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連載:第5回 仕事・組織を変える SaaSサービス

【CA社長藤田さんも刮目する】社員の声を吸い上げるツールGeppoとは

BizHint 編集部 2017年8月19日(土)掲載
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もし社員の本音が、天気予報のように分かるなら…… 人材育成や採用活動など、人事領域の業務をテクノロジーで改善・効率化する「HRテック」。多くのスタートアップが参入し群雄割拠の様相を示すなか、サイバーエージェント以下CAとリクルートホールディングス以下リクルートの2社がタッグを組み、2017年7月に切り込みました。 2社が提供する新ツールの名は「Geppo」。社員が毎月3つの質問に回答するだけで、組織の課題が発見できるだけでなく、組織の透明化が促進されていくと本プロジェクト担当者の渡邊 大介さんと、CAの人材科学センターの向坂 真弓さんは言います。 「Geppo」はいったいどのような仕組みのツールなのでしょうか。前編ではGeppoの特徴や、前身となるGEPPOがCA社内でどのように信頼されていったかを紐解きます。

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Geppoとは何か

テクノロジーを用いて人と向き合う思想を持ったプロダクト

ーー最初に「Geppo」とはどんなツールなのでしょうか。

渡邊:  Geppoは組織内の声を拾うことに特化した「課題発見ツール」です。

Geppoでは社員の本音を集めるために、さまざまな工夫を凝らしています。たとえば、毎月回答する設問を「仕事満足度・人間関係・健康」の3つに絞ったりします。全国就業実態調査JPSEDをベースに退職・休職の要因を導き出し、3つの質問から多くの人事課題を網羅できるように設問を設計しています。

質問に回答する社員だけでなく、人事担当者やマネージャーの負担も軽減できる仕組みにしています。回答の集計・比較状況が一目で分かるレポートの自動作成はもちろん、回答内容もリアルタイムでダッシュボードにアップデートされます。また回答から社員の「危険信号」が見えたら即座に管理者にアラートを飛ばすなど、問題の芽にいちはやく気づける仕組みを整えています。

CA社内版「GEPPO」との違い

ーーCA社内でも、社員の声を拾うためにGEPPOを利用しており、それをベースに開発されたかと思いますが、大きな違いはありますか?

向坂:  CA社内で用いられているGEPPOは、個人のコンディション・スキル・志向性を聞き、強みを活かせるような適材適所を実現するためのツールとして活用されてきました。

渡邊:  思想は踏襲していますが、先に述べたように「課題発見」に重きを置いています。組織で何が起きているかを発見することが適材適所の第一歩であり、ツール単体でパフォーマンスを発揮できる部分と考えています。

質問内容を一言一句考え回答者にストレスがないようにした

ーー人事担当者やマネージャー陣にとっては、社員の生の声が聞ける素晴らしいツールですね。社員には「怖いツールだ」と感じさせないよう、質問文も精査されていると聞きました。

向坂:  CA社内版のGEPPOでは、社員に気持ちよく答えてもらえるよう、質問文も時間をかけて作成しています。

例えば社員の稼働状況の実態を知りたい場合に「残業していますか」「家に仕事を持ち帰っていますか」などストレートに聞くと絶対にハレーションが起きる。ですので「稼働状況100を基準とした場合、どれぐらいですか」という質問にしています。

この聞き方だと、「もう無理です」という言う人は「500」など極端にアラートを出しやすくなります。回答で出てきた数字も、他の社員と数値を比較するより、一人の社員の回答がいかに変化したかに着目しています。

渡邊:  身体的な疲労も「疲れてますか」ではなく、疲れと関連性の強い事項「よく眠れているかどうか」を聞くと、みんな普通に答えてくれます。睡眠時間は個人差があるため、眠りの質を尋ねると「眠れてない」と回答する社員もいるかもしれない。「睡眠薬に頼っていて満足に眠れていない人は、日中の生産性が下がるだけでなく、休職離職に繋がる可能性もある……」と考えられるのです。

社員コンディションを線で追って「黄色信号」を見つける

渡邊:  Geppoは社員自身が本音を語りやすい環境をつくり、社員からの「黄色信号」を察知することを目指しています。黄色信号はいわゆる退職や休職、メンタル面の不調など予備軍・潜在層の状態。この「数か月先に休職・退職してしまう、気持ちがついていかなくなる」社員を見つけ、彼らの受け皿になりたいと思っています。黄色信号が分かれば「この人の話を特に聞いてあげなければならない」「上司との関係など、何か深刻な問題を抱えていないか探ろう」と人事も察知できる。

黄色信号を発してもらうには、継続的に取り組むことが重要。継続的に取り組み習慣化することで組織の風通しがよくなり、黄色信号を含む本音を発見しやすくなる。また、複数回に渡り回答してもらうことで、社員のコンディションを長い時間軸から追えるメリットもあります。

社員は「直近の感覚」で質問に回答しがちです。例えば「満足していますか」という質問に対し、現在ある程度満足していれば「満足している」と答える傾向があります。未来への不安を抱えていたとしても、直近で社員に問題がなければ問題は現れてこないのです。

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