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連載:第1回 IT活用 業務改革 最前線

【お寺にセールスフォース導入】「寺院運営はビジネスではない!」と言われながらも築地本願寺の改革に取り組むキーマン

BizHint 編集部 2019年9月2日(月)掲載
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東京・築地にある浄土真宗本願寺派の寺院・築地本願寺。国の重要文化財に指定される本堂は、毎日国内外からの観光客で賑わっています。また、敷地内にオープンしたカフェは若い女性を中心に一躍人気店に。近年、時代の変化とともに“寺離れ”が進む中で、開かれたお寺づくりを推進するのは築地本願寺の代表役員、宗教長の安永雄玄さんです。元銀行員という異色の経歴の持ち主である安永さんが、ビジネスの経験を活かして伝統的な組織の改革に挑む理由とは───。

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浄土真宗本願寺派築地本願寺 代表役員宗務長

安永雄玄さん

慶應義塾大学経済学部卒業。ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。三和銀行(現三菱UFJ 銀行)、ラッセル・レイノルズ社を経て、2015年より築地本願寺代表役員、宗務長として首都圏の新しい伝道活動に従事。


元は銀行やコンサルで活躍、たまたまお坊さんに

──元銀行員から仏教の道へ。異色のキャリアではないでしょうか?

安永雄玄さん(以下、安永): 私自身、もともと寺の生まれではありません。大学卒業後、銀行に22年勤めたのちヘッドハンティング会社に転身しました。人生の折り返し地点に立ったある時、ふと「人生の意義とはなんだろう」と考えたんです。

そこで、仏教の教えを学ぶために中央仏教学院に入学しました。最終的に得度するかは個人次第で半分の方は得度しないのですが……。3年間みっちり学んで、出会った同期たちと意気投合し「みんなで得度しよう!」と。私も会社の有給を11日間用いて50歳で得度しました。

その後、ある時大学時代の先輩から「うちの実家の手伝いをしないか」と誘われたんです。先輩の実家は浄土真宗本願寺派のお寺。そこで仕事の合間に副住職として寺のお手伝いをするようになりました。平日は会社員をしながら週末は法事のお勤めをする。まさに2足のわらじです。

そのうち、京都にある本山西本願寺の会議にも声をかけていただくようになって、社外取締役のような立場を3年ほど務めていました。そこで色々と意見を言っていたら、「ご自身でやってみませんか?」と。そこでプロジェクトを提案して採用いただき、就任したという次第です。

──宗務長に就任されて、見えてきた課題はどのようなものでしたか?

安永: 築地本願寺だけに限らず、 全国の寺院が抱えている課題は「門信徒の獲得」です。 現在の門信徒は60代〜80代が中心で、40代、50代はほとんどいません。昔と違って地域を支えた組織がなくなりつつあり、人口減少も拍車をかけて寺の支え手は減る一方です。そのため、建物の修繕費を捻出できなかったり、後継者がおらず住職がいなくなる寺も増えています。どうやって寺とのご縁を作るか。 ビジネスでいうなれば「新規顧客の獲得」が重要な課題になっています。

──お寺の経営とビジネスにも共通点があるということでしょうか?

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