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サクセッションプランの立て方 次世代への最適なバトンパスの仕方とは?

BizHint 編集部 2017年1月6日(金)掲載
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高齢者の経営者が増える現代。突然の経営者退任や交代に備えて人材をプールしておくのがサクセッションプラン(後継者育成計画)。スムーズに交代ができるためのプランの立て方を説明します。

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そもそもサクセッションプランとは?

サクセッションプランとは、もとも後継者育成計画のことで将来的に経営を担っていく人材を育成するための計画です。現在では、将来的に経営を担っていく人材や経営者の後任者を育成しておくことで、不測の事態等による経営者・リーダーの退任や交代に備えるという意味合いが強くなってきています。サクセッションプランは後継者育成ということもあり人事部門よりも経営陣が深く関わっていくことがあります。概要としては経営を担うであろう「後継者候補となる人材の選出」と「後継者候補人材の育成」の二つのフェーズがあります。以下ではサクセッションプランを立てる際のステップを紹介します。

サクセッションプランを立てるステップ

ただ漫然とサクセッションプランを立てようとしても、効果的にプランを立てることはできません。まずはプランを立てるためには主に以下のようなステップを踏んでいくことが重要です。

①経営戦略の明確化 ②後継者候補の要件・必要スキルの決定 ③要件に適合する候補の選出 ④プランの立案・実行 ⑤後任者の選定

もちろん状況やその企業の状況によってより詳細なステップとなることはあるのでその時は臨機応変にステップの入れ替える必要があります。 これらのステップは上記で述べたように二つのフェーズ「後継者候補人材の選出」「後継者候補人材の育成」があります。その二つに関してより詳細を以下で説明していきます。

後継者候補人材の選出

後継者候補人材の選出を行う際に要件の設定を行う必要があります。

主な要件の設定方法

今後どのような経営をしていくかの明確な方針を立て、それに合致する人材を適切に選出するために要件の設定は欠かせません。 後継者候補の要件を決定するうえで様々な要件の決定の仕方があります。そのうちで代表的な方法は現行の人事制度に基づく要件、高業績者の要件、そして経営視点に基づく要件の3つです。

現行の人事制度に基づく要件

これは文字通り、現行の人事制度に導入されている管理職の要件を後継者候補人材の選出要件に適用するということです。この要件であれば今組織が求める経営者像がそのまま反映されているため、比較的経営方針と親和性の高い後継者候補を選出することが可能となります。 現行人事制度を適用する際は、将来の経営方針を踏まえて後継者候補の要件を整理することを心がけましょう。後継者候補を選出した時の状況と実際に経営のポジションに就任する時の状況が同じとは限りません。

高業績者の要件

この要件は高業績者の要因から後継者候補の要件を抽出するという方法です。高業績者が高業績たる要因を分析してそれを具体化します。そして、具体化した要因のそれぞれに優先順位をつけ、要件を絞っていくというものです。現行の人事制度を適用する時と同じように、高業績者の要件を盲目的に適用するのではなく、次世代の経営者・リーダーとして必要となる要件を見極めることを意識しましょう。

後継者候補の選出方法

要件の設定が終了したら次に行うべきことは後継者候補の選出です。大まかに自薦方式、他薦方式、外部テスト利用方式となります。 何を重視してどのように後継者候補を選出するかは自社の状況や情勢の変化に合わせるのが最適です。

 要件設計する際の注意点

以上2つの方法を参考にしながら要件設定をする際に注意したほうが良い点があります。それは、将来的に必要になる要件を考えるということです。今現在の状況を踏まえて要件を考えることは確かに大切ですが、実際に後継者候補が経営者・リーダーに就任する際の状況は今とはかなり変わっている可能性が非常に高いと考えられます。そのため、今現在の状況を念頭に置いて要件を設定してしまうと後任者が最大のパフォーマンスをすることができず、今までの後継者育成が徒労に終わってしまいかねません。常に将来的な視点を持ち社会的な潮流の変化を意識した要件を設定することを心がけましょう。

後継者候補人材育成のポイント

後継者候補人材の育成プランは短いものは半年、一般的なものはおよそ3年と言われています。3年のプランの場合には以下のような内容が考えられます。

1年目:プレゼンテーションスキル、ロジカルシンキング、問題解決スキルといった経営者・リーダーとして基本的なスキルの育成を行います。 2年目:1年目で習得したスキルを前提としながら、マネジメントスキルや意思決定スキルのアップを目指します。 3年目:実際に現場に同行し、経営者として求められる言動、考え方を直接経営者から学ぶことを目指します。

上記の方法はあくまでも一例です。最初からOJTによってマネジメントスキルを向上させていく方法等いろいろなものがあります。後継者候補人材を行う際のポイントとして、必ず個別個人指導を行い、しっかりと個別評価とフィードバックを実施してください。評価やフィードバックは蓄積されるため、候補者個人的と会社全体の両方にとっても重要な情報となります。

また、プランを立てる際に気を付けるべき部分として、プランの内容をしっかりと二つに分類することがあげられます。それは実務的なスキルの側面と経営理念や考え方などの精神的な側面があげられます。実際にスキルの部分に関してはOJTやOff-JTなどで身に着けることが可能です。しかし、経営理念や経営者としての姿勢の共有・浸透は後継者候補が決まった時から始めるのでは遅すぎます。常に経営理念等を考え発信していくことが必要と考えられます。

サクセッションプランを成功させるためのポイント

サクセッションプランを成功させるためにはいくつかポイントがあります。

基準の明確化とプロセスの透明性

候補者の要件が明確にされずそのプロセスも不透明なものであれば、社員はどんな人材が次世代の経営者として求められているかわからずモチベーションの低下につながりかねません。そして、不安感の高い状況が続き社内モラルも低下する恐れもあります。

定期的な基準・プランの振り返り

時代の変化に伴って経営者として求められる基準や育成のプランも変化する必要があります。後任者が実際に経営者として登用される際の状況と候補者として選出される状況の間には違いがあると思われます。そのため、常に基準・プランの振り返りは欠かせません。振り返りで得られた情報は今後の経営方針を考えるうえでも非常に有意義なものとなるでしょう。

まとめ

後継者育成には長い時間が必要です。長期的な視点を持って今からサクセッションプランを始めておきましょう。

参考サイト

日本の人事部 「サクセッション・プラン」とは?

人材活用、課題解決のヒントが満載! テンプ ナレッジマガジン  

大和総研 持続的成長を支える「後継者計画」

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