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連載:第16回 組織改革 その根幹

『何をやってもダメだ』と諦めていた組織を変えたリーダーの信念。15年かけて築いた自律型組織の真髄

BizHint 編集部 2025年10月31日(金)掲載
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創業から10年間ほぼ赤字続きで、社内には「何をやってもダメだ」という諦めの空気が蔓延…。2010年、中村圭志さんが株式会社Colorkrew(旧:株式会社ISAO)の社長に就任したときの状況です。中村さんは「組織の致命的な欠点」に気づき、改革を推進。わずか2年で黒字化を達成します。2015年には役職・部署・階層・情報格差をすべてゼロにする独自の「バリフラット」モデルを構築し、役職や立場にとらわれない、圧倒的な自律型組織へと変貌を遂げました。諦め癖が染みつき、自信を失った組織をどのように再生させたのか?詳しく伺います。

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これがなければ事業の立て直しはできない―組織内にはびこっていた「致命的な欠点」

――貴社は現在、極めてフラットでオープンな組織運営により成長を続けていますが、かつては真逆のブラックボックス化した組織で、危機的な経営状況だったそうですね。

中村圭志さん(以下、中村):はい。社長就任前の2009年度は、年商20数億円に対し、経常利益は6億2,000万円の赤字でした。IT企業としてゲーム事業を主軸に、7事業を展開していたのですが、すべてが赤字…。債務超過に陥り、親会社の支援でかろうじて存続している状態だったのです。

ところがその親会社も経営危機に陥り、当社はトヨタグループの総合商社・豊田通商の傘下に。私はその豊田通商から派遣される形で2010年6月に赴任し、同年10月に社長に就任しました。

豊田通商からは「2年で黒字化する」ことを要請されていましたが…勝算はまったくありませんでした。月次の赤字が2007年6月から3年以上も続いており、当時在籍していた社員の半数以上が単月ですら黒字を経験したことがなかったんです。社内には「何をやってもダメだ」という諦めの空気が蔓延していて、黒字化を目指す意欲はなく、会社の未来に対してみんな悲観的でした。

――新たな社長に就任した中村さんに対しても、厳しい目を向けられたとか。

中村: 実は私、10人目の社長で、平均すると1年に1人のペースで社長が交代していたんです。社員からしたら「あんたはいつまでいるんだ」という気持ちになりますよね。

しかも入社直前まで約6年もヨーロッパにいたこともあり、日本のIT事情にも、当時の主要事業だったゲームにも無知でした。一方で、社内には長年在籍する生え抜きの幹部たちがいる。その幹部たちは、当時39歳だった私よりもほぼ全員が年上だったんです。だからこそ「余計なことはするな」という空気がありましたし、懐疑心や警戒心も強く感じました。

幹部からは無礼な態度を取られることもありましたし、社員からも距離を置かれていました。そんな孤独な状況の中で、気づいたことがあります。 「この組織における致命的な欠点」 です。これを解決できなければ、事業の立て直しは絶対にできないと思いましたし、会社の未来はない。そう確信しました。

――致命的な欠点とは?

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