連載:第7回 会える人事【戦略人事による人事のためのセミナー 取材レポート】
大企業の「風土」を一変させた パナソニックコネクティッドソリューションズ社のカルチャー・マインド改革
パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社は、 2017年4月に日本マイクロソフトの前代表執行役会長の樋口泰行氏が社長就任して以降、「企業を動かすには、まず企業カルチャーの変革が重要」という考えに基づき、大規模なカルチャー&マインド改革に着手。どんな改革をおこなってきたのか、パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社常務 人事・総務担当 (兼)人事センター所長ダイバーシティ推進担当の大橋智加さんに聞きました。本記事は、2019年7月4日に行われた戦略人事による人事のためのセミナー「会える人事Premium」の大橋智加さんの登壇講演をベースに構成しています。
「オペレーション重視」から「戦略的発想重視」へ
――まずはパナソニック株式会社 コネクティッドソリューション社(以下、CNS社)について教えてください。
大橋智加さん(以下、大橋): パナソニックと聞くと冷蔵庫やテレビといった家電製品を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、CNS社はB2Bソリューションビジネスの会社です。航空、製造、エンターテインメント、流通、物流、パブリック(公共)などの各分野に対して、企業向けのパソコン、タブレット、プロジェクター、セキュリティカメラ、航空機で映画などを見られるシステムなどを開発・製造・販売しています。従業員数は国内で約1万6000人、海外も含めると約2万7000人です。国内拠点は営業所を除いて約20箇所あります。
――大規模なカルチャー&マインド改革に着手したそうですが、その理由はなんだったのでしょうか?
大橋: パナソニックグループは、家電を中心に100年にわたって続いてきた企業です。そして、これまではずっと「良い商品を安く提供できればよい」というビジネスモデルでした。つまり、“勝ちパターン”が明確だったんです。そのような状況の中、より良い製品を安くたくさんつくることを最優先するためには、マネジメントは管理型である必要がありました。上司と部下の関係も、いわゆる「上意下達」の方がスムーズに進みます。
しかし、 これからの社会で必要とされるのは「多様な顧客ニーズに対する深い思考」です。 例えば、今は中国が安い製品をどんどん出しています。ただ製品を売るだけでは、生き残っていけません。何らかの付加価値が必要です。社員のひとりひとりが自立し、従来にはなかった発想で、コミュニケーションしつつ、新たな付加価値を生み出し、実行していかなければグローバル競争の中では勝てません。上司の指示に従っていればいい時代は終わったのです。
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