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連載:第2回 【新経済連盟NEST TOKYO2019イベントレポート】

「第三の開国」が日本を変える―新経済連盟が目指す、新しい日本【新経済連盟NEST TOKYO2019イベントレポート】

BizHint 編集部 2019年7月12日(金)掲載
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2012年に発足した新しい経済団体の新経済連盟は、今年で7回目となるグローバルカンファレンス「新経済サミット=NEST」を東京と大阪で開催します。その第一弾となる「NEST TOKYO2019」が2019年6月20日(木)、ザ・プリンスパークタワー東京で行われました。カンファレンスに際し、『「第三の開国」が日本を変える―新経済連盟が目指す、新しい日本』と題した新経済連盟代表理事、三木谷浩史さんによるオープニングスピーチの模様についてレポートします。

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三木谷浩史さん

一般社団法人 新経済連盟 代表理事 楽天株式会社 代表取締役会長兼社長

1988年に一橋大学卒業後、日本興業銀行(現 みずほ銀行)に入行。1993年にハーバード大学にてMBA取得。1997年2月に株式会社エム・ディー・エム(現 楽天株式会社)を設立。同年5月にインターネットショッピングモール「楽天市場」を開設。楽天グループとして、Eコマース、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など多岐にわたる70以上のサービスを提供。2019年10月には、日本の第四のキャリアとして移動体通信事業(MNO)サービスを開始予定。


5G移行は日本に「第三の開国」をもたらそうとしている

この30年間、インターネットをベースにした社会革命がすごいスピードで進んでいます。 思い起こせば今から50年前の1969年、ARPANETというTCP/IPをベースにした新しい通信規格がアメリカで誕生し、1993年にはマーク・アンドリーセンを中心に作られたMosaicというブラウザを皮切りに、インターネットは凄まじい勢いで発展し、ついには人工知能、超高速の5Gネットワークが実現するというところまで進んできました。5Gの通信速度は現在使われている4Gネットワークの約100倍、かつてのアナログ通信(1G)と比べるとなんと50万倍です。

振返ってみると、楽天がインターネットショッピングをはじめた1997年当時は「インターネットは広がるが、インターネット上のビジネスは絶対に成功しない」という社会的コンセンサスだったので「ネットでモノを買うようになる」と言うと99%の人が「NO」と答えていました。しかし実際には、インターネットは社会基盤の1つのレイヤーとなる発展を遂げ、大きな社会変革をもたらしました。

とりわけ今後、5G ネットワークへの移行は、劇的な社会変化をもたらすだろうと言われています。たとえば、ロボットによる業務自動化の促進、そしてBMWやアウディ、テスラモーターズは、自動運転レベル5の完全自動運転車を2020年~2021年には実現すると発表しています。またドローンを活用した新たな配送サービスも実現化まであと一歩のところまできています。

カテゴリー別では、SaaS(Software as a Service)プラットフォームのマーケット拡大や、MaaS(Mobility as a Service)によるライドシェアなど様々な形で移動手段の革命が起ころうとしています。さらにスマートスピーカー、これはキーボードを打っていたのがフリック入力になり、打つ時代から話す時代になろうとしています。いずれは話さずとも人間が何をしようとしているのかを察知できるような時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。5Gによってデータ量も圧倒的に増えると、AIが人間の脳に近づいてきます。ものによっては人間の能力より明らかに優れたことができる、ということが実現しようとしています。

つまり、5Gによって様々な分野での自動化が、凄まじいスピードで起こってくるでしょう。 これからの10年間は、この20年間に起きたインターネットによる様々な社会変革以上のインパクトがあるのではないか と思います。

こうした例だけではなく、大きな変革が様々な場面で今、まさしく起ころうとしています。こうしたなか、日本は一歩一歩前に進んでいるというよりは、一歩一歩世界から遅れをとっていってしまっているのではないか、という考えから、新しい経済団体を作って日本の新しい産業、新しい企業を育てていこうということで新経済連盟を設立しました。

新経済連盟は「イノベーション(創造と革新)」「アントレプレナーシップ(起業家精神)」「グローバライゼーション(国際的競争力の強化)」の3つを柱 として、政策提言や啓蒙活動などを通して社会的、政治的あるいはビジネスのベースを作る活動を行っています。

活動をはじめて今年で8年、前身のeビジネス推進連合会から数えると10年目を迎え、会員数は全国で532社と順調に増えています。そして、「より具体的な政策提言をしよう」ということで、昨年は37の政策提言と71の政府会合等への参加、また、実際の政策を考えるセミナーは40回以上開催できました。

また、これまでに行ってきた具体的な提言など12テーマ98項目の活動について進捗状況を自ら評価した「JANE イノベーションモニター」を先日発表させていただきました。結果的に、かなり重要な法案も含んだ我々の提案のうち4%を実現できましたが、検討中、議論中のものも6割近くあります。

第三の開国に向けた包括的な提言「Japan Ahead2」

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