連載:第18回 経営危機からの復活
2度の経営危機からの復活。心を鬼にした徹底管理で組織を変えた、4代目社長の手腕に迫る
大口取引先の倒産をきっかけに多額の借金を抱えることになってしまったオーダースーツSADA。4代目社長である佐田展隆さんが、当時の社長であった父から会社に呼び戻されるところから再建ストーリーが始まります。現状の組織体制に危機感を覚え、大胆な営業改革を実施。結果、半年で見事V字回復を果たします。その後も苦境に立たされることはありながらも、2020年7月には過去最高売上を更新。今なお紳士服業界に旋風を巻き起こすべく成長を続けています。佐田社長に、同社の再建ストーリーと、危機を乗り越えられる強い組織の作り方について伺いました。
株式会社オーダースーツSADA
代表取締役社長 佐田展隆さん
1974年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業後、東レ株式会社に入社。社会人5年目、2003年の冬に父の要請を受け家業である株式会社佐田に入社。経理部、営業部を経て、2005年に社長就任。その後、2008年に一度退社するも、2011年に再入社。翌年から現職。現在、高品質低価格のオーダースーツを提供する「オーダースーツSADA」を全国54店舗で展開(2021年7月現在)。著書に「迷ったら茨の道を行け〜紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦〜(ダイヤモンド出版)」がある。
利子だけで年間1億円!多額の借金の裏に潜む「赤字を生み出す」営業スタイル
佐田展隆さん(以下、佐田): 当社は1923年に株式会社佐田として創業しました。2019年8月に「株式会社オーダースーツSADA」へと社名変更し、現在ではオーダースーツを製作・販売する「オーダースーツSADA」を全国で54店舗展開。高品質ながら低価格でオーダースーツをご提供できる点を強みとしています。
初回のお試しはなんと19,800円~。工場直販の強みを活かした高品質・低価格を実現した、マシンメイドのフルオーダースーツを提供している。
――佐田社長が入社された経緯を教えていただけますか?
佐田: もともと、私は新卒で入社した東レ株式会社でサラリーマンをしていました。しかし入社5年目の冬、2003年のことです。父から「会社が大変だから、戻ってこい」と連絡がありました。佐田家は繊維関係の商社から始まり、父はその三代目。私もいずれは家業を継ぐものと考えていましたので、当時の経営状況など把握しないまま戻る事を決めました。
ただ、いざ戻ってみると、 それまで売上の半分以上を占めていた大口の取引先が倒産し、会社は本当にぼろぼろの状態で……。 当時、売上が22億円だったのですが、8,000万円の営業赤字を出していたんです。かつ、口座キャッシュゼロで、借金が25億円もありました。年間の利子だけで1億円です。どう考えても収支のバランスがおかしい……。よくよく調べてみると、その要因は取引先の倒産以外にもあったんです。
――それは何だったのでしょう?
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