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連載:第4回 なるほど!読んだ気になる 書籍要約

【要約掲載】なぜ日本企業は勝てなくなったのか : 個を活かす「分化」の組織論 (太田肇著)

BizHint 編集部 2017年7月3日(月)掲載
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BizHint HRでは「本の要約サイト flier(フライヤー)」の協力のもと、人事領域で注目の新刊書をピックアップし、要約を掲載しています。今回取り上げるのは思うように進まない「働き方改革」について、その原因を「日本企業に共通する、見逃されがちな病根」と言う観点から説明した、「なぜ日本企業は勝てなくなったのか : 個を活かす『分化』の組織論」です。

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要約者レビュー

日本企業は今まで社員の勤勉さとチームワークを強みに、目覚ましい成長を遂げてきた。しかし、日本人の仕事に対する熱意や労働生産性は急落の一途をたどり、日本経済は長期の停滞からいまだ抜け出せていない。さらには、名だたる企業や官公庁での組織的不祥事の頻発、思うように進まない「働き方改革」、正社員と非正社員の待遇格差といった諸問題が横たわっている。なぜこうした課題が解決できないのか? 

組織論研究の第一人者である著者によると、それは共通する病根が見逃されているからだという。この病根は、個人が組織や集団から「分化」されていないこと、つまり「未分化」にあるという。日本の企業では社員が組織に埋没し、共同体の圧力の中で過度な忠誠と貢献を求められている。この状態は短期的には、集団に受け入れられたいという欲求を満たす。しかし、社員一人一人の能力発揮を妨げ、長期的には組織や社会にさまざまな歪みを生んでしまう。現状を打破するには、組織や集団から個人を「引き離す」ことで、分化と真の統合をめざすしか手はないという。

本書では、未分化が引き起こしている問題と原因をあぶりだし、分化によって個人と組織が享受できるメリットや、分化した個人が協働するための道筋が、明快に描かれている。日本の組織や社会に広く蔓延する未分化という現象にメスを入れ、凝り固まった既成概念を壊してくれる一冊だ。新しい働き方、組織づくりを模索しているすべての読者にお薦めしたい。(松尾 美里)

本書の要点

  • 組織ぐるみの不祥事やブラック企業の横行、女性活躍の難航などの根本には、個人が組織や集団から分化されていないという問題がある。
  • 未分化な組織では、仲間からの同調圧力が強く、個人の仕事の分担が不明確であることが、個人のモチベーションの低下につながっており、組織の活力を奪っている。
  • 分化が進めば、個人のモチベーションや生産性が向上し、「異質なチームワーク」を発揮できるようになる。また、不祥事の抑制や女性活躍、ダイバーシティの推進にもつながる。

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