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連載:第13回 経営・HRイベントレポート 2017

“人事が嫌い”な元Google人事担当のピョートルさんと“人に興味がある”ユニリーバ島田さんの対談から見える「次世代人事組織のあり方」 

BizHint 編集部 2017年9月5日(火)掲載
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2017年7月14日に人事・人材業界関係者向けイベント「次世代の組織制度のあり方を考えよう ~一人ひとりがもっと活き活き働ける組織をつくるためには~」が開催されました。

元グーグルの人事担当者ピョートルさんとユニリーバのCHRO島田さんによる対談をお届けします。

<登壇者>
プロノイア・グループ CEO/モティファイ株式会社 チーフHRサイエンティスト ピョートル・フェリークス・グジバチさん (以下:ピョートルさん)
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 CHRO 島田由香さん (以下:島田さん)

<モデレーター>
株式会社ビズリーチ 取締役 多田洋祐さん (以下:多田さん)

“人事が大嫌い”なピョートルさんにとっての「良い人事・悪い人事」とは

多田さん:  ピョートルさん、さまざまな人事の方と接してきて、人事の良し悪しについてのお考えを聞かせてください。

ピョートルさん:  怒られるかもしれませんが、そもそも僕は「人事の方が大嫌いです」。 といっても全員嫌いな訳ではないですが(笑)。僕が大嫌いな人事というのは、19世紀の製造業モデルの人事です。コンプライアンスなどで社員がちゃんと従ってくれるピラミッド組織を作り、管理をする人事ですね。

すごく勉強して、元気に新卒で入社した人が、コンプライアンスや管理下におかれると動けなくなってしまう話をたびたび耳にします。この要因はダメな人事のせいでもある。

旧来の製造業では社員に勤勉性や従順、専門性だけを求めています。日本のみなさんは非常にこの点ではお上手ですね。ですが、残念ながらこれらの仕事はアウトソーシングできるし、海外に移すこともできる。AIも進化して、今後自動化もされるでしょう。

Googleでは、クリエイティブな「0から1が創れる人材」を求めています。そんな人材を見極められる採用制度を作り、会社に入って活躍できるような場作り、成長できる制度や組織を作っていける。これがよい人事です。そんな人が重視しているのは勤勉性や従順よりも、「率先・創造力・パッション」です。

時代の先を読み、人材が自身のパフォーマンスやポテンシャルを発揮できるような組織づくりを仕掛けること。これが僕は非常に大事だと思います。管理を念頭に置いた組織づくりをしていると、いくら個人に力があっても、管理の下では動けなくなり、組織に力がなくなっていきます。

島田さん:  ピヨちゃん(ピョートルさんの愛称)が話す従順や専門性は、ゲイリー・ハメルの書籍『経営は何をすべきか』に書かれたピラミッド図を指しています。下の3層には勤勉とか従順とか専門性、その上に主体性、パッションやクリエイティビティがあります。

【出典】ゲイリー・ハメル著『経営は何をすべきか』より

専門性と主体性には1つラインがあると思います。「どんな風に自分があるのか」を考えたとき、従順に言われたことをやり続けて、勤勉に繰り返していたらある程度の専門性は得られます。それでハッピーと思えるなら専門性を持ったまま留まるのもよいと思います。

でも、その状態から「リーダーシップ」という言葉が出てくると、主体的に「自分が何をしたいのか」が生まれます。創造性が刺激されて、パッションを持てるようになる。成長している会社にはトップにパッションがあります。「世界をどうしたい」「こんな世界にしたい」というパッションがあるから、成長しているんです。

その意味では、「良い人事」とは、自身にもパッションがある人だと思います。

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