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社長は社員を“褒めない”。V字回復「ホッピー」、キリっとほろ苦い組織づくり

BizHint 編集部 2023年1月27日(金)掲載
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ビアテイストの炭酸飲料「ホッピー」。居酒屋で見かけることも多いのでは?しかし、一時は売上が低迷した時期もありました。その危機を乗り越える立役者となったのがホッピービバレッジ株式会社の3代目・石渡美奈社長です。2001年に8億円まで低迷した売上を、コロナ前の2019年には42億円まで回復させます。そして現在は、新卒社員が数多く活躍する企業へ変化しているそう。同社の組織づくりについてお話を伺いました。

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ホッピービバレッジ株式会社
代表取締役社長 石渡美奈さん

1968年東京都生まれ。立教大学文学部卒業後、日清製粉(現:日清製粉グループ本社)に入社。人事部に所属し、93年に退社。広告代理店でのアルバイトを経て、祖父が創業したホッピービバレッジに入社。広報宣伝を経て、2003年取締役副社長、2010年代表取締役社長に就任。


製造部門の全社員が辞表を提出。ホッピーブランド成長の裏で起きていたこと

――石渡社長といえば、「ホッピーブランドをV字回復させた女性社長」としてのイメージが強いのではないでしょうか。

石渡美奈さん(以下、石渡): ありがたいことに、そのような形でメディアに取り上げていただくことも多いです。

確かに当社の売上は、2001年の8億円から、コロナ前の2019年には過去最高の42億円に達しました。しかし、この要因は何かと聞かれても、正直わかりません。組織づくり、マーケティングという内的要因に加え、健康志向、道路交通法改正に伴う低アルコール飲料への注目という外的要因などさまざまな要因が重なった結果だと考えています。

ただ、インターネットの普及は大きな追い風でしたね。当社のような中小企業は広告費を潤沢にとれないので、自社サイトを作り、ブログで発信を続けました。「ホッピー」というどちらかといえば女性とは縁遠い商品で、その3代目候補が女性だという意外性が面白がられ、有り難くも次々と取材が舞い込みました。そして出演するたびにお問い合わせを頂戴し、某人気テレビ番組出演後は自社サイトのサーバーがパンクしそうになったこともあったぐらいです(笑)。

とはいえ、これまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

ビアテイストの炭酸飲料「ホッピー」。低カロリー、低糖質、プリン体ゼロ。1948年、東京赤坂で製造販売されてから、75年に渡って支持され続けている

――ご経歴としては、1997年に家業であるホッピービバレッジ株式会社にご入社されていますね。

石渡: はい、もともと3代目を継ぐ覚悟で入社を希望したのですが、父はなかなか首を縦に振ってくれず…。説得に1年かかりましたし、「将来社長になる」という約束もない中での入社でした。あの頃を振り返ると経営なんて全くわかっていませんでしたが、そんな私でさえ、社内で違和感を覚えることがいくつもあったんです。

――その違和感というのは?

石渡: 当社は赤坂本社と調布に工場があるのですが、当時は横須賀と川口にも小さな営業所がありました。40~50人規模の会社にもかかわらず、拠点間での交流が全くなかったんです。そしてもうひとつ。社員がホッピーを飲まず、そもそも関心がない。メーカーが自社製品に関心を持っていないという事実に驚くばかりでした。

大きな事件が起きたのは、2006年。副社長を拝命してから3年後です。

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