連載:第9回 経営・SaaSイベントレポート2024
部下の主体性を引き出す上司、7つの行動。褒める・叱るよりも大事なマネジメントの要諦
どうすれば人は主体的に動くのか――。上司やマネージャーをはじめとした多くの管理職が抱える悩みのひとつです。25年以上にわたり企業のエグゼクティブやマネージャーにコーチング・指導を行ってきたコーチ・エィ代表取締役社長の鈴木義幸さんは、部下の主体性を高める鍵は「承認」だと話します。とはいえ、承認といっても具体的にどうすれば?となる方もいるでしょう。本記事では「承認」の解説から、明日から使える「部下の主体性を高める上司の行動7項目」までお伝えします。
部下の主体性を最も高める「承認」とは?
今日は「承認」をテーマにお話をさせていただきます。
そもそも承認とは何でしょうか。英語では「アクノレッジ」、名詞で「アクノレッジメント」と言います。辞書で調べると、アクノレッジメントとは 「何かが存在していること、あるいはそれが真実であることを認識する言葉や行動」 とあります。
具体的に「承認」と呼ばれるものにはいくつか種類があり、ここでは、3つ紹介させていただきます
1つ目は 「存在承認」 です。冒頭で説明したアクノレッジメントに一番近い意味合いで、「あなたの存在をそこに認めている」ということを、その人に伝えること。
最も身近な存在承認があります。それが「挨拶」です。「おはよう」と挨拶することによって互いに認識し合い、関係を作り出していきます。
他にも、相手について私がどう感じるかを伝える「アイ(I)メッセージ」と言われるものは全て存在承認です。例えば、観察したことを伝えるフィードバックや、要望を伝えるリクエスト。これらは相手が成長して結果を出すことを願って上司から部下、部下から上司へと双方向で行われます。
2つ目は 「結果承認」。 言葉の通り、結果に対して承認することで、代表的なのが「褒める」という行為です。
「褒める」を心理学辞典で調べると、「前進への促し」とあります。褒めるときはマネジメント側の示唆が含まれます。それを繰り返していくと「もっと前進できるし、結果が出るよね」という意思表示になります。反対語の「叱る」は「挽回への励まし」。失敗を自ら挽回しようと思えるように言葉をかけることで、これも「結果承認」の一種です。ちなみに 「叱る」と「怒る」は全く違います。 叱るのは相手のためですが、怒るのは思い通りにならないストレスに対するいら立ちなど、自分のためです。そのため、「怒る」は結果承認にはなりません。
そして3つ目が 「成長承認」。 ある時点での状態から一定の期間を経た成長を承認することです。明らかな変化なら見つけやすいですが、ちょっとした変化の場合もあるので、日頃から部下を観察していないと伝えられません。コーチング的には非常に重要ですが、すごく難しい。コーチとして技量のある方は、成長承認がうまいとも言えます。
さて、この3つの中で一番大切な「承認」はどれかわかりますか?これは、「上司」という役割を担っている方は、必ず意識・自己認識すべきポイントであり、部下の主体性を高めるという点において、非常に重要となります。
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経営・SaaSイベントレポート2024
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