連載:第33回 IT・インターネット
トヨタ自動車グループの下請企業が4万社を超える、業種は「部品製造」より「ソフト受託開発」が主流に
ガソリン車から電動車・ハイブリッド車への移行、自動運転の普及など、21世紀になっても自動車産業を巡る状況は変化し続けています。こうした動きはサプライチェーンにも強い影響を与えており、その下請企業、さらにはこれまで自動車産業と関わりが乏しかった業種にまで大きな変化が生じています。国内トップ企業であるトヨタ自動車グループについて帝国データバンクが分析を行いました。
一次下請業種の1位が「ソフト受託開発」に、“ハードからソフトへ”の移行が目立つ
帝国データバンクの分析によると、トヨタ自動車グループ(トヨタ自動車および同社の国内製造子会社・持分法適用関連会社など)は現在計15社で、その下請企業は合計4万1,427社と算出されました。下請企業数はここ数年増加を続けており、過去最高を更新しています。内訳としては、直接的に取引を行う一次下請が6,380社、一次下請を通して間接的に取引を行う二次下請が3万5,047社でした。
業種別の構成比は、「製造」53.9%、「卸売」23.1%、「サービス」24.2%で、サービスが前回調査(2019年)から大きく増加し、卸売を上回るまでになりました。
また業種細分類別で見ると、一次下請では「ソフト受託開発」296社が2位の「自動車部分品製造」261社を上回り1位に、二次下請でも「ソフト受託開発」1,525社が1位となるなど、“ハードからソフトへ”の移行が目立つ結果となっています。背景としては、BEV・FCVなどの非ガソリン車の技術、AD(自動運転)/ADAS(運転支援システム)の開発研究、さらには、組み込みソフトウェア、カーエレクトロニクス、AIを用いた自動運転技術、地図データ・ナビ画面開発など多様な分野で、異業種との提携・共同開発などが活発化していることが考えられます。
一方で下請企業の業績を見ると、下請企業約2万5,000社の2020年度業績は、「増収」18.9%(4,846社)、「減収」73.2%(1万8,718社)、「前期並み」7.9%(2,009社)と、不調が目立ちます。2020年度は、コロナ禍の影響で自動車需要が急速に冷え込み、グループ全体が打撃を受けています。ただその後は、新車販売市場の回復が進んでおり、トヨタ自動車の2022年3月期の営業収益は、30兆円と好調な見通しとなっています。
なお業種細分類別で見ると、2020年度業績において「減収」が多かったのは「電気溶接機製造」96.2%、「非金属鉱物卸」96.0%、「接着剤類製造」95.5%など、「増収」が多かったのは「建設・鉱山機械卸」54.5%、「家庭用電気機器卸」50.0%、「荒物卸」48.0%などでした。
調査概要
・トヨタ自動車グループ計15社が対象
・トヨタ自動車グループの複数社と取引関係がある企業については1社としてカウント
・「製造・卸売・サービス」の3業種のうち、自動車製造、またはそれに関連した商材を取り扱う企業で、かつ資本金3億円以下の企業を「下請企業」と定義
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000300.000043465.htmlhttps://news.yahoo.co.jp/articles/4ba907011a00665c8c71cd3d08a21097ac682a30
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