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連載:第1回 採用管理システムの必要性と選び方

「採用管理システムって本当に必要?」採用の最前線で活躍する担当者の視点(前編)

BizHint 編集部 2017年2月19日(日)掲載
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BizHintでは、人事・採用に関わる方々のニーズに、より的確にお答えするため、新企画 「人事担当者座談会」 シリーズをスタートしました。

この企画は、毎回特定のテーマについて実務経験をお持ちの方々に集まっていただき、歯に衣着せぬ、率直なご意見を交わしていただきながら、その内容を記事化するものです。

これまでの人事向けメディアの記事では知ることができなかった、現場からの生の声をお伝えしていきます。


第1回のテーマは 「採用管理システム」 。近年注目が集まりつつある人事領域でのテクノロジー活用、いわゆる「HRテック」のなかでも、採用に関わる方にとって最も身近な存在ではないでしょうか?

一方、 「どのシステムも同じように見えて、選び方が分からない」「コストを考えるとエクセルやGoogleスプレッドシートでもよいのでは?」 といった意見も根強いようです。

そこで今回は、急成長ベンチャーや小売・交通と言った業界に旋風を巻き起こしているトップ企業など、いずれも人材獲得に力を入れる組織の採用担当者6名にお集まりいただき、「採用管理システムはなぜ必要か?」「本当に使えるシステムはどれか?」というテーマについて、忌憚のない意見をお聞かせいただきました。

システムの選び方についての現場を知る方々ならではのコメントから、後半には「テクノロジーをどう活用すれば採用でより大きな成果をあげることができるのか?」という視点や、HRテック企業への提言まで。 

3時間近くに渡った座談会の内容を、全3回に分けてお届けします。


参加者

EC、広告、金融(Fintech)、交通、小売、コンサルティング 各業界の採用担当者の方々


我々の最初の質問、「そもそも採用管理システムは必要なのか?」という問いに対して、参加者は 「一定規模以上の採用活動をするなら、システム導入は不可欠」と意見が一致 していました。

前編ではこの回答の背景を紐解いていきます。

(文末には座談会参加各社の利用するシステムを紹介しています。)

スピードと正確性が求められるこれからの人材採用

少子高齢化や経済のソフト化により、優秀な人材の獲得を巡る企業間の競争が激しさを増しています。

そのなかで、人材採用、特に中途採用に関わる業務には大きな変化が起きつつあるのではないでしょうか?

これまで中途入社に門戸を開いてこなかった大手企業がキャリア採用を開始したり、紹介会社経由の採用がほとんどだった企業がダイレクトリクルーティングやリファラル採用に本腰を入れていたりなど 競争は激化 しています。

結果、採用活動には今まで以上にスピード感や、現場と採用担当の緻密な連携が求められています。

今回、複数の参加者が例としてあげたのが、2012年前後のソーシャルゲーム業界における人材獲得競争です。

当時、業界ではグリーやDeNAを中心とする新興企業の間で、優秀なエンジニアやデザイナーを巡る競争が繰り広げられていました。

当時、ゲーム業界で採用に関わった参加者は、 スピード採用の重要性 を強く語ります。

「ソーシャルゲーム業界が一番忙しかった時期は、おびただしい数の応募と選考が同時に進んでいました。スピード感もスゴくて、競合他社には面接後にその場で内定を出すところもあった。 うっかりしていると候補者を他社に先に採用されてしまう 場面もありました」(交通)

ゲーム業界が盛り上がった一時期の特殊な例のようにも映りますが、同時に優秀な人材を巡る競争が激化すると、採用企業側にもスピードが求められることを示しています。

そして、人口減少社会の日本では、今後様々な業界・職種においてゲーム業界と同様の現象が発生していく可能性があるのです。

成果に拘る人事はコア業務に集中している

採用における最重要課題は 「事業戦略を理解した上で、それを実現するための採用計画を立て、優秀な人材を採用するか?」 ではないでしょうか?

事業に大きなインパクトを与える人材との接点を作り、経営陣をはじめ最適と思われる相手と会ってもらいながら入社の意向を高め、内定承諾にこぎ着けるか? また同時に、数ある採用ツールや人材紹介会社へのコスト配分や、人的リソース配分を最適化し、いかにROIを意識した採用活動を実現するかを判断します。担当者の力量が問われます。

さらに採用計画の実現のためには、下記のようなタスクの高いレベルでの実行が求められ、採用担当者が採用に注力すればするほど、常にリソースはひっ迫してしまいます。


<採用担当のコア業務の例>

  • 採用の母集団形成
  • 候補者の自社にフィットするかどうかの見極め
  • 候補者に対する自社の魅力の訴求と、意向上げ
  • 社内の誰といつ面接・面談を組むかのプランニング
  • 内定者が入社するまでと、入社後のフォロー

参加者の間でも、「採用担当者はいかに人材との接点を作り出し、よい候補者を見つけ、自社に入社してもらうかを中心に時間を割くべきであり、『採用プロセスを管理する業務』は可能な限り効率化すべき『ノンコア業務』である」というのが参加者の一致した意見でした。

しかし「ノンコア業務」であっても、面接の日程調整などの採用管理は間違いが許されない業務です。

コア業務において人事や面接官が十分に力を発揮するためには、ノンコア業務の品質もまた非常に重要なのです。

したがって、ノンコア業務においては効率化を進めるだけでなく、品質も同時に担保しなければなりません。

採用業務はクリティカルなタスクが多い 。『面接に来たけど部屋が取れていませんでした』とか『面接官のアサインを間違えてました』とか。 一個一個の仕事でミスが許されないんですよね。まして間違った人に“内定”とは絶対に言えません」(金融)

採用管理業務は、正確性と効率の両立を求められる非常に難しい業務でもあるのです。

ノンコア業務を効率化する採用管理システム

では、採用管理業務の正確性と効率化を両立するには、どうすればよいのでしょうか? その有力な解が採用管理システムの導入です。

座談会の参加者は「 本気で採用に取り組むなら、採用管理システム導入は必須 」と口をそろえます。

採用を始めるなら 採用管理システムは絶対に入れたほうがいい と思います。アナログ管理ではすごく手間がかかりますし、本気でやるならちゃんと情報を残して置かないといけないので」(EC)

 

面接対応が日1人、1週間に5名くらいならば、システムを使わなくても問題ないと思いますが、1日に5名が面接に来る会社だともう分からなくなっていく。 できるだけ効率化しようと思うとシステムは必要 だと思います」(交通)

 

システムを入れると 採用業務の品質向上につながっていく 。本気で採用をやるなら先にシステムを入れるのは大賛成です」(金融)

参加者の意見を集約すると、一定規模以上の採用に品質を重視して取り組むのであれば、採用管理システムの導入は必須と考えられているようです。

エクセルやGoogleスプレッドシートではなぜダメなのか?

しかし、採用管理システムの導入にはコストもかかります。「管理はエクセルで行えばいいのではないか?」と思われる方も多いでしょう。

確かにエクセルやGoogleスプレッドシートは一見コストも安く、便利に見えます。 なぜ専用のシステムでなければダメなのか、再び参加者の意見を聞いてみましょう。

「当時はアシスタントの女性がエクセルで管理していたのですが、情報が更新されていなかったり抜け漏れも多かったのでシステムに切り替えました。 システムがないと抜け漏れが発生しやすく、情報の共有がしづらい ですね」(交通)

 

「エクセルで担当ごとに管理シートを作っていたのですが、複数人で触るうちに バージョンが増えて訳がわからなくなった のでGoogleスプレッドシートを使って一括管理するようになりました。 そこで今度は業務効率化のために、Googleスプレッドシートでは『候補者』を入力すると職種や面接日程などを自動的に判別して行が移動したり、セルに色がついたりするようカスタマイズしていましたが、 結局、 処理が重くなり使えなくなりました 」(EC)

 

最初はGoogleスプレッドシートで候補者管理を行っていたのですが、あれは良くないですね。 入力が一段ずれるだけでもステータスの取り違えが起こり大変 です」(広告)

一定の候補者数、月間面接数まではエクセルやGoogleスプレッドシートで処理できますが、担当者間のデータ共有や引き継ぎ、過去に遡った大量の候補者データの蓄積を考えると、 「採用管理システム無しで乗り切ることは現実的ではない」というのが一致した意見のようです。

前編のまとめ

今回の座談会では「なぜ採用管理ツールが必要なのか?」という問いに対して以下の3点が解答として導き出されました。

  • 激化する採用競争のなかで必要な人材を採用するため、人事はコア業務に集中するべき
  • 採用管理業務などのノンコア業務を省力化するために採用管理システムを導入することが一つの解
  • データの蓄積や、業務の正確性、情報共有を考えるとエクセルやGoogleスプレッドシートでの管理は現実的ではない

読者の皆様も今一度、今後の自社の採用で求められる採用人数や、確保したい人材のレベル、 採用活動における品質改善のポテンシャルなどを視野に入れながら、改めて採用管理システムの導入について検討してみてはいかがでしょうか?

採用管理システム座談会、中編は「多数あるシステムのなかからどう選べばよいのか」という問いについての参加者の意見をまとめていきます。


今回の参加企業が使う採用管理システム(紹介ページへのリンク)

バナーをクリックすると、座談会ユーザーが実際に使用している製品の概要をご確認いただけます。


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