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連載:第9回 組織改革 その根幹

10分カット「QB HOUSE」組織づくりの舞台裏。人が辞めない会社の本質

BizHint 編集部 2025年8月28日(木)掲載
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“10分1,000円カット”で理美容業界に革命を起こしたヘアカット専門店「QB HOUSE」。1996年に1号店を出店後、全国に急拡大。しかしその裏で、成長の歪みが起こっていました。出店ラッシュに人材確保や育成が追いつかず、2006年には離職率が50%を超える事態に…。この状況を打開したのが、同社の現代表を務める北野泰男社長です。2009年の社長就任後、さまざまな改革を推進した結果、2025年6月期末の離職率は6.8%、社員数約3,000名の大企業に成長しました。同社が「人が辞めない組織」に生まれ変わった道筋と、改革を支えた北野社長の信念を伺いました。

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出店ラッシュの裏で起きた成長の歪み。組織づくりの過程でリーダーが貫いたこと

――1995年に創業した貴社は、当時10分1,000円でヘアカットできる専門店「QB HOUSE」として急拡大。現在は国内外に700店舗以上を展開しています。

北野泰男さん(以下、北野): ありがたいことに、理美容市場全体の中でも国内第2位の売上を誇る企業へと成長することができました。 当社の成長を支えているのは、間違いなく「人」であると断言します。 当社のようなビジネスモデルは特に、店舗があったとしても「働いてくださる人」が揃わないと運営できませんから。

実際に現在の離職率は6.8%。これは理美容業界では異例のことです。人が辞めずに定着してくれていることで技術力が高まり、会社の成長に大きく寄与してくれています。

しかし、過去には人手不足による深刻な危機がありました。それが2004年頃からの出店ラッシュです。年間50〜70店舗のペースで新規出店していたものの人材確保が追いつかず、慢性的な人手不足でスタイリストへの負担や品質低下といった問題が大きくなっていました。

なんとか人材を確保できたとしても、現場では周囲に気を配る余裕はなく、育成体制も不十分。「10分でカットする」という従来の美容室とは全く違う環境に適応することは難しく、新人は次々と辞めていき、残ったスタッフに負担が集中し、耐えきれなくなった人も辞めていく――まさに負のスパイラルでした。2006年には離職率が50%を超えていたほどです。

店舗数が増えて売上は伸びても、人が定着しないと技術が熟練しないため生産性が下がり、利益は減っていく。このままでは事業の継続すら困難になりかねない、危機的な状況でした。

この悪循環を断ち切るため、2009年の社長就任以降、 16年間に渡る改革のプロセスの中で徹底して取り組んできたこと があります。「どんなに忙しくても実行する」と自分自身に義務づけ、貫き続けていることです。それが土台となり、さまざまな施策が功を奏したことで、当社は「人が辞めない組織」へと変貌を遂げ、ここまで成長することができました。

――自らに義務づけ、貫き続けていること。それは何でしょうか?

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