連載:第13回 小売・サービス
実店舗で最も衛生面が気になるのは「パッケージなしの食品」。新型コロナに警戒続く
新型コロナウイルスは、買い物の様子にも影響を与えているようです。株式会社ネオマーケティングが実施した「店頭での購買行動とAR」をテーマにした調査によると、パッケージに入っていない食品や身につける靴やバッグ、触れることの多い家電製品などの衛生状態について、買い物をするときに「気になる」と感じている人の割合が高い傾向にあります。実店舗に求めることとして、衛生面に関することを挙げる人も多く、買い物時の衛生管理に関する意識が高まっている様子が伺えます。
購入時に衛生面が気になるのは「食品(パッケージなし)」
実店舗で商品を購入する際に衛生が気になる商品を聞いたところ、「食品(パッケージなし)」で64.9%となりました。次いで「パソコン・デジタル機器」が60.3%、さらに「家電」が57.7%と続いています。新型コロナウイルスの感染拡大により、剥き出しの商品を直接触ることに抵抗がある人が多くなっていると考えられます。
男女別の回答を見てみると、男性は「家電」が67.6%と最も高く、女性は「食品(パッケージなし)」が最も高い結果となりました。スーパーなどで日常的に様々な食品の購入をしている女性の方が、食品に対して不安を感じているようです。
次に、実店舗で商品を購入するとき、それぞれの商品について販促物の衛生が気になるかについて質問しました。全体では、「パソコン・デジタル機器」を気になると感じている人が62.1%と最も高く、次いで「美容・コスメ」が60.2%、さらに「家具・インテリア」が58.6%と続いています。
男女別の結果を見ると、男性は、「靴・バッグ・小物類」が65.9%と最も高く、次いで「パソコン・デジタル機器」60.5%、「ゲーム・ホビー」が56.3%。女性は、「家具・インテリア」が66.7%と最も高く、次いで「美容・コスメ」が64.6%、さらに「食品」が61.7%という結果となっています。
購入時にパッケージを最も見るものは「美容・コスメ」が1位。男性は医薬品が最多に
実店舗で購入するときに商品のパッケージをどの程度見るかを聞きしました。全体では、「しっかりと見る」「やや見る」の回答の中で、「美容・コスメ」が80.3%と最も高く、次いで「食品」が79.9%、さらに「ファッション」が79.5%となっています。
男女別の結果では、男性は「医薬品」が77.9%と最も高く、女性は「美容・コスメ」が85.4%と最も高くなっています。
続いて、実店舗で購入するときに販促物をどの程度見るか聞きしました。全体では、「パソコン・デジタル機器」が77.6%と最も高く、次いで「美容・コスメ」が75.6%、さらに「家具・インテリア」が72.4%と続いています。
男女別の結果を見てみると、男性は「パソコン・デジタル機器」が78.9%と最も高く、女性は「美容・コスメ」が82.9%と最多で、ここでも男女で差が出ています。
約半数が、「商品購入時に足りない情報がある」と回答
実店舗で商品を購入する際商品について足りないと思う情報について聞いた結果、45.9%の方が足りない情報が「ある」と回答しました。
どのような情報が足りていないと思うのか具体的に聞いたところ、全体では「使い方」が50.3%と最も高く、次いで「他の商品との違い」が45.1%、さらに「口コミ・レビュー」が30.9%と続いています。年代別に見ると、10代から50代は順位の入れ替えがあるのみで大きな変化はありませんが、60代では3位に「製造元(30.8%)」が入っています。
60代では「口コミ・レビュー」が8位にとどまり、他の世代ほど口コミ等を重要としていない様子が伺えます。
商品を購入する際に情報が足りないと思うことがあると回答した方に、どういう行動をとるのか聞きしました。全体では「その場でインターネットで調べる」が56.0%と最も高く、次いで「その場で店員に聞く」が46.6%、さらに「その場で購入しない」が41.8%と続いています。
年代別に見ると、20代~40代の1位は「その場でインターネットで調べる」、50代、60代では「その場で店員に聞く」が1位となっています。20代と50代では、「その場でインターネットで調べる」と回答した割合に33.8ポイントも差が出ました。
19%が新型コロナで実店舗に求めるものが「変わった」と回答
店舗で商品を購入する具体的なメリットとしては、以下のような声が挙がっています。
- 類似品とすぐに比較できること
- 欲しい時に行って確実に商品が買えること
- 目で見て、手に取って商品の詳細を確認できること。
- 分かりやすい説明とカウンセリングの質
- 店員の商品知識
続いて、新型コロナウイルスの感染拡大により、実店舗で商品を購入することの価値について聞いた結果、19%が「変わった」と回答しました。具体的に求める価値が変わった点については、「衛生面に配慮しているかどうか」や「製造国を確認するようになった」、「人がなるべく触れない物を購入する」など、安全性に関する項目が多くあがりました。
ARの特徴がわかる人は2割以下
「AR(Augmented Reality)」について質問した結果、ARを「詳しく説明できる」「名前と特徴を知っている程度」と回答した方は全体で16.8%と2割にも満たないことがわかりました。ARの認知度は、まだまだ十分にあるとは言えないようです 。世代でみると、「詳しく説明できる」「名前と特徴を知っている程度」と回答した割合は50代が最も低く、11.0%にとどまっています。
ARの利用経験について質問すると、「現在利用している」「過去利用したことがある」と回答した方は全体で17.8%と、こちらも2割以下となりました。年代別の結果では、20代では28.5%、30代では22.5%、40代では16.0%、50代では12.0%、60代では10.0%で、20代と60代の差は18ポイントと大きくなっています。
ARの利用意向、若い世代の方が高く
AR技術を利用したサービスや商品について今後利用したいと思うかについて質問した結果、「とても利用したい」「利用したい」と回答した方は、全体で29.0%でした。
年代別に見ると、20代では34.0%、30代では34.5%、40代では25.0%、50代では25.5%、60代では26.0%となり、若い世代の方がARを利用したい意向が強い結果となりました。
ARを利用したい理由としては、「便利そうだから」が59.3%と最も高く、次いで「面白そうだから」が57.2%、さらに「試してみたいから」が38.6%と続きました。
調査概要
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20~69歳の男女を対象に実施
有効回答数:1000名
調査実施日:2020年6月24日(木)~2020年6月25日(金)
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000154.000003149.html
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