連載:第7回 「人材マネジメント」のツボ
人事制度では自律的な社員は作れない(前編)
「社員に自律的に動いて欲しい」。経営者ならば一度はこう考えたことがあるのではないでしょうか? そして、自律的に社員に動いてもらうために、“人事制度を変更”したり、“人事システム”の導入を検討する経営者も多いでしょう。しかし、図解人材マネジメント入門の著者の坪谷邦生さんは「人事制度では自律的な社員は作れない」と言います。その理由について解説します。
どうすれば、社員は自律的に動いてくれるのか?
「私が指示するまで誰も動かない」
「もっと自発的な提案が欲しい」
「そもそも発言がない。なぜ会議で黙ってしまうのか」
「チャレンジ精神が重要だと理念にも掲げているのに…」
「いったい、どうすれば社員は自律的に動いてくれるのか?」
こんな相談が、人事コンサルタントをしている私の元に、多くの経営者の方々から寄せられます。キーワードは「自律」「自発」そして「挑戦」。つまり、社員が「自ら」動かないことがお悩みの根幹です。
そして相談にいらっしゃる経営者は「人事制度」や「人事システム」の導入・改定を検討されており、他社の「事例」や一般的な「正解」を求めていることがほとんどです。
「やはりOKRを取り入れてムーンショットを目指すべきだろうか」
「ジョブ型にしてプロフェッショナル集団になれば良いのか」
「Googleの20%ルールを導入すれば挑戦が増えるのでは」
ときには「いくらで自律的な社員を作る仕組みができるのか」と機械の設備のように見積りを依頼されることもあります。
まず、その経営者の気持ちはよくわかります。とても困っていて、どうにか解決したい。そしてよく勉強されています。世の中にはうまくやっている企業がたくさんある。その仕組みを真似すれば、事例と正解さえわかれば、うちもうまくいくのではないか。人材マネジメントの本を書いている坪谷さんなら事例と正解を持っているだろう…。そうご期待いただいているのだと感じます。
しかし、残念ながら。 自律的な社員は、人事制度で作ることはできないのです。
心の火は燃えているか?
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バックナンバー (8)
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