連載:第2回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】
「自分が成果を出してこそ信頼される」は勘違い 【銀座英國屋小林英毅さん×河合聡一郎さん】
採用のプロフェッショナルである河合聡一郎さんの事業承継の成功のヒントを探る連載。今回はビジネス・エグゼクティブ向けオーダースーツの製造販売を行う銀座英國屋の代表取締役社長、小林英毅さんです。10年前に会社を継いだとき「すぐ改革を」と意気込んでいたものの壁にぶつかったのだとか。前半では後継者がまず取り組むべきこと、そして陥りがちな勘違いについてお話を伺いました。
銀座英國屋
代表取締役社長 小林英毅さん
1981年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、ワークスアプリケーションズに入社。システムコンサルティングや開発部門での業務を経験した後、2006年、25歳の時に家業であるフルオーダースーツーメーカーの老舗・銀座英國屋に戻り、2009年、28歳で代表取締役社長に就任。
河合聡一郎さん(以下、河合): 小林さんは大学卒業後、外部企業を経験されたのちに25歳で家業に転職されました。歴史が長く強力なブランド力を持つ老舗企業において、事業承継にどのような課題を感じ、向き合ってきたのか。就任後は組織づくりや人材育成にどのような取り組みをしてきたのかについてお話を伺いたいと思います。まず、小林さんが家業に関わり始めた当初のことを教えてください。
小林英毅さん(以下、小林): 銀座英國屋は私の祖父が1940年に創業しました。現在は国内に9店舗を展開していますが、最盛期には国内50店舗、年商100億円まで成長を遂げました。しかしバブル崩壊後は業績が一気に低迷し、私が入社した2006年当時は経営悪化の真っただ中でしたから「自分が、早く経営を立て直そう。自分が、会社を変えてやろう」と強く意気込んで転職したわけですが、入社1日目に旧経営陣からこう言われたんです。
「お前は新しいことは何もしなくていい。何も考えるな。俺たちの言うことを聞いていろ」
と。すぐにでも辞めてやろうと思っていましたね(笑)。
後継者に必要なのは会社の経緯(いきさつ)を知ろうとすること
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