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連載:第2回 製造業

新車販売台数、世界的に大きく減少。欧州では昨対比52%減

BizHint 編集部 2020年5月22日(金)掲載
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新型コロナウイルスの感染拡大は、自動車業界にも大きな影響を与えているようです。自動車業界の調査会社であるJATO Dynamicsは、2020年3月の世界の自動車販売台数は昨年同月比39%減となる555万台を記録したと発表しています。この減少は、調査を始めた1980年以来最大のものとなるようです。また、2020年の第一四半期の世界販売台数は、昨年同期比26%減となる1742万台となることも判明しました。

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欧州は過去38年間の3月期と比べ、最低の販売台数に

いずれの国も新型コロナウイルスにより販売台数が減少していますが、最も大きな影響を受けたのは欧州です。過去38年間の3月期として最低となる販売台数を記録しています。欧州27カ国における乗用車の販売台数は昨年同月比52%減となる848,800台でした。1月、2月と減少が続いたため、第一四半期の台数は304万台まで下落しています。

販売台数は欧州の主要27カ国すべて減少していますが、その要因は様々です。フィンランドやリトアニアについては、外出自粛の要請が出ていたものの強制力はないため、新車の購入が可能でした。そのため、販売台数の変動はわずかとなっています。スウェーデンについても、政府から外出規制が出ていなかったため、9%の減少にとどまっています。

一方で、イタリア、フランス、スペイン、オーストリア、アイルランド、スロベニア、ギリシャ、ポルトガルは多大な影響を受けました。合計した販売台数は、昨年3月が634,600台であったところが、当月は161,800台まで減少しています。

モデル別に見ていくと、最も影響を受けたのは、シティーカー、MPV、サブコンパクトです。最も販売減少が少なかったのはミッドサイズカーでした。

SUVの販売台数は、昨年同月比48%減となる338,300台となっていますが、マーケットシェアは反対に、ほぼ40%へと拡大しています。中国の上海汽車集団(SAIC)傘下のMGは、昨年の1,327台から当月は2,592台と、唯一販売を伸ばしたメーカーでした。

燃料タイプ別では、電気自動車が15%増となる147,500台を売り上げており、2019年3月から10.1%ポイント多い、過去最大となる17.4%のマーケットシェアを獲得しました。

しかし、パワートレインを詳しく見てみると、ピュアEV(BEV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の台数が増えているのに対し、ハイブリッド車(HEV)の台数は11%減少しています。事実、ピュアEV(BEV)とハイブリッド車(HEV)の台数差は、1万台以内に収まっているようです。当月に印象的な結果を残したピュアEV(BEV)は、フォルクスワーゲン e-Golf、アウディ e-tron、フォルクスワーゲン e-Upでした。最新モデルである、ミニ エレクトリック(MINI Electric)、プジョー e-208、MG ZSなどが、ピュアEV(BEV)全体の17%を占めています。

米国昨年の38%減、中国・欧州よりも少ない減少にとどまる

米国の当月の販売台数は、昨年同月比で38%減となる100万台であり、中国と欧州よりも小さな減少となっています。その要因として、米国での新型コロナウイルス感染拡大は中国・欧州よりも遅かったこともあり、3月時点での外出規制が特定の地域でしか発令されていなかったためだと考えられます。

複数の要因で大きな打撃を受けているインド

3月の中旬からロックダウンが実施されているインドでは、2020年4月1日より実施された排出規制バーラト・ステージ6の影響と新型コロナウイルスが重なり、大きな影響を受けています。排出規制バーラト・ステージ6はすでに生産現場へ影響しており、最高裁判所の期限に即して、ステージ4からステージ6へ一気に移行する必要がありました。

この関係でインドでは、すべての自動車会社が小型ディーゼルエンジンの生産を終了しています。マルチ・スズキは、販売の20%がディーゼルであった時に、ガソリン車と天然ガス自動車(CNG)へ切り替えています。結果として、消費者需要は影響を受け、新しい改良されたモデルが投入されていますが、バーラト・ステージ6に準拠したモデルは高額で、すぐに購入にはいたりませんでした。4月1日の期限に合わせて車両値引きが期待されていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大が重なってしまい、購買力が高まらなかったようです。

2月と比べ、3月では状況が改善した中国

中国では、昨年比79%減となった2月から状況は改善しています。中国汽車工業協会(CAAM)から発行された統計によれば、生産台数は2019年の年間平均の75%の水準に戻るなど、急速に回復しています。乗用車の自動車交通事故責任強制保険(交強険)加入台数も、前月比で427%増となる、108万台まで戻りました。

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000055373.html

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