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イノベーション

2018年8月7日(火)更新

人事データ・ピープルアナリティクスが今、熱い理由【鹿内学さん 株式会社シンギュレイト/ピープルアナリティクス&HR テクノロジー協会 上席研究員】

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人事データ分析、ピープルアナリティクスに強い関心が寄せられている昨今。BizHintでは「人と組織の科学」を探求する連載をスタートいたします。聞き手は株式会社シンギュレイト/ピープルアナリティクス&HR テクノロジー協会 上席研究員の鹿内学さん。連載初回、「そもそもピープルアナリティクスとは?」や「人事データによってどんな未来が見えるのか?」を鹿内さんに聞きました。

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ピープルアナリティクスとは、「人と組織の科学」

昨今、人事の領域において人事データ分析、ピープルアナリティクスに強い関心が寄せられています。

ピープルアナリティクスは「人と組織の科学」 です。社員にまつわるさまざまな行動データを収集・解析することで、生産性の向上や働きやすい職場環境づくりに繋げていく方法です。ピープルアナリティクスの応用範囲は非常に広く、 採用、配置、業務効率化、パフォーマンス向上などさまざまな組織課題を解決するためのツール になります。

ただ、応用範囲が広いゆえにわかりづらいのも事実でしょう。私は「手法」や「ツール」などピープルアナリティクスの「技術」を駆使するだけでは足りないと思っています。 「サイエンス」の観点が加味されてこそ、初めて真価を発揮するもの と捉えています。

例えば、ITやIoTという技術を人事へ効果的に機能させるには、「なぜその技術が必要なのか」「それにより何がもたらされ、どのような変化が起こり、結果としてどんな成果に繋がるのか」などを検証し、考察し、実践していく姿勢が不可欠です。このプロセスがサイエンスです。

同様に、人事データをデータのままでは活用できません。データを分析によって情報に変換し、そこから何が導き出せるのかを理論化、体系化する。それはまさに科学そのものではないでしょうか。

2016年9月、政府は「働き方改革実現推進室」を設置し、「労働環境の改善を主軸に据えた新しい時代の働き方を確立するための取り組みを押し進める」と打ち出しました。この気運を受けて、2017年の初頭から、私のもとにもさまざまな相談や依頼が続々と寄せられるようになりました。

「働き方改革の文脈で、人事領域から新たな取り組みを進めたいのだが、何から手を付ければよいのかわからない」「当社の離職率に関するデータはすでに持っている。ただ、ここから何を読み解き、どのように具体的な施策に繋げていけばいいのだろう」といった悩みを抱えている人事担当者は、非常に多いと感じています。

これまで人事に関する科学的な考察は、主に経営学が担ってきました。もちろん、経営学の視座から人事について論考した研究も数多く存在していますし、優れた研究者たちがさまざまな知見を我々にもたらしてくれたのも事実です。しかし、こと 人事領域においては、これまであまりデータが蓄積されておらず、自然科学的な検証がおこなわれてこなかった(おこなえなかった)と言わざるを得ません。 その意味で経営学は人文科学、社会科学の域に閉じていて、自然科学の観点が足らなかったと私は見ています。

データサイエンスが私たちの暮らしに急速に広まっている現代、ビジネスにおいても経験則や慣例で処理されていた事柄が、データにもとづいて処理されるようになっていくでしょう。人事領域も然りです。いまはまだ過渡期ですが、企業は社員の行動に関するさまざまなデータを蓄積し、それらを効果的に活用することが当たり前になると考えます。 これからの時代、「人事は科学になる」──それが私の意図するところ です。

そして「科学としての人事」の最先端は、大学などの研究機関ではなく、企業の現場になるはずです。膨大なデータを収集・蓄積し、それを検証して仮説を立て、すぐに実践し、その結果をまた検証して、実践していく。PDCAを効率的にまわしていける場は、大学ではなく企業のなかにあります。

別の言い方をするなら、今後、人事担当者は科学者となって、組織における新たな課題を見つけ出し、データサイエンスを活用して解決を図る重要な役割を担っていくはずです。そう考えていくと、人事の仕事はますます大変になっていきそうですね(笑)。

ピープルアナリティクスによるオーダーメイド、レディメイドな人事

「「人と組織の科学」―人事データ・ピープルアナリティクス最前線―」バックナンバー

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