連載:第4回 人×科学×データで変わる組織
『脳科学×マネジメント』でイノベーションを起こす組織づくり【スリーエム ジャパン執行役員 大久保孝俊さん】
厳しい競争社会で生き残るためには「イノベーション」が重要だと言われています。では、どうすればイノベーションを起こすことができるのでしょうか。これまでは、「失敗を恐れない挑戦心が大切」「絶対にあきらめない心が大事」など、精神論的な心構えが語られてきました。しかし、重要なのは科学的な視点から人間の本質を理解し、その本質に根ざしたマネジメントを実践することだそう。脳科学を活用し、人・組織のモチベーションを高める実践方法「ニューロマネジメント」について、スリーエム ジャパン執行役員である大久保孝俊さんが語ります。
イノベーションをマネジメントする上で大切にすべきこと
大久保さんは、自身の著書『3Mで学んだニューロマネジメント』(日経BP刊)で、「イノベーションはマネジメントできる」と断言しています。ただし、ここでいうマネジメントは、いわゆる目標管理とは大きく異なり、「管理というより、コーチングに近い」のだとか。
「イノベーションには長年、『技術革新』という日本語が充てられてきましたが、この解釈は日本特有のもので、少なくとも欧米ではイノベーション=技術革新という考え方はしません。
僕自身は社員に対して、 イノベーションとは『顧客の満足を得るために新しいことを実行すること』であり、『知識をお金に変換すること』 だと繰り返し説明しています。とくに後者は関心が薄くなりがちですが、企業が持続的に成長していく上では必要不可欠な要素です。こうした考え方に立つと、マネジャーの役割が見えてきます。
部下をあたかも、自分の手足のようにとらえているうちは、本当の意味でのマネジメントを実践しているとは言えません。その能力を心底期待し、信じることで、やる気と自主性を最大限に引き出す。主役はあくまでもイノベーションに挑戦する現場の担当者。儲かる漁場に連れて行ってあげるというような、 彼らが力を発揮できる場所を見つけて支援してあげることこそがマネジメント なんです。
さらに、他部署を含めた全体最適化や事業の収益性を冷静に判断する。成果がなかなか出ない時期も担当者を孤独にすることなく、そのプロセスに伴走する。そして 最終的に何らかの成果につなげるのもマネジャーの務めです 」
アメリカで経験した3Mのイノベーションカルチャー
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