連載:第8回 最高の組織文化のつくり方
タニタ社員の個人事業主化のカルチャーはどう生まれたのか
唐澤俊輔さんが聞き手となり、経営者やリーダーたちとの対談を通じて、さまざまな企業のカルチャーを紐解く当連載。今回は株式会社タニタの代表取締役社長である谷田千里さんを迎えました。タニタでは2017年から、希望する社員が個人事業主となり、雇用契約から業務委託契約に切り替える新しい働き方「日本活性化プロジェクト」をスタートし、話題となりました。プロジェクト開始から数年経ち、会社にはどんな変化が生まれているのか。経営者としていかに変革に取り組んできたのか。谷田さんにプロジェクトの意図やその効果、「チェンジリーダー」としてのマインドセットを伺いました。
谷田 千里(たにだ・せんり)さん
1972年大阪府生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、船井総合研究所などを経て、2001年タニタ入社。2005年タニタアメリカINC取締役、2007年タニタ取締役を経て、2008年より現職。レシピ本のヒットで話題となった社員食堂のメニューを提供する「タニタ食堂」や、企業や自治体の健康づくりを支援する「タニタ健康プログラム」などの事業を展開し、タニタを健康総合企業へと変貌させた。近年は働き方改革にも取り組み、希望する社員を雇用契約から業務委託契約に転換する「日本活性化プロジェクト」を開始。編著に『タニタの働き方革命』(日本経済新聞出版社刊)。
他社にも広がってきた「社員の個人事業主化」
唐澤俊輔さん(以下、唐澤): 今日はお会いできて光栄です。以前、メルカリに勤めていた頃、さまざまな働き方を考える中で「従業員の個人事業主化」を検討したことがあったんです。自律的な働き方としては良いアイデアだけど、一方で「全員個人事業主化して、個別に確定申告してもらうのは、それはそれで非効率かも」みたいな意見も出て、結局実現はしませんでした。『タニタの働き方革命』も拝読しましたが、実際に仕組みとして成り立たせている企業があるんだ、と非常に感銘を受けました。
谷田千里さん(以下、谷田): ありがとうございます。最近では社員を個人事業主化する企業が他にも出てきましたからね。特に私たちがアドバイスしたわけではありませんが(笑)。世の中の流れとしても、少しずつ受け入れられるようになったのは、喜ばしいことです。弊社が「日本活性化プロジェクト」の取り組みを発表したときには、まだそんな雰囲気ではありませんでしたから。「体のいいリストラ策じゃないか」という批判もありました。
唐澤: 懸念が生まれてしまいがちですよね。そもそも、タニタが日本活性化プロジェクトを始めたのには、何かきっかけがあったのですか?
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バックナンバー (8)
最高の組織文化のつくり方
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