連載:第9回 製造業
国内景気の最新動向・2021年4月時点、「製造」を中心に3か月連続で上昇
まん延防止等重点措置の拡大、そして3回目の緊急事態宣言の発出などもあり、4月の国内景気は低調な状態が続きました。例年であれば、新年度がスタートするとともに、ゴールデンウィークを迎え、消費の高揚も見られるのですが、今年は人流の抑制にともない個人サービスが大きく落ち込みました。一方で、海外経済の回復により輸出は大きく増加しています。
景気DIは3か月連続で上昇中、製造業が好況を牽引
帝国データバンクでは、全国企業が“自社の景気”について7段階で評価した数値をベースとする指標「景気DI(Diffusion Indexes)」を算出し、国内景気を毎月判断しています。全国2万3,707社(有効回答:1万1,003社)を対象にした調査によると、2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の「38.3」でした。ここ3か月は増加傾向が続いており、業界別では、「製造」など5業界が改善していますが、「サービス」など5業界は悪化しています。
業界別をさらに詳しく見ると、「製造」は半導体関連や電子部品などの輸出が堅調で改善傾向が続きました。再生資源卸売が大幅プラスになった「卸売」も好調です。一方「サービス」は、飲食店などの個人向けサービスが、緊急事態宣言を受けて再び落ち込みました。また「建設」が、建築用資材の不足や価格高騰から3か月ぶりに悪化しました。
地域別では「北関東」「東北」など10地域中8地域が改善、「近畿」など2地域が悪化していました。なお規模別では、「大企業」「中小企業」が3か月連続で改善した一方、「小規模企業」は3か月ぶりに悪化しています。
今後の見通しについては、まだまだコロナ禍の影響が不透明ですが、ワクチン接種がスタートしたことで経済活動の正常化が見込まれるため、緩やかに上向く見込みです。ただし半導体不足がさまざまな影響を与えており、関連業界は注意が必要でしょう。
調査方法
調査期間:2021年4月16日~2021年4月30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:2万3,707社
有効回答:1万1,003社
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000291.000043465.htmlhttps://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k210501.html
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