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人材育成

2017年8月1日(火)更新

コーチングはタイプ分けから! 相手が分かれば上手くいく

BizHint HR 編集部

コーチングは人材育成の手法として近年注目を浴びています。コーチングの基本的な技術である相手の特徴の見極め、今回は4つのタイプを紹介し、効果的なかかわり方を説明します!

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コーチングとは?

コーチングとは、そもそもどのような意味なのでしょうか。定義は数多くありますが、一例を挙げておきます。

「目標を達成するために必要となる能力や行動をコミュニケーションによって引き出すビジネスマン向けの能力開発法。」(出典:三省堂『大辞林』)

コーチングの「コーチ」の語源は「馬車」からきており、「人を目的地まで運ぶ」という意味から発展したと考えられています。 もともとは学問やスポーツの個別指導を意味していましたが、近年ではビジネスシーンにおける部下のマネジメントスキルのひとつとして取り扱われることが多くなっています。前述の定義にも、そのことがよく反映されていると言えるでしょう。

【関連】コーチングとは?自立型人間を育てれば組織は変わるのか? / BizHint HR

カギは、相手の個性を「わかる」こと

ビジネスシーンで求められるコーチング

では、コーチングという考え方がビジネスシーンで注目されてきたのは、なぜなのでしょうか。 そもそも、職能の教育を受ける側は一人ひとり性格や能力が異なります。そんな個々人に対し、画一的な教育方法を施すだけでは、必然的に成長できる者とそうでない者が生まれてしまいます。 これでは、極端な例で言えば、大量に社員を採用してふるいにかけ、能力の高い人が上位に進んでいくという、ピラミッド型の組織しか作れません。 画一的な教育が続けば、その教育方法に適応した人材だけが管理サイドを占めることになり、同じような考え方しかできない硬直した組織となってしまう弊害も考えられるでしょう。

また、結果的に成長度が低かった層に対しては、教育コストを無駄にしたとも考えられます。 逆に、一人ひとりの違い(個性)を理解し、相手に適した教育的アプローチを取った場合はどうでしょう。

先の例で言えば、採用を少数に抑えても、全員がそれぞれの個性に応じた力を発揮できれば、充分に組織運営できる可能性はあります。さらに、上手くいけばそれぞれの得意不得意な分野をカバーしあうことで、柔軟かつ強いチームも作ることができるでしょう。結果として生産性が上がれば、かけたコスト以上の利益を生み出すことも可能でしょう。

このように、個々人の能力を伸ばす効果を最大化できることが、ビジネスシーンにおいてコーチングが注目されている理由の一つと考えられます。

個性がわかればコミュニケーションもわかる

前述の辞書の定義でも、コーチングは「コミュニケーション」に基づくとされています。コーチと対象者との関わり方により、コーチングの成否が左右されると言えるでしょう。 つまり、コーチングを成功させるためには、まず相手がどのようなコミュニケーションの取り方をするのか把握し、よく理解しておく必要があるのです。

唐突ですが、ラグビー弱小国だった日本が、世界トップの南アフリカを破るなど、世界を驚かす大活躍を見せた2015年ラグビーワールドカップは、皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか? 当時のラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ氏は、著書の中でこう言っています。

「コーチングは『アート』」と考えているとした上で、「選手一人ひとりにとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおける『アート』なんです。選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションを取るべきなのか。」

「選手、いや、人間というのは千差万別ですよね。まず、どんなタイプの性格なのかを見極める必要があります。」

奇跡とさえ言われた日本代表の快進撃は、まさに個性を見極めたコーチングによってもたらされたのです。

【出典】『コーチングとは「信じること」』

4つのタイプ分け それぞれの特徴とは

しかし、相手の個性を把握すると言っても、簡単にはできません。コミュニケーションタイプの分類方法について確認してみましょう。 コーチングにおけるタイプ分けとしては、株式会社コーチ・エィが開発した、4つのコミュニケーションタイプ分類と、それに応じたアプローチの仕方がよく知られています。

そこでは、人間関係の型を①コントローラー②プロモーター③アナライザー④サポーターの4タイプに分け、それぞれの行動パターンの特徴と、効果的なコミュニケーション、およびコーチングのポイントが整理されています。 当然のことですが、これは4つのタイプに優劣をつけるものではありません。また、全ての人を4つにカテゴライズできるといったものではなく、あくまでも対人関係の傾向を目安として分類したものと考えておく必要があります。

それぞれのタイプの特徴を、簡単に押さえておきましょう。

【参考】タイプ分け/コーチ・エィ(COACH A) エグゼクティブ・コーチング・ファーム

コントローラー

行動的で決断力があります。自分で物事を進めて、自分で結論を出すことを好みます。反面、自己主張が強く支配的で、他者の意見を聞かない傾向があります。

アナライザー

客観的な分析を得意とし、感情を表に出さずに計画的に物事を進められます。問題を系統的に理解し、堅実な改善策を立てますが、変化に弱く、実行力に欠ける面もあります。

プロモーター

アイディアが豊富で、他者と協働して物事を進めることが得意です。新しいことを始めることや、変化には強いのですが、計画的に物事を進めたり、見直して修正を重ねたりすることは苦手です。

サポーター

協調性に優れ、相手や組織を支援することが好きです。対立を避け、円滑な人間関係を築くことができますが、物事を決断したり、論理的な判断をしたりすることは苦手手でもあります。

どうでしょう? 皆さん自身に当てはまったり、周囲を見渡して「あの人はこのタイプだな」と思ったりしないでしょうか? 繰り返しますが、本来的に人間は千差万別です。「あの人は○○タイプだから」と言う決めつけは、コーチングにもコミュニケーションにも阻害要因となりかねません。しかしながら、誰もが持つ対人関係の傾向を具体的に捉え、実際の人間関係に活かそうとした場合、このタイプ分けは有用な分類だと考えられます。

4つのタイプ別 関わり方のポイント

では、それぞれのタイプとコミュニケーションを取ろうとしたときは、どう接するのが適切なのでしょうか。

コントローラー

配慮や遠回しの表現を好みません。話は短く、要点や結論を単刀直入に伝える必要があります。質問する時は、それが必要な理由を明示しましょう。最も大事なポイントとして、主導権を奪わないよう注意が必要です。

アナライザー

曖昧、抽象的な話は苦手です。分析に必要な、客観的な情報をなるべく多く提供しましょう。結論を急がせないように注意が必要です。当初の方針からの急な転換は避けた方がいいでしょう。質問をする際は、具体的にしましょう。

プロモーター

制限が多かったり、議論が長引いたりすると飽きて思考停止する傾向があります。なるべく自由に意見やアイディアを求めると持ち前の発想力を発揮します。出た意見を否定せずに、別の角度からの提案などを交え、ポイントを収束する必要があります。

サポーター

正しさよりも雰囲気を重視します。コーチは、存在に対して承認している姿勢を示すよう心がけましょう。本音や意見はこちらから引き出すようにしないと汲み取りづらいと思われます。

いずれのタイプも、良さを消さないようにして最大限引き出しながらも、苦手とする面はフォローする姿勢が求められると言えます。

その他のタイプ分け

4つのコミュニケーションタイプ別特徴と、それぞれに適した接し方について確認してきました。他にも、異なった切り口での分類手法がいくつもありますが、その中から一つ、概要を紹介しておきましょう。

エニアグラム

よく知られているものでは、エニアグラムがあります。もともとはギリシャ語で「9の図」を意味し、正円の円周を9等分した点を直線で結んだ図形を指す言葉です。転じて、この図形を利用した、人間の性格タイプを9つに分類した考え方を指します。起源はよく解っていませんが、古代エジプトとする説もあり、長い歴史を持つものであることは間違いありません。近年では脳科学や心理学からのアプローチにより、理論的な体系が固められ、ビジネスやコーチングにも取り込まれてきています。

エニアグラムの9分類

エニアグラムでは、性格タイプを次の9タイプに分類します。

  1. 改革する人
  2. 助ける人
  3. 達成する人
  4. 個性的な人
  5. 調べる人
  6. 忠実な人
  7. 熱中する人
  8. 挑戦する人
  9. 平和をもたらす人

この9つのタイプを、それぞれの特徴と相性によって関係図として表したものがエニアグラムだと言えるでしょう。

更に、それぞれのタイプのエネルギーがどこに由来するかにより、「本能センター」「感情センター」「思考センター」の3タイプごとに3つのグループに分ける考え方もあります。あるいは精神医学的アプローチにより、ストレスや問題への対応パターンによって「主張型」「従順型」「後退型」の3つのグループに大別されることもあります。 他にも、それぞれのタイプが3つの発達レベルに階層分けされる考え方もあり、様々な応用の仕方が可能な方法論であると言えるでしょう。

いずれにせよ、コーチングの文脈においては、 自分と相手のタイプを把握・理解した上で、それに合わせたアプローチを考えるという点では、前述の 4つのタイプ分けと共通しています。

【参考】日本エニアグラム学会

あなたはどのタイプ? 〜タイプ診断方法

これまで確認してきたように、コミュニケーションタイプや性格分類により、コーチングの効果を高めることができると考えられます。しかし自身や相手がどんなタイプなのか、自己判断や観察により決めることは難しい上に、それが適切な判定かどうかは判りません。 そこでお勧めしたいのが、各種の診断ツールです。 コーチも自分のタイプを知ることから始めると、より効果的なアプローチが可能でしょうし、受ける側も自身のタイプを理解してコーチングを受けると更に効果的だと考えられます。

診断サイト

test.jp http://test.jp/common/type_about

4つのタイプ分けを開発した株式会社コーチ・エィの運営するサイトです。 「タイプ分け」 診断(有料) はもちろんのこと、さまざまな診断を無料で受けられます。加えて、周囲から見た自分を診断することができる「タイプ分け 360 度」もあり、複合的な判定が可能です。

エニアグラム診断 http://www.enneagram.ne.jp/

ビジネスコーチングにエニアグラムを積極的に取り入れている、コーチシャイニングの無料診断です。90の質問に答えて診断し、迷った時に更に追加の設問で切り分けていくことができます。

タイプ分けアプリ

前述のtest.jpのアプリ版。視覚的に捉えやすく、web版では別サービスで提供されている、周囲の人がどのようなタイプかを診断する機能も追加されています。

iOS版 

Android版URL

書籍

『図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく』

著者は株式会社コーチ・エィの取締役社長 (発売当時は副社長) 、鈴木 義幸氏。4つのタイプ分けによるコーチングの入門書にして決定版と言っても過言ではない書と言えるでしょう。著者の大手企業管理職や経営者向けのコーチング実績に基づく内容を、図解でわかりやすくまとめてあります。

まとめ

  • コーチングは、相手とのコミュニケーションに基づいて能力を引き出し、共に目標達成するための方法。
  • コミュニケーションが上手くいくためには、相手の個性をよく把握して、適切なアプローチを取ることが重要。
  • タイプ分け診断などを活用し、コーチ自身や相手の個性を見極めた上で、どのようにコーチングを進めていくかよく検討してもらいたい。

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