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連載:第4回 「人材マネジメント」のツボ

サイボウズに聞く人材マネジメントの流儀。カギは「自立」と「一貫性」

BizHint 編集部 2020年12月16日(水)掲載
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『図解 人材マネジメント入門』の著者であり、人事コンサルタントの坪谷邦生さんが、成長する組織の原理原則を探る連載。今回はサイボウズ社の人材マネジメントを紐解きます。かつて28%あった離職率を劇的に下げたのは「100人100通りの働き方」などあまたの人事制度です。しかし、その背景には人事やマネジャー達の奮闘と苦悩の日々がありました。これらの改革を推進する人事本部部長の青野誠氏、人事本部感動課 課長の福西隆宏氏と、組織運営に必要なことついて語り合いました。

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青野 誠(あおの・まこと)さん
サイボウズ株式会社 人事本部部長 兼 チームワーク総研 研究員

2006年早稲田大学理工学部情報学科卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。営業やマーケティング、新規事業立ち上げなどを経験後に人事部へ。現在は人事部での採用・育成・制度づくりとチームワーク総研を兼務。NPO法人やベンチャー企業で複業を経験。自ら多様な働き方を実践している。

福西 隆宏(ふくにし・たかひろ)さん
サイボウズ株式会社 事業支援本部 人事本部感動課 課長

1974年奈良県 天理市生まれ。1998年に龍谷大学を卒業後、NECモバイリングに入社、2004年サイボウズへ転職。開発部ドキュメントグループにてサイボウズ製品のマニュアル制作に携わる。2011年感動課設立に伴い異動、それ以降現在に至るまで、感動課としてサイボウズ社員を約10年間感動させ続けてきた。

「サイボウズに残ろうかな」と思ってもらえるような会社でありたい

坪谷 邦生さん(以下、坪谷): サイボウズといえば「100人100通りの人事制度」が有名ですが、私はその土台として「公明正大」「説明責任」などの人事ポリシーが明確であることがポイントだと思っています。それらを徹底するには苦労も多かったはずです。

私がアカツキの組織改善を行っている頃にサイボウズさんにヒアリングした際、青野さんが 「サイボウズでは今の人事制度にたどり着くまでに5年かかりました」 と仰っていて凄みを感じました。言うのは簡単だけどやり続けることはとても大変です。

青野 誠さん(以下、青野):社員の意識を変えるには、予想以上に時間がかかるんですよね。 2020年はコロナ禍でリモートワークになり、私はそれまで「出社しないと仕事を回すのは無理だ」と思っていましたが、結果、4か月間以上出社しなくても仕事が問題なく回ったんですよね。これは自分もすごい思い込みをしていたなと。それくらい人の意識や価値観はそう簡単に変わらない。

福西 隆宏さん(以下、福西): でも、サイボウズもいろんな時期があって、変わり続けてきましたよね。15年ほど前の2005年には離職率が28%もあって、社員をなんとか定着させようとしていた時期もありました。

青野: 今は離職率5%以下になっていますが、社員も出戻りできるし辞めやすい風土ではありますよね。あえて「出ていいよ」って言っちゃうみたいな。一つの制度をとっても、会社のメッセージは変わるものです。今は 「自立」を重視 していて、副業も含めて社内と社外での働き方を自由に選んでほしいと思っています。

坪谷: 会社に引きつけて中央に集める求心力施策と、むしろ「外に出てきていいよ」といった遠心力施策があるとしたら、「副(複)業許可」や「会社は社員の社外的価値と社内的価値を加味し、給与を決定する」など、サイボウズは圧倒的に遠心力施策が強い印象です。「社員が定着すること」は結果的に起きたらいいよねと思ってやってらっしゃる感じがしたんですよね。

福西: 複業等で 社外とのつながりが強くなっても「サイボウズに残ろうかな」と思ってもらえるような会社でありたい と思いますね。あくまでもぶら下がりつづけるのが前提ではなく、前向きにサイボウズに所属してほしいという。

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