連載:第21回 経営・SaaSイベントレポート2023
ソニー再生の立役者・平井一夫氏が考える「変革をもたらすリーダーの2つの条件」
2012年、5000億円を超える大赤字の中で社長に就任。低迷するソニーを再生へと導いた立役者である、ソニーグループ株式会社 シニアアドバイザーの平井一夫さん。同氏はその経験から、“超競争”時代である今こそ、社員のモチベーションを高めながら、闊達な意見交換ができる場を作り出し、変革に導いていくリーダーシップが重要だと語ります。そして、そんなリーダーには「IQ」よりも、もっと重要な要素があるのだそう。詳しく解説いただきました。
5000億を超える大赤字の中、社長就任。ソニーの歩みは「変革の歴史」
私は1984年、CBS・ソニーレコード(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社し、ソニーグループでのキャリアをスタートしました。2006年からは全世界のゲームビジネスの責任者に。PlayStation 3の販売不振に悩む事業の立て直しに奔走しました。そして2012年に5000億円を超える大赤字の中で代表に就任し、そこから6年間ソニーの社長兼CEOとして仕事をさせてもらいました。
今日のテーマでもある「変革」について。ソニーの歩みはまさしく「変革の歴史」と言えます。1946年の創業から22年という速さで音楽業界に参入。1979年には金融業界に参入し、損害保険や銀行などビジネスを展開。さらに1993年にはPlayStationでゲーム業界に参入したほか、2013年にオリンパスさんと組んで硬性内視鏡ビジネスに参入しました。
今日は、幾度となく変革を繰り返し、困難を乗り越えてきたソニーと私自身の経験から、「変革」を導くためのリーダーシップについてお話できればと思います。
私たちは今まさに、 “超競争”のビジネス環境の中に置かれています。しかも、「変革」は何十年に1回ではなく、常に繰り返していくことが求められており、社員たちは非常にプレッシャーが高い状態に置かれているのです。
こういった環境の中で働く社員のために、会社が提供すべき4つのポイントがあります。
- 常に誇りと自信を感じつつ高いモチベーションを保ちながら、
- 同じゴールや目的に向かって全員で協力しあい、
- 恐れずにオープンな議論をする機会が与えられ、
- 常に革新的であると同時に、一定のリスクを取ることが許される状況
社員のやる気を引き出しながら、闊達な意見交換ができる場を作り出し、変革に導いていく。この状況を実現するために求められるのが、 「モチベーショナル・リーダーシップ」 です。
ここからは、「モチベーショナル・リーダーシップ」の本質と、ソニーのゲームビジネスの例を取り上げて「イノベーションのジレンマ」にどのように立ち向かったのか、お伝えしていきます。
変革を導くリーダーに必要な2つの条件
やる気とモチベーションを高め、組織のパワーを真に引き出しながら社員を導く「モチベーショナル・リーダーシップ」。このリーダーシップを発揮するための条件が2つあります。
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経営・SaaSイベントレポート2023
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