連載:第6回 「人と組織の科学」―人事データ・ピープルアナリティクス最前線―
HRテックやサイエンスから「これからの未来」を読む【鹿内学さん×Laboratik三浦豊史さん×Empath下地貴明さん×HoloEyes新城健一さん】
ピープルアナリティクスを探求する鹿内学さんの連載。今回はHRにかかわる方だけでなく、科学や技術を駆使したサービスを展開している方々をお呼びし、「これからの未来について語る」がテーマです。Slackのコミュニケーションを可視化する「A;」「We.」を開発しているLaboratikの三浦豊史さん、エモーションテックで音声の解析をするEmpathの下地貴明さん、医療コミュニケーションVRを提供するHoloEyesの新城健一さんで座談会を実施しました。それぞれの分野から未来はどんな景色が見えているのでしょうか。
(写真左からLaboratik三浦豊史さん、鹿内学さん、Empath下地貴明さん、HoloEyes新城健一さん)
今日はHRテックやサイエンスから一度風呂敷をもっと広げてみようと思ってみなさんを呼びました。三浦さんはオンラインコミュニケーションの可視化、下地さんは音声で感情の分析、新城さんは医療コミュニケーションVRの開発を行っています。
これからの働き方を前提に、「未来にはどんな世界があるのか」を議論できたらと思います。
私はチャット上のやり取りを自然言語処理を通じて解析し、チームの関係性やコミュニケーションをビジュアライズするサービスを作っています。私はグーグルに在籍していたのですが、あの会社は「データドリブン」が徹底されている会社でした。人事や開発にデータを活用するのはもちろんのこと、例えば、「食事やスナックの消費データをチェックして、ニーズや社員の健康状態を測る」などのことにも力を入れていました。多くの企業では、広告や売上に対してROIを必至に分析しているのに、人材に関してのデータには全然解析していないので、コミュニケーションを可視化する「A;」「We.」というサービスを作った次第です。
私は感情分析を行うツールEmpathを開発しています。人の音声から4つの感情を推測し、それぞれの感情を色で出力しています。緑は落ち着いている状態、黄色は喜んでいる状態、赤は怒りや強い主張、青が悲しみや戸惑いです。4つの感情を統合して作った「元気度」も出力しています。この元気度が高い人はモチベーションが高かったり、営業の場面では、受注率も高かったりします。反対に低いと離職の意向を出しやすいという特徴があります。
感情のデータは今、生産性と紐づくパラメーターなのではないかと思っています。三浦さんはテキストやネットワークですが、私たちは音声に着目しています。
私はいくつかの事業に携わっていますが、例えば、HoloEyes(ホロアイズ)という医療用のVR。医師はCTでスキャンした人体の断面データを頭の中で三次元に構築して「これは血管だから、腫瘍はここにある……」と手術で推測していたりします。それを、ポリゴンデータにしてVRヘッドセットで見れば、位置関係などがすごくわかりやすくなります。
やっぱり、個人的に好きな領域は「新しい世の中のコミュニケーションはどうなっていくのか」です。
この連載は「人事データ・ピープルアナリティクス」を探求するものですが、「テックだけではない」と強く思っています。サイエンスも含めて、実際に現実化させていかないと新しい世界は築けない。やっぱり、最前線のサイエンスのナレッジはもっと学んでいくべきだと思います。
音声から見える、パフォーマンスが高い組織
下地さんにお伺いしたいのですが、音声を解析していく中で、「パフォーマンスが高い組織」や「4つの感情のブレンド具合」など見えてきた部分はありますか?
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