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連載:第28回 「人と組織の科学」―人事データ・ピープルアナリティクス最前線―

相手を信頼して新しい関係性を作れる人が先に進む!?

BizHint 編集部 2020年10月14日(水)掲載
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人事データの専門家、鹿内学さんによる連載。今回はラクスル株式会社 人事部長の城倉亮さんとの対談です。最終回ではイノベーションを起こすために必要な「信頼人材」の育成について語り合いました。

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城倉 亮さん
ラクスル株式会社 人事部 部長

2004年、東京大学卒業後、全日本空輸、NTTデータ経営研究所、リクルート、エムスリーにて人事労務業務に携わる。2019年4月、ラクスル株式会社に入社。


集団で議論するより、意見を集約すると「群衆の知恵」が効く

鹿内学さん(以下、鹿内): 「群衆の知恵」の研究によると、集団で議論して考えるよりも、群衆の意見を集約した方が正しく、よりよい結論を導くことができると説いています。したがって、組織にも「知識」のダイバーシティが求められるように思います。

部署内だけでアイデアを出し合うよりも、多部署の弱いつながり同士の社員が意見交換したり、意見を吸い上げたりが効果的なこともある。ナレッジマネジメントのAIが必要なのかもと思っています。

城倉: なるほど。「群衆の意見が正しい」を実感するのはミーティングです。各々が好き勝手に意見を言ってもまとまらないし、個人がまず自分の意見を紙に書いて集約するほうが断然効率がいい。組織の意思決定では、誰かが意見を言い始めると他人の意見に引っ張られちゃうこともありますよね。

ただ、全く異なる意見を聞くことも大事ですが、鹿内さんのおっしゃる「弱いつながり」とは何を示すのかは議論が必要だと思います。目的やどんな情報を得たいか、ターゲットに当てはまるかにもよっても「弱いつながり」になるかどうかは変わると思います。

鹿内: 「イノベーションのジレンマ」という問題もありますよね。商品の品質改善を続けるか、ローコストを実現するか。商品に詳しい人に聞くほどよりよいプロダクトができますが、不必要な機能が増えるだけのことも。ラクスルでは多様性ある人的リソース活用できていますか?

城倉: ラクスルは 1つの企業体として「連続的な改善と非連続なイノベーションの両立」を目指しています。 社内で「Hack week」なども実施していて、 偶発的なつながりから新たなアイデアを生み出そうという取り組み もしています。

ラクスルに限った話ではないと思いますが、部署の凝集性が高まると、独自のビジネス用語が作られ、事業部ごとに独自の文化圏が作られていきます。それゆえ、言葉がわからない新入社員や中途社員にはストレスに感じることもあります。「この単語ってどういう意味ですか?」と、先輩社員にも聞きにくいですしね。 組織の凝集性が高いゆえに意見が集まらないケースもあります。

社内外の人を分け隔てなく信頼する人材の重要性

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