のカギ