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連載:第3回 「幸福経営」の先駆者ネッツトヨタ南国 「社員が幸せだから業績が上がる」

上司への相談不要、営業ノルマはなし。「自ら考えて動く社員」が育つ組織風土の作り方

BizHint 編集部 2022年9月8日(木)掲載
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自動車ディーラーなのに営業スタッフにはノルマがない。販売奨励金制度はあるものの、販売台数を競う仕組みにはなっていない。それでいて、スタッフはしかるべき販売実績を上げている。高知県、ネッツトヨタ南国の特徴的な組織運営です。「(正解を)教えないし指示命令もありません。緊急の事態には上司に相談なくスタッフそれぞれが自らが考えて動き、結果は事後報告。こういう組織風土だから、社員のモチベーションが上がり、業績に反映される」と言います。1999年から10年以上、トヨタ販売店のお客様満足度でナンバーワンを独走し、今も堅調な経営を続ける独自のマネジメントについて、創業オーナーの横田英毅相談役(下写真)と伊藤俊人社長、同社スタッフの方に話を聞きました。

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ネッツトヨタ南国相談役/ビスタワークス研究所顧問
横田英毅(よこた ひでき)さん
1943年生まれ。日本大学理工学部卒業後、カルフォニアシティカレッジに留学。西山グループ系列の宇治電化学工業、四国車体工業を経て、1980年トヨタビスタ高知発足と同時に副社長に就任、87年代表取締役社長。2007年代表取締役会長、10年取締役相談役。愛媛トヨタ自動車の代表取締役も務める。著書『会社の目的は利益じゃない』。また、横田さんの経営哲学を解説した著書に『「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学』(天外伺朗著)がある。

ネッツトヨタ南国代表取締役社長
伊藤俊人(いとう としひと)さん
立命館大学法学部卒業。1988年トヨタビスタ高知(2004年ネッツトヨタ南国に改称)入社。営業担当(中古車営業、その後新車営業)として経歴を重ねる。2005年にネッツトヨタ南国初の営業所「あさくら太陽店」の店長に就任。2013年取締役、2016年常務取締役、2017年より代表取締役社長。


ディーラーなのに販売ノルマがない、それで売れますか?

――横田英毅相談役に伺います。営業スタッフにはノルマがないとのこと。報奨金制度はあるけれど、販売台数、売上金額をダイレクトに反映したものではないとのこと。それで、モチベーションは上がるのでしょうか。また販売目標はどのように管理しているのでしょうか。

横田英毅さん(以下、横田): 会社としてこれだけの数字をやるという目安は設けていますし、営業スタッフも販売目標は自己申告し、毎月達成率はチェックします。しかし、それをもとに 営業スタッフにノルマを課すことはしていません。 販売実績にダイレクトに報奨金で報いる。これは外側からの動機づけです。

われわれが配慮しているのは、 営業成績や結果の数字だけを見るのではなく、どういう努力や工夫をしたか、プロセスを重要視して、本人の努力を評価してあげること です。

――報奨金制度はプロセスを重視した評価制度になっているとのことですが、どのようなものか、小松友紀さんに伺います。教えてください。

小松友紀さん(以下、小松): そもそも、各営業スタッフが販売台数を競う仕組みがありません。営業会社にありがちな、一人あたりの販売台数を示す棒グラフなども一切貼ってありません。販売台数は月次ごとに集計し、目標に対して何台だったか、その情報は全社で共有してはいますが、ランキングにはしません。

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