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イノベーション

2018年7月4日(水)更新

統計家 西内啓氏が語る“最強の学問”統計学を使って人事データを活用する方法(後編)データ活用で陥りがちなミスと注意すべきポイント

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HR領域で注目が高まっている“人事データ”。気にはなっているが、なかなか活用できていないという方も多いのではないでしょうか? 今回は43万部突破のベストセラー『統計学が最強の学問である』の著者である、西内啓氏に、人事領域でデータ分析を活用するための方法を聞きました。 データ分析を組織に根付かせるためのポイントをお聞きした「前編」につづき、後編では「事業の成果に繋がる本質的な変数」を見極めるためのポイントと、分析の注意点について伺います。

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HR領域で注目が高まっている“人事データ”。気にはなっているが、なかなか活用できていないという方も多いのではないでしょうか?

今回は43万部突破のベストセラー『統計学が最強の学問である』の著者である、西内啓氏に、人事領域でデータ分析を活用するための方法を聞きました。

データ分析を組織に根付かせるためのポイントをお聞きした前編につづき、後編では「事業の成果に繋がる本質的な変数」を見極めるためのポイントと、分析の注意点について伺います。


西内啓氏プロフィール

統計家。東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、2014年11月より株式会社データビークルを創業。自身のノウハウを活かしたデータ分析支援ツール「Data Diver」などの開発・販売と、官民のデータ活用プロジェクト支援に従事。著書に『統計学が最強の学問である』『統計学が最強の学問である[実践編]』、人事データ分析についても解説した最新刊『統計学が最強の学問である[ビジネス編]』(ダイヤモンド社)など

長期的な利益に繋がる、良い「アウトカム」を見極める3つのポイント

実際のデータ分析にあたって、常に同時並行で考えたいのが「実際どういう施策をとるか」というポイントです。施策のゴールとなる「アウトカム」を設定する際のポイントについて西内氏はこうアドバイスします。

西内啓氏 (以下敬称略)「『アウトカム』とは分析のときに最も重要な、『最大化したい』または『最小化したい』値のことです。アウトカムを設定する際にはチェックすべきポイントは3つあります。

1つ目は『数字が上がることが、長期的な利益につながること』 です。

分析で出た数字を改善することが利益に繋がるのであれば、施策を打つべきでしょう。

2つ目は『ズルがしにくいこと』

そして、 3つ目は『どれだけ極端に異なる状況を考えても、同じアウトカムの値になれば、その嬉しさが一緒になること』

この3点をチェックしながら、『良いアウトカム』は何か?を考えます」

3つのポイントは、似た内容を別の言い方で表現しているようにも見えます。

それだけ、事業の長期的な利益に繋がる、「本質的なKPI」は何か見極めることが難しく、罠に陥りやすいという事ではないでしょうか?

西内 「『よくないアウトカム』の例は、アメリカの警察署で実際に導入された『パトカーの走行距離に応じてボーナスを出す』という施策です。

これは『走行距離が長いパトカーほど検挙率が高い点』という分析結果に着目した事例ですが、結果としてボーナス欲しさにひたすらハイウェイを走り回るパトカーが増えることになりました」

結局、犯罪の検挙率は上がらずボーナスの経費だけが上昇する結果に。

ほかにも営業マンの評価を「名刺を集めた枚数」と連動させた結果、「ひたすらパーティに出向いて名刺交換をするだけの営業マン」が増えたといった事例もあるそうです。

西内 「こうならないようにチェックするためのポイントが、どの様な状況でも『嬉しさが一緒であるかどうか』です。

パトカーの例であれば『一般道を走る10km』と『ハイウェイを走る10km』の嬉しさが、犯罪の検挙という観点で一緒かどうか。仮に一緒ならばよいアウトカムですが、そうでないならば考え直す必要があります」

販売員のパフォーマンスを売上で評価する場合も、粗利やかかってくる間接的なコストなどの視点で「事業にとっての嬉しさが一緒かどうか」を検討します。

西内 「100万円分の商品を売るとして『100円の商品を1万個』と『1万円の商品を100個』で嬉しさが一緒ならよいのですが、『諸々のコストを考えれば1万円の商品100個の方がうれしい』なら、そうしたコストも加味した形で評価するべきでしょう」

よいアウトカムの設定するための3つのポイント

  1. 数字が上がる=長期的に利益につながる
  2. ズルがしにくい
  3. 違う状況で同じ数字が出たとき、嬉しさが一緒になる

人事データ分析で注意すべき4つのポイント

最後に、組織内で人事データ分析を行う際、注意すべき点を伺いました。

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