連載:第16回 経営・SaaSイベントレポート2023
老舗の町工場が「人が辞めない企業」に生まれ変わった理由。“本気のファンづくり”が企業変革の礎に
東京都八王子市に、メディアに引っ張りだこの町工場があります。その名は、株式会社島田電機製作所。「1000のボタン」など同社の数々の取り組みは140以上の媒体に掲載され、近年の新入社員の定着率は100%を誇り、まさに「人が辞めない組織」を作りあげました。しかし、かつては社長自らが「こんな会社で働きたくない」と思う旧態依然とした古い町工場だったそう。どのようにして生まれ変わったのか、その過程と成功の秘訣を島田正孝社長に伺いました。
1969年生まれ。専門学校卒業後、1990年内原電機製作所に入社。1993年株式会社島田電機製作所に入社。工場長や専務を経て、2008年に中国・上海に設立した現地法人の代表取締役に就任。2013年、島田電機製作所の代表取締役社長に就任。
東京都出身。青山学院大学に入学後、学生起業家として活躍。実施イベントがTV、新聞、雑誌等多くのメディアに取り上げられる。1981年セールスプロモーション会社を設立。2000年 株式会社リアライズ設立。代表取締役就任。2018年「株式会社ネタもと」に社名変更。ミッション「すべての人にPRを!」のもと、お客様の広報の自走化を実現させる唯一無二のPRカンパニーとして、企業など広報活動の支援を行っている
老舗・ニッチな製造業の町工場が「新入社員の定着率100%」を実現した理由
本村衆さん(以下、本村): 島田電機製作所さんは、世界に認められるオンリーワン企業を創る、そして社員が働くことに誇りを持てる企業を創るという理念のもと、社員と会社のエンゲージメントの高い、全員参加型の組織づくりを実現されています。老舗・ニッチな製造業ではありますが、過去や常識にとらわれず、最近ではエレベーター以外の事業にも幅を広げていますね。
島田正孝さん(以下、島田): ありがとうございます。おかげ様で現在は、 新卒の新入社員の定着率が100% となっています。これは、当社の価値観への共感度が高い方からの応募が増えたことも理由のひとつです。 自社らしさを大切にしながら、「人の辞めない組織」づくりを行ってきました。
メディアに取り上げていただく機会も増えました。「1000のボタン」をはじめ、ここ数年でテレビ、新聞、雑誌、ラジオ、ネットサイト、YouTubeなどその数は合計140以上の媒体に及びます。メディアへの掲載は、信頼の獲得に繋がります。顧客信頼度を高め、営業活動のフックにもなる。他社との競争に巻き込まれなくなり、お客様から親近感を持って接していただけるようになったと感じています。
ただ、昔はある意味「真逆」ともいえる組織でした。
以前は旧態依然とした、いわゆる古い町工場で、社員はどちらかというと、受け身の下請け気質。現状に満足していて、新しいことを始める風土はなく、未来を描けない状況でした。正直、私自身が「この会社で働きたい」とは思えないほどに。創業70年以上でも、一般的にはまったく知られていない会社だったんです。
本村: そんな状態から変わるきっかけは何だったんでしょうか?
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