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メンターのもつ役割とは?メンティーはいかにメンターを探すのか?

BizHint 編集部 2017年3月29日(水)掲載
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メンターを見つけ、良好な関係を築くことは人生をより良くする一つ方法です。本記事ではメンターを持つ意味からメンターの探し方のポイントについて紹介します。

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メンターとは

ここ数年、ビジネスの世界でもよく耳にするようになったメンターとは、どのようなものなのでしょうか。 まずは、その名の由来からたどっていこうと思います。

メンターとは

古代ギリシャ文学において、叙事詩というジャンルを確立したホメロス の2大作品のうちのひとつ、『オデュッセイア』に登場する「メントール(Mentor)」に語源があります。 オデュッセウス王の息子テレマコスの良き指導者、良き理解者、良き支援者だったメントールが、のちに英語でメンターと言われるようになり、そこから人を導き、支援する理解者のことを指すようになりました。現代では、ビジネスというワークキャリアのみならず、人生という大きな括りにおけるライフキャリアにおいても、指導者、支援者、助言者という意味で広く使われています。 また、その動名詞的活用として、メンタリング(Mentoring)という言葉も用いられています。 http://www.smartvision.co.jp/mentor.html

メンティーとは

メンターを師匠とするならば、その弟子にあたるものはメンティー(mentee)と呼ばれます。メンターは、この被支援者、被育成者とされるメンティーの支援者として信頼と尊敬を得る必要があります。一方で、その関係は双方向のものでもあります。すなわち、一方的にメンターに教えを請うという依存的な間柄では、良好な相互関係は成立しません。 メンターが支援者として、メンティーの動機付けにうまく寄与できるかどうかは、当初メンティーに疑問や戸惑い、警戒心があったにしても、そもそもメンティーの側に、やる気を引き出そうとメンターに思わせる姿勢や態度が、メンティーの側に備わっているかということが、成否に大きく関わってくることになります。

メンターがなぜ求められるのか

それでは、なぜ今、メンターが求められるようになってきたのでしょうか。メンターを持つことで、いったいどのようなメリットが得られるのでしょうか。

メンターを持つ意味

メンタリングをとおして、個人のキャリア形成が促進されるとともに、組織への適応促進も図られます。 メンターの重要な役割の一つとして、メンティのロールモデルを担います。メンティーに対して、自らの成功体験をみせ、そのときの楽しさや感動を話すことで、メンティーは目指すゴールや達成したときの姿を具象化しやすくなります。これは、実体験が必要とされないコーチングとの大きな違いともいえます。 そのためなによりもまず、今まで持ち得なかった思考パターンを身に着けることが、メンターを持つ大きなメリットとなります。たとえば、発想の転換といった柔軟な思考の体得と同時に、すでにフレーム化された思考を利用することで高効率化 にもつながります。 また成功に到達するまでの間、困難な状況を乗り越えてきたメンターの行動を観察学習(モデリング)することで、想定外の状況に晒されたときの対応力、行動力を身に付けられるといった効果ももたらされます。

企業におけるメンター制度

日本企業においては、まだ広く定着していないメンター制度ですが、実際に機能している企業ではどのようなメンタリングが行われているのでしょうか。 たとえば、たとえば以下のような例が考えられます。

  • 新人社員に入社3〜5年目の若手社員をメンターとしてつける場合

新人社員に求められることは、目の前にある仕事を一人前にこなせるようになることです。その目的を達成させるには、新人社員よりも少しだけ先に一人前になった若手社員をメンターにつけることが効果的です。 そして、メンターが同世代であることで仕事だけでなくプライベートの悩みなどにも対応しやすく、共感できるというメリットがあります

  • キャリアやマネジメントを支援可能な30代の中堅社員をメンターとする場合

若手社員時代を過ぎ、部下を持つようになる社員を対象とした、キャリアプランニングや人員管理の仕方、その立場で生じる苦悩や葛藤との向き合い方などの支援が目的となります。将来の展望の策定方法や、自己の業務遂行だけでなく他者を管理、育成する役割としての働き方を知り、広角的な視野を授かれるというメリットがあります 。

メンタリングの流れは、まずはビジネスマナーなどの社会人としての基本からはじまり、業務の効率的な進め方や人間関係構築におけるアドバイスへと対象が変わります。最終的には中長期的なキャリア形成やモチベーション管理といったようにメンタリングの範囲が広がっていきます。 また、信頼関係の下につながっているメンターの存在は特別なものであり、メンティーは仕事だけに限らず、プライベートやメンタルヘルスなどの相談を持ちかけることも少なくないようです。

どんなメンターをつければいいのか?

一般的なメンターとして求められる要件とはいったいどういうものなのでしょうか。

一つは、メンティーが目指している結果と同様の結果を「継続的に」出している、ということが挙げられます。たとえば、華々しい結果をあげていたとしても、それが一回限りのまぐれ当たりのような結果では再現性が低いものとなります。 二つ目は、相性です。ごく当然ではありますが、人間関係というものは、どんなことにもその基盤を成します。求める結果、目的地が同じであったとしても、それを支援する側と支援される側の波長が合わなければ、同調に至れません。仮に、メンティーがメンターに対して、高圧的な人、打算的な考えが潜伏した人という印象を抱けば、メンティーは信頼関係の構築に困難を感じて、メンターから離れていきます。

メンターの探し方

実際に、このような「継続的な実績を持つ」「相性の合う」メンターとは、どこにいるのでしょうか。 そこで、この2大特性を備えたメンターを見つける方法について考えてみたいと思います。

メンターを探す方法

最初に自分自身の求める結果、ゴールを明確にする必要があります。たとえば、起業して自らビジネスを創造することをゴールにするならば、その成功体験を積んだ先人をメンターにすることになりますし、トップの営業成績を叩き出し、それを継続させたいのであれば、その実績をもつ人をメンターにする必要があります。 つまり自身の目指すゴールがクリアになっていなければ、適した人物を見つけ出すことはできません。 目標を明確にさせたら、いよいよメンターを探します。 まずは、職場やSNSなどのつながりも含めた知り合いのなかから対象を探してみましょう。 もしも、 業務の延長上にゴールがあるのであれば、社内にメンタリング制度がある場合、それを利用するのも手です。しかし、例示したようなメンターを探そうとしても、身近なつながりでは残念ながらたどり着けない場合もあります。 そのようなときには、関連書籍の著者やセミナー講師などが、別の選択肢として挙げられます。ハードルは高く思われがちですが、果敢にコンタクトを取ればレスポンスが返ってくることも少なくはないようです。

メンターになってもらう方法

いかに身近な存在であっても、一方的に思いを押し付ける形でメンターをお願いしては、そうそう上手くはいきません。 メンターとなってもらいたいと思う人は、多忙な傾向にあります。そのような人に、貴重な時間を割いてもらうことになるメンタリングをお願いするのですから、丁寧かつ熱意のある アプローチを心がける必要がありそうです。 もしも、自分自身がメンターの依頼をされたと想定すれば、とってはいけない行動は見えてきます。メールで依頼することもできなくはないですが、熱意を伝える意味でも、電話や直接のアポイントを取る等の努力をしてください。 そして、貴重な時間を割かせてしまうことになるので、メンタリングにどの程度の拘束時間を要してしまいそうか、その試算を伝えることも必要になります。 また、そのメンターから何を学び、たどり着きたいゴールがどこなのか、なぜその人にメンターを依頼するのかを伝えます。これが明確であるほど、メンターとなる人への説得力が増します。さらに、メンターを引き受けることによってどのようなメリットがあるかを伝えましょう。メンターとメンティーはあくまでも相互的に利益を得る関係です。 ここまでの手段を経て、熱意をもってお願いをしたとしても、必ずしも全員が首を縦に振ってくれるわけではありません。しかし、諦めずに多くの人に掛け合えば、いつかはメンターを引き受けてくださる方が見つかります。自らの手で勝ち取りましょう。

本をメンターにする

職場や知り合いなどの近しいところにもメンター候補がみつからず、かといって、一気に面識のない人にメンタリングの依頼をかけても、その実現の可能性がかぎりなく薄そうな場合、視点を転換してみるのも手 かもしれません。 メンターになって欲しい相手が思いつかない場合にも諦めることはありません。 家の本棚、書店そしてamazonにもメンターはいます。軽視しがちですが本は最適なメンターです。 松下幸之助にも、スティーブ・ジョブズにだって師事できます。 カントしかり、ニーチェしかり、どんな偉人でさえも、書物から彼らの思想を読み解くことで、メンターにすることができます。 また本の著者に連絡を取ることで、メンターになってもらえる可能性もあります。

メンターとのかかわり方

全幅の信頼をおけるメンターだからこそ、そのかかわりにおいて気をつけなくてはいけないこともあります。 一つは、依存しないことです。医療の場やカウンセリングの場でも、患者やクライエントに依存させないことが求められますが、メンタリングにおいても同様です。 あくまでもメンティーにとってメンターは、支援者であって親ではありません。 よって テイクだけの関係では、いずれ破綻してしまいます。 どのような間柄においても、ギブアンドテイクということを念頭においたつながりを保っていく必要があります。

また技術的なことでいえば、しばらくしてメンタリングに慣れてきたら、メンターの言動の一歩先を読む意識を持ちながらかかわっていくのも効果的です。 相手の思考を先取る訓練をすることで、自ずとメンターの思考回路を手にいれることができるようになります。

TED タイ・ロペス

起業家であり、投資家でもあるタイ・ロペス氏のメンタリング成功例を挙げてみます。

ロペス氏がまだ若い時分に師事していたメンターは言いました。 「16歳のとき、何がしたいと思っていた? それが君が真に求めることなのだ。そのとき何になりたいと思っていた?」と。 そこで彼は、アリストテレス倫理学で言うところの「善」、「善く生きる」ということを引き合いに人生の目的を考え、それが大変な命題であることに気づきます。 そして、この命題の答えを持っていそうな祖父に、人生設計の方法について教えを請う手紙を書きました。 一週間後、その質問に答えることができないかわりにと数々の本が送られてきました。 それが意味することをすぐには理解できませんでしたが、徐々にそれらが送られてきた理由がわかってきました。 つまり、大きな知恵や広い経験を積んだ先人たちの思考や意識から、人生を学ぶことができるとういことを知ったのです。

その後彼は、実際の知恵や経験を積むために世界51カ国を旅します。しかし、本を読むことはやめませんでした。 その結果、「真似をするという能力の程度が人生の成功度合を決める」という一つの考えに行き着きます。 同時に、メンターを選ぶ際は自分よりも少しだけ優れた人ではなく、自分の10倍優れた人を選ばなくてはならないというセオリーも導き出しました。 そうして人生の成功者となったあとも、「謙虚に学ぶ」「諦めずに粘る」「本から学ぶ」「ストイックに生きる」ということの重要性を認識していれば、人生は素晴らしいものになると結んでいます。

書籍紹介

『人生を変えるメンターと出会う法~自分の磨き方、高め方~』

日本に「メンター」という考え方をもたらした本田健氏が、メンターと出会う方法を17のプログラムから具体的に論じた書です。 偉大な人物をメンターとすることで、人生が一変するような飛躍を遂げられる理由や、人生を自分らしく生きるために必要な知恵を知ることができます。

『メンターが見つかれば人生は9割決まる!』

能力開発、人材育成を生業として、世界中の成功者に出会ってきた井口晃氏がたどり着いた答え。 「成功者には例外なくメンターがいる」という考えをもとに、メンターの見つけ方、学び方を簡潔に説明した書です。

まとめ

  • メンターとは、ビジネスのみならず人生においても、指導者や支援者という立場の人をさし、対して指導、支援される側はメンティーと呼ばれる。
  • メンターを持つことで、成功者の実際の思考や意識を体得することができる。
  • メンターとメンティーは、あくまでも相互的に利益を得る関係。
  • メンタリングは、身近な人に限らず垣根を越えた著名な人にもお願いをすることは可能だが、断られることもある。
  • 発想を転換すれば、本をメンターにすることさえできる。

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