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内々定と内定の違いとは?それぞれの意味や取り消しのケースなどご紹介

Logo markBizHint 編集部 2017年1月12日(木)掲載
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「内々定」と「内定」の違いはどこにあるのでしょうか?「内々定」とは、いわば内定前の「採用予定通知」。この「内々定」をめぐる環境は、近年の売り手市場を受けて様変わりしています。今回は、そんな「内々定」と「内定」の違いについてご紹介します。

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内定とは

「内定」とは、「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれる正式な労働契約の事で、新卒採用の場合の「始期」は卒業後とされています。

企業側が求職者に内定通知を行い、求職者がそれに承諾し、双方の合意が得られた場合に契約が成立するもので、法律上の拘束関係となります。

一般的に、内定が決まった段階で企業が「採用通知書」を発送し、求職者側は同封されている「入社承諾書」などを提出する事で意思確認がなされます。

なお、労働契約であるため「内定取り消し」は「解雇」に相当する意味を持っています。

詳しくは以下の記事にて解説しています。
【関連】内定とは?内定出しのポイントや内定者フォロー、内定後のトラブルについて解説 / BizHint

内々定とは

「内々定」とは、「内定」とほぼ同じ意味を持ちながら労働契約には至っていない状態を指します。いわば企業側からの採用”予定”通知であり、「口約束」とも言えます。

内々定は、経団連が発表している「採用選考に関する企業の倫理憲章」の「採用選考に関する指針」にある、「採用内定日」より以前に通知されます。

ちなみに、2020年度入社の大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考の正式な採用内定日は、「卒業・修了年度の10月1日」とされていました。

【参考】経団連:採用選考に関する指針 (2018-03-12)

内々定を出すメリット

企業側が内定より前に内々定を出すメリットは、優秀な学生を早期に囲い込む事ができるという点にあります。

特に近年は、経団連に所属し倫理憲章のスケジュールに沿って選考を進める大企業の選考開始より以前に、中堅企業が早々に内々定を出すというケースが増加しています。

指摘される問題点

しかし、この内々定には一部で問題点も指摘されています。

内々定の状態では労働契約に至っていないため、学生は他の企業の採用活動も継続する事が可能です。そのため、一部の企業が学生に逃げられないために以下のような手段を取るケースがあります。

  • 「大学からの推薦書類」を求めたり「誓約書」を書かせるなど、辞退できないような圧力をかける
  • 内々定を出す条件として「他社の選考辞退」を提示する
  • 内々定後に懇親会や研修などと称して頻繁に呼び出す

企業のこのような行為は、「オワハラ(就活終われハラスメント)」とも呼ばれており、社会的にも問題になっています。

【関連】オワハラの意味とは?対策・対処法を含めご紹介 / BizHint

内定と内々定の法的な違い

内定と内々定には「労働契約の有無」という違いがあります。これにより、法的拘束力に違いが出てきます。

内々定の場合は契約を結んでいない状態なので、内々定の取り消しを行ったとしても、基本的には企業が責任を問われる事はありません。

ただ内定については、労働契約書類に記載されている取り消し事項が発生した場合にのみ、労働契約の解除が可能となります。

逆に、記載されていない不当な理由で取り消しが行われた場合、損害賠償請求の対象となります。

近年の「売り手市場」における内々定

近年の売り手市場

文部科学省の「大学等卒業者の就職状況調査」によると平成30年度3月に卒業した大学生(学部)の就職率(4月1日時点)は、97.6%となりました。

これは、調査開始以降2番目に高いという高水準となっており、所謂「売り手市場」と言われている昨今、当然の事ながら優秀な学生の獲得競争が激化しています。

【参考】平成30年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在):文部科学省

複数の内々定を獲得する学生が増加

マイナビが2020年卒業予定学生を対象に調査した「2019年度(20年卒版)新卒採用・就職戦線総括」によると、複数の内々定を獲得する学生が前年より増加している事が分かりました。

2019年6月時点の内々定率は74.4%、2社以上の内々定をもらっている学生は45.2%という結果が出ています。

時期としては、最初の内々定に限定すると4月の下旬がピークになったということです。

経団連の2020年度の倫理憲章において、面接などを行う事のできる「選考開始」は6月と指定されており、意思決定の時期を考慮して前倒しになっていることが結果から読み取れます。

【参考】2019年度(20年卒版)新卒採用・就職戦線総括

内々定辞退について

内々定には拘束力が無い事から、あらかじめ複数の内々定を保持しつつ、さらに大手企業の内々定を獲得した就活生が増加し、それによって内定辞退率が高くなっています。

実際にマイナビが国内企業を対象に調査した「2020年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査」によると、内々定辞退率は「前年並み」と回答した企業が44.3%。「前年より高かった」と回答した企業は前年の34.0%に比べ今年は29.0%と少し減少しました。

【参考】2020年卒マイナビ 企業新卒内定状況調査

企業が内々定取り消しを行うデメリット

先述した通り、内々定は契約を結んでいない状態なので、内々定の取り消しを行ったとしても、法的な責任を問われる事は基本的にありません。

しかし、以下の2つのようなデメリットがあることに注意が必要です。

会社の評判が落ちる

不当な取り消し理由により内々定の取り消しを行った場合、大学のキャリアセンター等で情報が共有されたり、場合によってはSNSなどで拡散されてしまう可能性もあります。

自社の評判を落とす事にも繋がりかねないため、内々定自体を慎重に行う必要があります。

再び採用活動を行うと時間とコストがかかる

内々定を取り消した後、新たに新卒採用を補充する場合は、再び採用活動を行う必要があります。

そうすると時間やコスト面でも負担がかかり、なおかつ再募集をかける時期には既に優秀な学生が市場に残っていないという事態も考えられます。

内々定(内定)が取り消しが可能なケースとは

内々定(内定)が取り消しになるのには、どんなケースがあるのでしょうか。学生側・企業側・その他、3つの観点から説明します。

学生側の問題

入社までに学生側に何らかの問題が生じた場合、法的効力のある内定でも、以下の理由により取り消しを行う事ができます。

  • 経歴の詐称が発覚した
  • 取得予定であった、業務上必要な資格が取得できなかった
  • 留年により卒業不可能となった
  • 事件・裁判沙汰を起こした
  • 病気や怪我などで正常な勤務が困難となった

企業側の問題

企業側では、主に経営状態が著しく悪化した場合に内定の取り消しを行う事ができます。

  • 経営を継続するために人員削減が必要と認められる
  • 整理解雇(リストラ)を避けるための経営努力が行われた
  • 解雇する人選が合理的であると認められる
  • 解雇手続きが妥当な手順を踏んでいる(労働組合など)

その他のケース

自然災害により、会社設備などが事業の継続が困難なほど被害を受けた場合にも、内定の取り消しが可能です。

内々定取り消しの通知方法

内々定の取り消しは、企業側から書面やメールでの一方的な通知が多いと言われています。

一方、内定取り消しの場合は「解雇」と同じ扱いになるため、「解雇予告の手続き」などの正規の手順を踏む必要があります。

学生目線の「内々定」

学生にとってのメリット

まず、内々定を獲得した企業への就職を決めた場合は、早期に就職活動を終える事ができ、研究や学業に集中できるという点が挙げられます。

内々定を獲得しても就職活動を続ける場合は、「既に内々定を保有している」という安心感を持ちながら他の就職活動に臨む事ができます。

学生にとってのデメリット

内々定を獲得すると、学生によっては、心情的にその後の就職活動を継続しにくいという場合もあります。

また、内々定は他企業の選考前に出される場合も多いため、内々定企業から研修や懇親会名目で頻繁に呼び出され、他の就職活動を阻害される等の「オワハラ」に遭うケースも問題になっています。

学生からの辞退について

あくまで口約束であるため、学生側から辞退する事も可能です。

実際に、複数の内々定を獲得する学生が増えており、その分内々定辞退率が増加しているのが現状です。

また、企業側は採用管理システムのような選考情報を一元管理できるシステムを導入し、各内々定者の内定前から抱えていた疑問点、悩み、不安を抽出した上で内定者フォローを行う他、選考中どのような状態の候補者であれば内々定辞退・内定辞退に至らないのかなどを定量的に分析した上で手を打つ事が大変重要です。

【関連】内定辞退を防止するためには内定者フォローが重要!内定辞退の理由も解説 / BizHint

まとめ

  • 「内々定」と「内定」は、ほぼ同じ意味ではあるが「労働契約の有無」という大きな違いがある
  • 近年の売り手市場で、内々定を複数保有する学生が増えると同時に、内々定辞退率も増加している
  • まだ雇用契約を結んでいない状態とは言え、安易に内々定を取り消す事は企業にとってマイナスとなる

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