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連載:第6回 よくわかる補助金・助成金 雇用・人材

経営者必見!従業員研修でもらえるお金

Logo markBizHint 編集部 2020年1月22日(水)掲載
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「優秀な人材がほしい!」経営者の切実な願いでしょう。しかし、ただでさえ求人難なのに、ましてや優秀な人材を獲得、となると至難の業です。であれば今いる社員を育てることに注力してみてはいかがでしょうか。といってもOJTだけでは限界があります。外部講師などをうまく活用して従業員研修を充実させましょう。今回はそんな従業員研修でもらえる人材開発支援助成金のご紹介です。

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1.人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金とは、従業員に専門的な知識やスキルを習得させるために、従業員研修・訓練を計画に沿って行ったときにもらえるお金です。研修経費や研修中の賃金の一部が助成されます。7つのコースがありますが、ここでは幅広い業種で使える「一般訓練コース」(正社員向け)と「特別育成訓練コース」(有期雇用労働者向け)をご紹介します。

2.正社員向けのコース~一般訓練コース~

ではまず正社員向けのコースからご紹介です。正確に言えば雇用保険一般被保険者が対象となるため、雇用形態としては時給で勤務するパート労働者であっても、雇用保険の一般被保険者であれば対象になります。順に助成要件、金額、手続等をみていきましょう。

(1)助成金をもらえる要件

off-JTにより実施される訓練・研修であること
事業主自身が企画実施する研修でも、教育訓練機関(研修会社)が企画実 施する研修どちらでも構いませんが、off-JTであることが必要です。

20時間以上の訓練・研修が対象  
従業員が専門的な知識やスキルを習得することが目的のため、数時間で終 わるような研修ではなく、20時間以上実施することが必要です。

セルフ・キャリアドックの規定化
耳慣れない言葉ですが、セルフ・キャリアドックとは定期的なキャリアコンサルティングのことです。要するに人事面談ですね。労働協約、就業規則または、後述する事業内職業能力開発計画に定期的なキャリアコンサルティングを実施する旨規定化すればOKです。

通信教育も対象
雇用保険の一般教育訓練給付指定講座に限定されますが、eラーニングを含む通信教育も対象になります。賃金助成はさすがに受けられませんが、研修時間を就業時間中に確保できないときは、自宅で通信教育を受講させることも一つです。

なお、この講座を受けたら必ず助成金がもらえる、といった人材開発支援助成金指定等の 類はありません。助成金を受けられるかどうかは、あくまで個別の助成申請結果によりますのでご注意ください。

(2)助成金額

①賃金助成と経費助成

助成金額は、研修を受ける時間の賃金助成と研修にかかる経費助成(受講料、講師料テキスト代など)の2種類があります。

  • 賃金助成  1名・1時間につき380円
  • 経費助成  かかった経費の30%

さらに「生産性」が向上している企業は金額がアップします

②生産性要件とは

生産性が向上している企業は以下の金額になります。

  • 賃金助成  1名・1時間につき480円
  • 経費助成  かかった経費の45%

生産性とは、以下の営業利益等からなる『付加価値』を従業員数で割った数値です。

助成金申請直近年度の生産性と3年前の生産性を比較して6%以上伸びているか、もしくは6%未満でも金融機関から事業性評価※を得られたらOKです。 営業利益が3年前より増えている、設備投資をして減価償却費が増えている、また従業員数が減ったなどのケースで生産性が向上している可能性があります。一見複雑そうにみえますが、専用のエクセルシートに決算書の数値を転記するだけです。助成金を増やすチャンスなので見逃さないようにしましょう。

※ 事業性評価とは
「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会を行い、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。

(3)助成金の申請手続き

①職業能力開発推進者の選出

社内で従業員の能力開発の取り組みを進める担当者を決めます。研修や社員教育の権限を持つ人がなる必要がありますので、人事部門や教育部門等の責任者がふさわしいでしょう。

② 事業内職業能力開発計画の作成・提出

研修計画を決める前に以下内容を盛り込んだ「事業内職業能力開発計画」を作成します。

  • 経営理念・経営方針に基づく人材育成の基本的方針・目標
  • 昇進昇格、人事考課等に関する事項
  • 職務に必要な職業能力等に関する事項
  • 教育訓練体系

③研修計画の作成・提出

具体的な研修計画を作成し、研修開始1か月前までに都道府県労働局へ提出します。

④申請

研修修了日の翌日から2か月以内に必要書類を添えて都道府県労働局へ提出します。

⑤審査、支給決定

3.非正規社員(有期契約労働者)向けのコース~特別育成訓練コース~

有期契約労働者(短時間勤務、派遣労働者等で契約期間の定めのある者)への教育研修は、特別育成訓練コースで助成を受けられます。これは旧キャリアアップ助成金人材育成コースで、平成30年度から人材開発支援助成金に統合されました。今回は比較的手続きが簡単な「特別育成訓練コース一般職業訓練」のご紹介です。以下助成要件等をみていきましょう。

(1)助成金をもらえる要件

有期契約労働者に対して、正規雇用労働者等に転換、または処遇改善を目指して実施する研修で、以下の要件があります。

  • off-JTにより実施される訓練・研修であること
  • 20時間以上の訓練・研修が対象
  • 1年以内のコースであること
  • 通信教育は対象外

(2)助成金額

賃金助成
1名・1時間につき760円 (475円)

経費助成
100時間未満 10万円( 7万円)
100時間以上200時間未満 20万円(15万円)
200時間以上 30万円(20万円)
※ 実際にかかった費用が上記金額を下回るときは実際の金額
※ (   )内は大企業の場合の金額

特別育成訓練コースでも生産性要件を満たすと賃金助成の金額がアップします。

  <生産性が向上している場合>
   賃金助成  1名・1時間につき960円 (600円)
   ※ (   )内は大企業の場合の金額
   ※ 生産性の算出方法等は一般訓練コースと同様です。

(3)助成金の申請手続き

①研修計画の作成・提出

具体的な研修計画を作成し、研修開始1か月前までに都道府県労働局へ提出します。

②申請

研修修了日の翌日から2か月以内に必要書類を添えて都道府県労働局へ提出します。

③審査、支給決定

4.まとめ

以上人材開発支援助成金の一般訓練コースと特別育成訓練コースをご紹介しました。

正直なところ、計画を作成したり面談をしたりで手間がかかる割には、助成金額はけっして多くはありません。例えば一般訓練コースで、受講料10万円・20時間のコースを受講した場合、一人当たりの助成金は最大で54,600円ほどです。

助成金をもらうためだけにこの取り組みをするとしたら、おそらく割に合わないでしょう。そうではなくあくまで社内の人材育成、将来への投資と考えて取り組む必要があります。

なお、今回ご紹介した2つのコース以外にも、研修期間が長いもの、建設業向けなど特定の業種向けのものなどさまざまなコースがあります。詳しくは下記厚生労働省のサイトをご参照ください。

[厚生労働省 人材開発支援助成金]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

(執筆)
株式会社プロデューサー・ハウス 佐藤 智美
中小企業診断士/社会保険労務士

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