連載:第24回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
「あなたは部下に感情を見せていませんか?」成果を出せない組織にしないためのマネジメントの極意


部下が同じ結果を報告したにも関わらず、上司の感情次第で評価が変わってしまう——。こうした職場は決して珍しくありません。「今日は機嫌が悪そうだから報告は避けよう」「昨日は褒められたのに、今日は同じことで叱られた」といった状況が日常的に起きている組織では、部下は成果よりも上司の顔色を優先するようになってしまいます。これでは部下は「何を基準に行動すればよいのか」がわからず、結果的に組織全体のパフォーマンス低下を招いてしまいます。本記事では、なぜ、上司が部下に感情を見せないことが組織成長につながるのか、そして具体的にどのような手法を実践すべきかについて解説します。(執筆:株式会社識学 シニアコンサルタント 川添晶美)

感情的な上司が組織を機能不全に陥らせる理由
組織における上司の本来の役割は、部下を励ますことでも慰めることでもありません。「組織の目的達成のために、部下を導くこと」が唯一の役割です。しかし現実の職場では、様々な価値観を持つ人々が集まり、感情が組織運営を支配してしまうことが多々あります。
そうなると、部下からすれば「どの基準で判断されるのか」がわからず、その結果、正しい行動よりも「今日は上司の感情がどうか」を優先して動くようになってしまいます。これこそが組織を弱体化させる最大の要因です。
もちろん、部下が決められた目標やポイントをクリアした際に褒めることは問題ありません。重要なのは、それが 「ルールや結果に基づく評価」 であるべきで、 感情に左右された気まぐれな反応であってはならないということです。
感情的な上司は「組織をルールではなく主観で動かしている状態」です。 組織は本来「結果を出す仕組み」であり、そこに上司の私情や気分を混ぜてしまうと、公平性も一貫性も失われ、その瞬間から組織は機能不全に陥ってしまいます。
では、感情を見せない上司はどうでしょうか。
部下から見れば「冷たい」「人間味がない」と映ることがあるかもしれません。 しかし実際には、感情を見せない上司こそ、最も部下思いであることが多いのです。
理由は至ってシンプルです。それは…
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バックナンバー (24)
悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
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