連載:第11回 経営・SaaSイベントレポート2024
「現状維持」は衰退のはじまり。経営者が意識すべき、企業の究極の生存戦略とは


「現状維持」を目指せば、衰退が始まる。そう語るのは、過疎地域の課題解決のために起業し、国内外から年間6万人が訪れる人気ホテルを生み出した株式会社SHONAI 代表取締役 山中大介さんです。今や、観光だけでなく農業、人材、教育と新たな事業を展開し注目を集めています。山中さんは、変化の激しい時代、企業が生き抜くために必要な経営者としての考え方は「二つ」あると言います。そして、企業成長のために必要不可欠である「優秀な人材」をどう採用し、どう活かすか。SHONAIグループの総合HR企業 株式会社XLOCAL 代表取締役COO 坂本大典さんと共に語っていただきました。


1985年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、三井不動産で大型商業施設などの開発・運営に携わる。2014年、山形県庄内地方へ移住しヤマガタデザイン株式会社(現SHONAI)を設立。観光、農業、人材、教育の4領域において事業を展開する。ニッポン新事業創出大賞「経済産業大臣賞」ほか受賞。ガイアの夜明け、カンブリア宮殿などメディア出演多数。売上高20億円、従業員数160名(2024年10月現在)

1986年愛媛県生まれ。同志社大学在学中、インターンとして株式会社ユーザベースに参画し経済メディア「NewsPicks」などの立ち上げに従事。2019年、株式会社ニューズピックス代表取締役社長に就任。2022年、株式会社ユーザベース グループ執行役員に就任。2023年に独立し、山中大介氏とともに地方特化型のリクルートサービスを展開する株式会社チイキズカン(現XLOCAL)を設立。SHONAIの取締役も兼任。
「これが無ければ会社は潰れる」究極の生存戦略とは
山中大介さん(以下、山中):僕には、経営上すごく大事にしている考え方が二つあります。一つは、企業は「現状維持」を目標とした時点で、衰退が始まるということです。
経営者の方々と話していると、現状の領域を守りたいというか「今を維持できればいい」という人が少なからずいます。でも僕は「それって、すごく難しいことですよ」と伝えます。なぜかというと、現状維持はトライ&エラーを繰り返し、新陳代謝を起こさなければ実現できないからです。
人間に例えると、昨日も今日もさほど見た目は変わらないですよね。でも、実は細胞は1日何万個も入れ替わっている。これ「動的平衡」というんですが、平衡を維持するためには、細胞を入れ変えなければならない。人体もそうですが、企業もそうなんですよ。「何もしない」ということは、「平衡を維持する」こととイコールではないんです。衰退を許すことになる。これを、経営者は理解しなければいけないと思います。
挑戦し続けた結果の「現状維持」はあっても、現状維持を目的とした現状維持は存在しないと考えます。経営者である以上、チャレンジし続けることはもう「宿命」と捉えたほうがいい。株式会社SHONAIは、2014年に資本金10万円からスタートしましたが、現在は4つの領域で事業を展開し、2024年度はグループで20億円を売り上げています。これは、とにかく人材に投資し続け、新たな事業にチャレンジし続けたからこそです。
そして、もう一つ。経営者がこの考え方を持っていなければ、社会においてその企業の存在価値は無くなっていく。つまり「これが無ければ会社は潰れる」ということです。それは、
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バックナンバー (11)
経営・SaaSイベントレポート2024
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