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連載:第10回 経営・SaaSイベントレポート2024

経営者にしかできない、たった一つの責務。成果を出し続ける組織の絶対条件

BizHint 編集部 2024年12月17日(火)掲載
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「離職者が増えた」「若手のモチベーションが低い」「人を採用できない」企業が抱える悩みは多岐にわたります。しかし、そういった表面的な課題をモグラ叩き的に解決しても、また次々と別の課題が噴出します。では、どうすれば根本的な解決につながるのか……。約20年にわたり1,000 社以上の組織づくりや企業変革をサポートしてきたエッグフォワード株式会社 徳谷智史さんに、変化の激しい時代において、どんな企業にも共通する組織づくりの骨子と、そこで経営者が陥りがちな落とし穴についてお話しいただきました。また、国内最大規模の後払い決済サービスを展開する株式会社ネットプロテクションズ 秋山瞬さんに、社員の半数が退職するという組織崩壊から現在のエンゲージメントの高い組織に至るまでの、組織づくりの軌跡について聞きました。

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徳谷 智史さん
徳谷 智史さん
エッグフォワード株式会社 代表取締役社長

京都大学卒業後、大手戦略コンサルティング会社へ入社。国内プロジェクトリーダーを経験したのち、アジアオフィスの代表に就任。2012年にエッグフォワード株式会社を創業。約20年間で、中小企業、ベンチャー企業、大企業問わず1,000社以上の企業変革を支援してきた。著書に「経営中毒(PHP研究所)」などがある。

秋山 瞬さん
秋山 瞬さん
株式会社ネットプロテクションズ 取締役

慶應義塾大学卒業後、人材系スタートアップに入社。新規事業責任者や関西支社長を経験したのち、2009年株式会社ネットプロテクションズに参画。人事責任者、セールスマネージャーを兼務し、2017年に執行役員。2018年、マネージャー職を廃止した人事評価制度をリリース。2021年東証一部(現プライム)市場上場。2023年より現職。

企業の未来に必要な、組織づくりの骨子と陥りがちな落とし穴

徳谷智史さん(以下、徳谷): 変化の激しい時代において会社を成長させ、未来をつくっていく上で、 どの企業にも共通の原理原則として大切なこと についてお話しします。

私はこの20年間、中小企業、ベンチャー、大企業問わず1,000社を超える企業変革に取り組んできました。その中で、経営者さんたちからの相談は「各論」が多いです。例えば、「最近、離職が増えている」「若者のモチベーションが低い」「採用手段を変えたけれど、採用できない」などなど。もちろん、どれもこれも大事なこと。でも、 表面化している課題に対してモグラ叩きしたところで、また別の課題が噴出します。

それでは、どうすればいいのか。それは 「この会社がそもそもどこを目指し、何のために存在しているのか」を言語化すること です。かつては経営理念、最近ではミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)とも呼ばれますね。経営者のみなさんにそれを問うと「創業したときはあったけれど」「一応ビジョンは置いているけれど」と、掲げているものの意識されていないケースも意外とあります。

とはいえ、「経営理念で、売り上げが上がるのか」みたいな話もあります。そんなことよりも、目先の課題を解決したいと。正直、強い商品やサービスさえあれば、売り上げが上がり、それがさまざまな組織課題を包み隠してくれて、人も成長し求心力もついてくることがあります。「売上はすべてを癒す」という言葉もあるように、うまくいく場合もある。とはいえ、 目指す方向性無しに事業が伸び続けるということは、この変化の激しい時代において極めて難しい と思った方が良い。

成長が踊り場に入ってくると、課題は一気に顕在化 します。みんなが好き勝手なことを言い始め、方向性が見えず、カルチャーも固まっていないのでバラバラになって組織が崩壊する。社員が50名を超え、100名くらいになるときに「100人の壁」という壁にぶち当たることが多いのですが、大体がこのパターンです。

結論、 未来を見据えて考えると、やはり経営理念やMVVが無いとうまくいかない ということになります。 人間は「描けていないもの」は、実現できません。 例えば、サッカー元日本代表の岡田武史さんが代表を務める、愛媛県のFC今治が、J2昇格を決めました。これって、最初に岡田さんがサッカーチームをつくろうとしなければできなかったし、J2を目指さなければ、絶対に上がれなかったと思います。人は、頭の中に描けていることしか、実現できないんです。 描いていないことが持続的に達成し続けられるかというと、基本的にはあり得ません。

それでは、経営理念やMVVをどうつくっていくか。これらをつくるときに 経営者のみなさんが陥りがちな「落とし穴」があります。 ここに陥ってしまうと、いくら素晴らしい理念を掲げたとしても組織に浸透せず、結果、机上の空論となってしまいます。

その落とし穴は、 大きく2つ あります。

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