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連載:第70回 経営危機からの復活

「早く倒産してほしい」の圧にも貫いたリーダーの覚悟。人が辞めない自律型組織への軌跡

BizHint 編集部 2024年7月29日(月)掲載
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2019年から5年間で売上高64億円増。従業員数68名と小規模ながら、今期は120億円規模の売り上げを見込むのが、マッチングワールド株式会社です。同社の社員は自ら考え主体的に動くことができ、ここ約10年の離職率はほぼゼロと、人が辞めない自律型組織に成長しています。しかし、かつては倒産危機に追い込まれ、信頼していた銀行の手のひら返しにあい、共に戦った多くの仲間の退職を見送りました。同社の創業者であり代表取締役 町田博さんは、このピンチをどう乗り越え、そしてどのように組織を作り上げてきたのか。詳しく伺います。

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「倒産してほしい」銀行の圧にも歯を食いしばり耐えた10年

――貴社は、企業の余剰在庫を必要な人に届けるための、独自開発のプラットフォーム事業を展開されています。特にここ5年間で売上高は約64億円も拡大し、現在はIPOも視野に入れられているとか。

町田 博さん(以下、町田): はい。ありがたいことに、従業員数68名と小規模ながら順調に売り上げを伸ばし、今期は売上高120億円を見込んでいます。かなりニッチな事業ではありますが、日本における余剰在庫は22兆円規模とも言われており、まだまだ伸びしろがあると感じています。

ただ、ずっと順調だったわけではありません。2008年に起きたリーマン・ショックの影響で、一時は倒産危機まで追い込まれました。 2008年の売上高は約61億円だったのに対し、翌年は約33億円と、ほぼ半減。資金が尽き、会社の預金残高が1,000円台になってしまう状態が続きました。

ただ、最もつらかったのは、それまで当社のビジネスを応援してくれていた 銀行からの一言 でした。彼らに頭を下げながらも、悔しさが込み上げてきたことを鮮明に覚えています。

――どんな言葉だったのでしょう?

町田:「法的に破綻したほうが良いのでは。そのほうが処理も楽だから、早めに倒産してほしい。」 というものでした。

上場を見込んで当社に積極的な融資をしてくれていましたが、リーマン・ショックの影響で上場が厳しくなったとなると手のひらを返したように豹変し、社債と借入金約6億円の返済を迫られました。つまり、貸し剥がしです。それまでは、当社の事業を評価してくれていて、10億円の出資をするという話も出ていました。だから、本当に悔しかった……。

――そのとき、町田さんはどうされたのでしょうか?

町田: 銀行の支店長の部屋で決断に迫られる中、「絶対にあきらめない」と心に誓いました。経営危機の要因はリーマン・ショックにあり、当社のビジネス自体は確実に伸びていました。自信があったから、外部環境が変われば必ずよくなると思いました。また、 僕はマッチングワールドを創業する前に一度会社を倒産させているんです。だから、二の舞を踏みたくないという覚悟もあって。

それからの10年間、「倒産させてなるものか!」と歯を食いしばって経費削減と資金繰りに奔走しました。

――具体的にどのようなことに取り組みましたか?

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