連載:第65回 成長企業 社長が考えていること
従業員の想いを封印していたのは自分。稲盛和夫氏の教えで目覚めたリーダー、人が辞めない組織への軌跡


どうすれば若手が定着し、いきいきと働ける職場になるのか――。この問いを紐解くヒントとなる企業が、小型補聴器専門店「ヒヤリングストア」を展開する株式会社リードビジョンです。かつて、社内の雰囲気はギスギスしており、人の入れ替わりも激しかった同社。しかし現在は、離職率7%という低水準を実現しています。「従業員同士の仲が良く、一人ひとりが本来の力を発揮できることが当社の強み」と語るのは、代表取締役 清水大輔さん。近年では「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞や、東京商工リサーチ「全国上位8%の優良企業」にも3年連続で選出されています。同社はなぜ、人が辞めず、いきいきと働ける組織へ生まれ変わったのか。そこには、清水さんが貫いた「一つの指針」がありました。詳しく伺います。

離職率の高い不安定な組織を変えた「たった一つの指針」
――貴社は昨年度の離職率が7%と、まさに「人が辞めない組織」を実現されています。
清水大輔さん(以下、清水): ありがとうございます。会社のことを少しお話しすると、当社は小型補聴器専門店「ヒヤリングストア」を展開する企業です。私自身が27歳のとき、耳の病気がきっかけで補聴器ユーザーとなり、業界に課題を感じて創業しました。まだ小さな会社ではありますが、従業員数は60名、売上高は11.2億円(2024年度)で創業以来21年連続増収となっています。
おかげさまで、近年は 転居などやむをえない事情以外で離職する人はほとんどいません。従業員同士の関係性も良く、「ここではみんなが助けてくれる」と思えるような、心理的安全性の高い風土があります。 安心感を持って働けることで、一人ひとりが本来の力を発揮できているのだと思います。新卒の入社理由は、毎年「従業員同士の仲が良さそうだから」がダントツの1位です。 結果として、お客様に集中できることでより良いサービスを提供できる。これが、当社の大きな強みだと考えています。
ただ、最初から現在のような組織ではありませんでした。 以前の社内はギスギスしていて、ミーティングのたびに口論が絶えませんでした。当然、人の入れ代わりも激しかったです。 振り返ってみると、すべて私の責任でした。判断がブレブレでしたし、従業員の気持ちを一つにするリーダーシップや人間性も持ち合わせていませんでした。当時はどうすれば良いのか分からず、非常に悩んでいました。
そんなとき、藁にもすがる思いで手に取ったのが、京セラの創業者である稲盛和夫氏の著書「こうして会社を強くする」でした。そこに記載されている経営問答に感銘を受け、稲盛氏が主宰する経営塾「盛和塾」に入塾させていただきました。2012年のことです。
そこでの学びから13年間。以前の苦い経験を経て、こだわってきた一つの「指針」があります。それによって、着実に組織は変化しました。結果、現在のような人が辞めない組織に生まれ変わることができたのだと思います。
――こだわってきた指針。それは、何だったのでしょうか?
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バックナンバー (65)
成長企業 社長が考えていること
- 第65回 従業員の想いを封印していたのは自分。稲盛和夫氏の教えで目覚めたリーダー、人が辞めない組織への軌跡
- 第64回 稲盛和夫氏から学んだ心得。「ノルマ・歩合なし」でも高業績を実現する経営者の信念
- 第63回 良い会社を作るリーダーの絶対条件。苦境を乗り切る経営者に必要なもの
- 第62回 「自分は優秀ではない」と気づけた金言。23期連続増収のリーダーが震えた“当たり前”の凄み
- 第61回 「社員に見せられませんよ!」経営会議の怒号からV字復活。目の前にあった、本当に大切なもの