連載:第30回 総合
経営者と現場の「DX意識格差」が深刻な状況に、望まれる“集金・請求業務のデジタル化”
「DXで業務効率化やコスト削減を進めたい」という方向性は皆から歓迎されているのに、現金の集金業務に携わる現場作業員や営業職と、請求を行う経営者との間で、大きな意識格差が生じています。現場の実態や社員の意欲を経営側が把握できず対応が遅れており、熱量に差が生まれているのかもしれません。“集金・請求業務のデジタル化”の現状について、調査結果から計ります。
DXが必要とされる部門・部署はやはり「営業・販売」か
ネットプロテクションズでは、現金の集金業務に携わる現場作業員を対象とした調査と、請求業務に携わる営業職と経営者を対象とした調査の2つを実施しました。
まず集金担当の現場作業員に「あなたの会社でDXが必要とされる部門、部署はありますか?」と聞くと、82.7%がなんらかの部門を回答しました。特に多かったのは「営業・販売」44.3%、「企画・開発」35.3%、「経理・財務」33.2%でした。「DXに期待する効果」としては「業務の効率化」69.1%、「コスト削減」64.6%が特に票を集めています。
同様に「あなたの会社でDXが必要とされる部門、部署はありますか?」と請求業務に携わる経営者と営業職に聞くと、経営者は「営業・販売」18.6%、「企画・開発」18.1%、「経理・財務」17.5%と回答が全体的に低調で分散しているのに対し、営業職は「営業・販売」50.7%、「企画・開発」「マーケ・広報宣伝」各21.9%と、身近な部署に対して危惧していました。また「特になし」と回答した営業職はわずか25.8%だったのに対し、経営者は53.1%が「特になし」と回答しています。
あわせて「DXに期待する効果」を請求業務に携わる経営者と営業職にも聞くと、経営者は「業務の効率化」68.0%、「コスト削減」53.9%が、営業職も「業務の効率化」73.4%、「コスト削減」51.7%が多く、ここでは両者の考えは一致しています。
集金を担当する現場作業員は約8割と高い割合で現金にまつわる何らかのトラブルを経験しています。そこで集金を担当する現場作業員に「現金の取り扱いをやめるべきだと思いますか?」と聞くと、「とても思う+やや思う」は79.5%。その理由としては、「集金のための訪問業務の負荷が大きい」58.7%、「現金の過不足をチェックする業務の負荷が大きい」57.8%が特に多く、「盗難や紛失など現金を失うリスクを押さえたい」も50.0%と半数を占めました。
支払い遅延、未回収金の発生、売上と入金額の不一致など、請求業務ではさまざまなトラブルが発生しがちです。DXに解決を期待する一方で、経営と現場のズレがDX進展を阻んでいる現状がありそうです。
調査方法(集金業務)
調査期間:2022年12月28日~2023年1月4日
調査方法:インターネット調査
調査対象:勤め先で「現金」による訪問先・客先・施工先などでの会計や訪問集金を行う人
調査人数:289人
調査方法(請求業務)
調査期間:2022年12月27日~28日
調査方法:インターネット調査
調査対象:経営者、営業職
調査人数:経営者360人、営業職361人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000368.000022451.html
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}